
公立小学校で英語(外国語活動・外国語)を担当している教師のうち、学級担任ではない「専科教師等」は延べ3万7,419人です。
これは文部科学省「令和5年度『英語教育実施状況調査』」の集計結果に載っている数字で、調査基準日は令和5年12月1日、対象は公立小学校と義務教育学校前期課程の1万8,560校です。
この記事は、文部科学省が公表している「英語教育実施状況調査」と各年度の予算資料の数字を、専科教員という1つの切り口で並べ直したものです。
数字は2026年9月21日に文部科学省の各公表ページとPDFで確認しました。
確認が取れなかったものは載せていません。
小学校の英語を教える専科教員は延べ3万7,419人
令和5年度調査で、第3〜6学年の英語の授業を担当した教師は延べ16万3,475人でした。
このうち「専科教師等(当該小学校所属教師)」が3万7,419人で、全体に占める割合は22.9%です(文部科学省の概要資料に記載された割合)。
残りの大半は学級担任で、8万8,439人が自分のクラスの英語を教えています。
| 担当者の区分 | 延べ人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 学級担任 | 88,439人 | 54.1% |
| 専科教師等(当該小学校所属教師) | 37,419人 | 22.9% |
| 同学年他学級担任・他学年学級担任(授業交換) | 16,517人 | 10.1% |
| 他小学校所属教師 | 10,474人 | 6.4% |
| 非常勤講師 | 7,252人 | 4.4% |
| 中・高等学校所属教師 | 2,448人 | 1.5% |
| 特別非常勤講師 | 926人 | 0.6% |
| 合計 | 163,475人 | 100% |
文部科学省の調査票での定義は、外国語教育のみを担当する教師のほか、学級担任となっていない教師で外国語教育を担当する教師です。
つまり、英語だけを教える教員に限らず、担任を外れて英語を持っている教員もここに入ります。
小学校の学年別に見た専科教員の割合
同じ調査は第3・4学年と第5・6学年を分けて集計しており、学年が上がるほど専科教師等の割合が高くなります。
第3・4学年は20.0%、第5・6学年は25.8%で、5.8ポイントの差があります。
逆に学級担任の割合は第3・4学年の60.7%から第5・6学年の47.3%へ下がります。
| 担当者の区分 | 第3・4学年 | 第5・6学年 |
|---|---|---|
| 延べ人数の合計 | 82,997人 | 80,478人 |
| 専科教師等 | 16,620人(20.0%) | 20,799人(25.8%) |
| 学級担任 | 50,375人(60.7%) | 38,064人(47.3%) |
| 授業交換 | 8,120人(9.8%) | 8,397人(10.4%) |
| 他小学校所属教師 | 3,568人(4.3%) | 6,906人(8.6%) |
| 非常勤講師 | 3,177人(3.8%) | 4,075人(5.1%) |
| 中・高等学校所属教師 | 623人(0.8%) | 1,825人(2.3%) |
| 特別非常勤講師 | 514人(0.6%) | 412人(0.5%) |
第5・6学年は教科としての外国語、第3・4学年は外国語活動という違いがあり、授業時数も第5・6学年のほうが多く設定されています。
小学校の専科教員の人数は年度でどう動いたか
「英語教育実施状況調査」は毎年公表されていますが、小学校の調査票の作り方は年度によって変わっています。
令和元年度は第5・6学年だけが対象で、専科教師等は1万4,361人でした。
第5・6学年だけで比べると、令和元年度から令和5年度で6,438人、率にして44.8%の増加です(編集部が計算したもの)。
| 年度(基準日) | 専科教師等(第3〜6学年計) | うち第5・6学年 | 調査対象校数 |
|---|---|---|---|
| 令和元年度(2019年12月1日) | 集計なし(第5・6学年のみ調査) | 14,361人 | 19,187校 |
| 令和3年度(2021年12月1日) | 38,686人 | 22,384人 | 18,862校 |
