TOEICは何点で何ができるのか。
この質問には、IIBCが公式に答えている部分と、公式には答えていない部分があります。
このページでは公式が公表している「スコア帯別のできること」と、2024年度の実測データを並べます。
数字はすべてIIBCの公表資料から採り、表はこちらで組み直しています。
TOEICは何点で何ができるのか|公式が答えている部分と答えていない部分
先に結論を書きます。
IIBCは「TOEIC L&Rの合計点で何ができるか」という表は公表していません。
公表しているのは、ListeningとReadingそれぞれのスコア帯ごとの「できること」です。
つまり「600点だと何ができる」という言い方は、公式の枠組みには最初から無いということです。
同じ600点でも、Listening400点・Reading200点の人とListening300点・Reading300点の人では、公式の評価文が別々になります。
この点を押さえておくと、ネットの「TOEIC◯点でできること一覧」が何を根拠にしているかが見えるようになります。
| 知りたいこと | IIBCの公表 | どこを見るか |
|---|---|---|
| セクション別のできること | 公表している | レベル別評価の一覧表 |
| セクション別のCEFRレベル | 公表している | TOEICとCEFRの対照表 |
| 合計点でのできること | 公表していない | 公式の資料は無い |
| 合計点でのCEFRレベル | 公表していない | 公式の資料は無い |
| 実際の平均スコア・分布 | 公表している | DATA & ANALYSIS(年次) |
TOEICのスコアの仕組み|何点満点で、何を測っているのか
できることの話に入る前に、点数の器を確認します。
IIBCのDATA & ANALYSIS 2025に、各テストの形式が載っています。
| テスト | 形式 | 時間/問題数 | スコア |
|---|---|---|---|
| TOEIC L&R Listening | マークシート | 約45分/100問 | 5〜495点 |
| TOEIC L&R Reading | マークシート | 75分/100問 | 5〜495点 |
| TOEIC L&R 合計 | マークシート | 約2時間/200問 | 10〜990点(5点刻み) |
| TOEIC S&W Speaking | パソコン | 約20分/11問 | 0〜200点 |
| TOEIC S&W Writing | パソコン | 約60分/8問 | 0〜200点 |
| TOEIC Bridge L&R | マークシート | 約1時間/100問 | 30〜100点(1点刻み) |
ここで大事なのは、TOEIC L&Rが測っているのが「聞く」と「読む」だけだということです。
話す力と書く力はTOEIC S&Wという別のテストで測ります。
なので「TOEIC900点だから話せる」という推論は、公式の枠組みの外にあります。
TOEICは何点で何ができるか(Listening編・IIBC公式の評価一覧)
IIBCのレベル別評価の一覧表から、Listeningのスコア帯別の記述をまとめます。
| Listeningスコア | 公式が示す「できること」の要点 |
|---|---|
| 495〜375 | 幅広い語彙が使われていても、話の主旨・目的・基本的な文脈を推測できる。複雑な構文や否定表現も理解できる。弱点はまれで、あまり使われない文法や語彙に限られる |
| 370〜275 | 簡単な語彙や中級レベルの語彙が使われるときは、話の詳細まで理解できる。難しい語彙や間接的な応答は理解しにくい。複雑な構文や言い換えに弱い |
| 270〜5 | 語彙が簡単で、話のごく一部を理解すればよいときは詳細を理解できる。情報が何度も繰り返される場合にかぎり主旨をつかめる。構文や言い換えはほとんど理解できない |
注目してほしいのは、区切りが3段階しかない点です。
375点と490点は、公式の評価文の上では同じ帯に入ります。
「何点で何ができるか」を細かく刻んだ表は、公式には存在しないということです。
TOEICは何点で何ができるか(Reading編・IIBC公式の評価一覧)
Readingは4段階に分かれています。
| Readingスコア | 公式が示す「できること」の要点 |
|---|---|
| 495〜425 | 文章全体にわたる情報を関連付けられる。幅広い語彙や複雑な文法構造も理解できる。弱点は複雑で難解な表現に限られる |
| 420〜325 | 語彙や文法が難しいときでも、文章の限られた範囲内なら情報を関連付けられる。広い範囲にまたがる情報の関連付けは難しい |
| 320〜225 | 事実に基づく情報の問題に正答できる。ただし主に問題文と同じ表現が使われている場合。言い換えや推測が必要な問題は得意ではない |
| 220〜5 | 広い範囲を読む必要がないときは、事実に基づく情報の問題に正答できる。推測や言い換えの理解はほとんどできない |
ListeningとReadingで段階の数が違うのは、測っている中身が違うからです。
Readingでは「情報を関連付けられる範囲の広さ」が、帯を分ける軸になっています。
言い換えれば、Readingのスコアが上がるとは、1つの文が読めるようになることではなく、離れた場所の情報をつなげられるようになることです。
TOEICは何点でCEFRのどのレベルか|できることの国際的な物差し