| 令和4年度(2022年12月1日) | 34,216人 | 19,027人 | 18,702校 |
| 令和5年度(2023年12月1日) | 37,419人 | 20,799人 | 18,560校 |
令和2年度は文部科学省の「英語教育実施状況調査」の一覧に回が存在せず、平成25年度から令和7年度までのうち令和2年度だけが抜けています。
令和3年度の調査票は第3・4学年を「外国語活動を実施」と「教科としての外国語を実施」に分けて数えており、令和4年度以降とは表の作りが違います。
令和3年度から令和4年度にかけて数字が4,470人減っていますが、これは調査票の作りが変わった年度をまたいだ比較なので、そのまま減少と読むことはできません。
小学校の外から来て英語を教える教師の人数
専科教師等はその小学校に所属している教師ですが、調査には別の学校から来て教えている教師も別枠で載っています。
他の小学校に所属する教師が1万474人、中学校・高等学校に所属する教師が2,448人です。
この2つと専科教師等を足すと5万341人で、延べ16万3,475人の30.8%にあたります(編集部が足し算して割った数字)。
| 区分 | 令和4年度 | 令和5年度 |
|---|---|---|
| 専科教師等(当該小学校所属) | 34,216人 | 37,419人 |
| 他小学校所属教師 | 9,899人 | 10,474人 |
| 中・高等学校所属教師 | 2,545人 | 2,448人 |
| 非常勤講師 | 7,272人 | 7,252人 |
| 特別非常勤講師 | 1,070人 | 926人 |
| 担当教師の延べ人数(合計) | 160,372人 | 163,475人 |
他小学校所属教師の割合は第5・6学年で8.6%と高く、近隣校を巡回して英語を持つ形が一定数あることがうかがえます。
小学校の専科指導を増やすための国の定数改善
専科教員の人数は、国が毎年決める教職員定数の改善数と結びついています。
文部科学省の予算資料によると、小学校高学年の教科担任制は令和4年度から段階的に推進され、令和4年度950人・令和5年度950人・令和6年度1,900人の定数改善が計上されました。
令和6年度の1,900人は「令和7年度までの2か年分の改善数を計上し、当初の予定から1年前倒しで実施」と説明されており、この3か年の改善総数は3,800人です。
令和7年度からは小学校4年生への拡大を含む新しい計画に切り替わり、令和7年度990人・令和8年度990人が計上されています。
| 年度 | 小学校の教科担任制に係る改善数 | 資料上の位置づけ |
|---|---|---|
| 令和4年度(2022年度) | 950人 | 高学年の教科担任制の推進(4年程度で段階的に) |
| 令和5年度(2023年度) | 950人 | 同上(改善見込総数3,800人程度) |
| 令和6年度(2024年度) | 1,900人 | 950人×2か年分を1年前倒し(改善総数3,800人) |
| 令和7年度(2025年度) | 990人 | 4年生へ拡大する4年計画の初年度(改善総数3,960人) |
| 令和8年度(2026年度) | 990人 | 同計画の2年目(令和8〜10年度の改善総数24,605人のうち3,960人分) |
令和5年度・令和6年度の予算資料には「優先的に専科指導の対象とすべき教科」として外国語・理科・算数・体育の4教科が明記されています。
令和7年度・令和8年度の「小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業」の資料には、連携施策として「英語専科教員の加配措置(3,000人)」「小学校英語教育の早期化・教科化に伴う専科指導に必要な教師の充実」が挙がっています。
同じ欄には「上記に加え、外国語を含む小学校の教科担任制を推進するための加配措置により更に取組を充実」とも書かれており、3,000人と教科担任制の定数は別立てです。
小学校英語の専科教員に関わる予算の金額
専科教員の給与は義務教育費国庫負担金の枠組みの中にあり、この金額は4年連続で増えています。
令和8年度予算額は1兆7,118億円で、前年度の1兆6,210億円から908億円の増加です。