できることをもう1段階うまく言うために、CEFRを使う方法があります。
IIBCのCEFRレベルマッピング資料にある最低スコアです。
| セクション | A1 | A2 | B1 | B2 | C1 | C2 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| Listening(5〜495) | 60 | 110 | 275 | 400 | 490 | 該当なし |
| Reading(5〜495) | 60 | 115 | 275 | 385 | 455 | 該当なし |
| Speaking(0〜200) | 50 | 90 | 120 | 160 | 180 | 該当なし |
| Writing(0〜200) | 30 | 70 | 120 | 150 | 180 | 該当なし |
CEFRのB1は、欧州評議会の記述では「仕事、学校、娯楽などで普段出会うような身近な話題について、標準的な話し方であれば主要な点を理解できる」レベルです。
B2は「自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できる」レベルとされています。
TOEICのListeningでいえば、275点でB1の入口、400点でB2の入口ということになります。
C2はすべてのセクションで「該当なし」です。
TOEICはC2を測る設計になっていないので、満点を取ってもC2の証明にはなりません。
TOEIC L&Rの平均は何点か|2024年度の実測値
自分の点数が「何ができる位置」なのかは、まわりと比べて初めて実感できます。
IIBCが公表している2024年度の公開テストの数字です。
| 年度 | 受験者数 | 平均Listening | 平均Reading | 平均Total |
|---|---|---|---|---|
| 2022年度 | 784,310人 | 331点 | 277点 | 608点 |
| 2023年度 | 746,178人 | 335点 | 278点 | 612点 |
| 2024年度 | 735,425人 | 336点 | 279点 | 615点 |
3年続けてListeningがReadingを50点以上上回っています。
平均615点をCEFRに当てはめると、Listening336点はB1の帯、Reading279点もB1の帯です。
つまりTOEIC公開テストの平均的な受験者は、聞く・読むの両方でB1にいる、というのが公式の枠組みでの読み方になります。
TOEICのスコア分布|何点だと上位何%か
2024年度の公開テスト受験者735,425人の分布から、累積の割合を計算しました。
| スコア | その帯の人数 | その帯の割合 | そのスコア以上の累積 |
|---|---|---|---|
| 895点以上 | 32,206人 | 4.4% | 4.4% |
| 845〜894点 | 36,938人 | 5.0% | 9.4% |
| 795〜844点 | 51,224人 | 7.0% | 16.4% |
| 745〜794点 | 61,598人 | 8.4% | 24.8% |
| 695〜744点 | 69,891人 | 9.5% | 34.3% |
| 645〜694点 | 76,117人 | 10.4% | 44.7% |
| 595〜644点 | 78,834人 | 10.7% | 55.4% |
| 545〜594点 | 76,039人 | 10.3% | 65.7% |
| 495〜544点 | 68,521人 | 9.3% | 75.0% |
| 445〜494点 | 57,848人 | 7.9% | 82.9% |
800点は受験者の上位およそ16%、900点は上位およそ4%という位置です。
ただしこれは公開テストを自分で申し込んで受けた人の中での割合です。
日本人全体の中での順位ではないので、そこは混ぜないでください。
公開テストの受験者は、お金を払って自分で申し込んだ人たちです。
企業や学校でまとめて受けるIPテストの平均は、公開テストとは別の数字がIIBCから公表されています。
社会人と学生でTOEICは何点違うか
同じ2024年度の公開テストを、社会人と学生に分けた数字です。
| 区分 | 受験者数 | Listening | Reading | Total |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 735,425人 | 336点 | 279点 | 615点 |
| 社会人 | 312,258人 | 350点 | 294点 | 644点 |
| 学生 | 409,991人 | 325点 | 267点 | 592点 |
差は52点です。
学生の内訳を見ると、大学生は600点、大学院生は640点、高校生は535点となっています。
大学生の学年別では、1年555点、2年589点、3年602点、4年613点と上がっていきます。
職種別・役職別のTOEIC平均スコア一覧
社会人のデータは職種と役職でも公表されています。
自分の仕事の周辺が何点なのかを知るのに使えます。
| 職種 | 受験者数 | 平均Total |
|---|---|---|
| 海外 | 7,669人 | 724点 |
| 教育 | 17,175人 | 708点 |
| 法務 | 5,304人 | 701点 |
| 財務 | 2,842人 | 691点 |
| 経営 | 9,667人 | 678点 |
| 企画 | 17,589人 | 663点 |
| 経理 | 10,106人 | 655点 |
| 事務 | 31,044人 | 646点 |
| 営業 | 44,950人 | 623点 |
| 技術 | 48,164人 | 589点 |
| 製造 | 8,907人 | 552点 |
| 役職 | 受験者数 | 平均Total |
|---|---|---|
| 役員 | 6,702人 | 686点 |
| 部長 | 10,297人 | 672点 |
| 課長 | 27,253人 | 651点 |
| 係長 | 30,812人 | 625点 |
| 一般社員 | 188,769人 | 628点 |
役職が上がるほどスコアも高い、という素直な形にはなっていません。
係長625点より一般社員628点のほうが高いのは、受験する層そのものが違うからだと考えられます。
この表は「役職に必要なスコア」ではなく「その役職で受けた人の平均」なので、そこは分けて読んでください。
企業がTOEICで何点を期待しているか
できることを仕事の文脈に置き換えると、いちばん近いのが企業の期待スコアです。
IIBCのデータでみるTOEIC Testsに、「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」からの数字が載っています。
| 対象 | 企業が期待する平均スコア |
|---|---|
| 新入社員 | 550点 |
| 技術部門 | 560点 |
| 営業部門 | 580点 |
| 海外部門 | 705点 |
採用時にTOEICスコアを要件・参考にしている、または今後そうする可能性がある企業は73.6%とされています。
海外部門の705点をCEFRに置き直すと、ListeningもReadingもB2の帯に入ってきます。
「海外の仕事を任せられる」と企業が考える線が、公式のCEFRでいうB2のあたりにある、というのは覚えておいて損がありません。
TOEICは何点でも「できること」に上限がある|L&Rの限界
ここまでの数字を全部踏まえたうえで、正直に書いておきたいことがあります。
TOEIC L&Rは990点満点でも、話す力と書く力については1文字も証明していません。
IIBCも4技能を測るにはTOEIC S&Wを併せて受けるという設計にしています。
2024年度のTOEIC S&W公開テストの平均は、Speakingが131.0点(11,595人)、Writingが142.6点(8,712人)です。
SpeakingのCEFR最低スコアと突き合わせると、平均131.0点はB1の帯(120点以上)でB2の160点には届いていません。
L&Rの受験者が73万人を超えるのに対して、S&Wは1万人程度です。
日本で「TOEICのスコア」と言われているものが、ほぼ聞く・読むだけの数字になっているのはこのためです。
TOEICのスコア帯別のできることを、次の目標に変える手順
最後に、この記事の数字を自分の計画に落とす手順を書きます。
1つ目は、合計点ではなくListeningとReadingを別々に見ること。
公式の評価文もCEFRの対応も、セクション別にしか存在しないからです。
2つ目は、自分の弱いほうのセクションを次の帯の下限に合わせること。
たとえばReadingが300点なら、次の目標は325点(公式の評価が1段上がる線)です。
3つ目は、提出先がある場合はその基準を先に確認すること。
企業の期待スコアの平均は550〜705点ですが、自分が出す先の基準はその平均ではありません。
4つ目は、話す・書くが必要な場面かどうかを見極めること。
必要ならL&Rを伸ばすより先に、S&Wを1回受けて現在地を測るほうが早いです。
まとめ|TOEICは何点で何ができるかの答え
確かなことだけを並べます。
IIBCが公表している「できること」は、ListeningとReadingのスコア帯別の記述です。
Listeningは3段階(495〜375/370〜275/270〜5)、Readingは4段階(495〜425/420〜325/320〜225/220〜5)です。
CEFRとの対応もセクション別で、B1はListening275点・Reading275点から、B2はListening400点・Reading385点からです。
2024年度の公開テスト平均は615点、800点以上は上位およそ16%、900点以上は上位およそ4%です。
企業が期待する平均は新入社員550点、海外部門705点です。
そして、合計点で何ができるかを定めた公式の表は存在しません。
出典
本記事の数値は、以下の一次資料から採りました。
- IIBC「レベル別評価の一覧表」(TOEIC L&R)
- IIBC「TOEIC Tests スコアのCEFRレベルマッピング方法について」(PDF)
- IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025」(2024年度・PDF)
- IIBC「データでみるTOEIC Tests」(英語活用実態調査2022ほか)
- 文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」附属資料(CEFR各レベルの記述・PDF)
取得日は2026年9月6日です。
受験料やデータは更新されるので、申込の前には公式サイトで最新の情報を確認してください。

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