| 年度 | 義務教育費国庫負担金 | その年度の主な定数の動き |
|---|---|---|
| 令和4年度(2022年度) | 1兆5,015億円 | 高学年の教科担任制を開始 |
| 令和5年度(2023年度) | 1兆5,216億円 | 教科担任制の推進等1,100人・35人学級3,283人 |
| 令和6年度(2024年度) | 1兆5,627億円 | 定数改善5,660人・教科担任制1,900人 |
| 令和7年度(2025年度) | 1兆6,210億円 | 定数改善5,827人・教科担任制990人 |
| 令和8年度(2026年度) | 1兆7,118億円 | 新たな定数改善計画7,596人・教科担任制990人 |
令和8年度の資料では、定数改善7,596人に対し自然減が7,800人、加配定数の見直しによる合理化減等が2,692人と併記されています。
事業費のほうは小さく、「小・中・高等学校を通じた英語教育強化事業」の令和8年度予算額は2億円(前年度も2億円)、令和7年度補正予算額が4億円です。
小学校教師のうち英語免許状を持つ人は2万5,040人
専科指導の担い手を測るもう1つの数字が、中学校・高等学校の英語免許状を持っている小学校教師の数です。
令和5年度は2万5,040人で、調査対象教師34万9,240人の7.2%にあたります(割合は編集部が計算したもの)。
平成28年度の1万7,749人から7,291人、率にして41.1%増えています(編集部が計算したもの)。
| 年度 | 英語免許状所有者数 | 調査対象教師数 |
|---|---|---|
| 平成28年度 | 17,749人 | 公表なし |
| 平成29年度 | 18,801人 | 公表なし |
| 平成30年度 | 20,182人 | 公表なし |
| 令和元年度 | 21,221人 | 336,638人(6.3%) |
| 令和3年度 | 23,080人 | 306,064人(7.5%) |
| 令和4年度 | 24,008人 | 347,348人(6.9%) |
| 令和5年度 | 25,040人 | 349,240人(7.2%) |
この「英語免許状」には中学校・高等学校の臨時免許状と特別免許状が含まれ、中学校・高等学校から来ている英語担当教師は数に入っていません。
小学校教師の英語力をCEFRで見た数字
調査は、英語の授業を担当している小学校教師のうち外部試験でCEFR B2レベル相当以上を取得している人数も集計しています。
令和5年度は対象教師8万5,847人のうち3,683人で、割合は4.3%です(編集部が計算したもの)。
| 年度 | 対象教師数 | CEFR B2相当以上 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 令和4年度 | 97,849人 | 3,541人 | 3.6%(編集部が計算) |
| 令和5年度 | 85,847人 | 3,683人 | 4.3%(編集部が計算) |
令和元年度は対象の取り方が違い、小学校に所属する教師33万6,638人のうちCEFR B2レベル以上が4,390人(1.3%)という集計でした。
分母が「全教師」から「英語の授業を行っている教師」へ変わっているため、令和元年度と令和4年度以降の割合は直接は比べられません。
小学校に入っているALT等は1万1,851人
専科教員と並んで指導体制を支えているのが外国語指導助手(ALT)等で、令和5年度の小学校の参画人数は1万1,851人でした。
前年度の1万2,417人から566人減っています(減少数は調査資料に記載)。
| ALT等の区分 | 令和5年度の人数 |
|---|---|
| JETプログラムによるALT | 2,616人 |
| 自治体が独自に直接任用しているALT | 2,735人 |
| 派遣契約によるALT | 4,048人 |
| 請負契約によるALT | 334人 |
| 補習等のための指導員等派遣事業のうち英語の授業に参画 | 687人 |
| 学校独自に協力を得ている日本人のALT等 | 769人 |
| 学校独自に協力を得ている外国人のALT等 | 662人 |
| 合計 | 11,851人 |
小学校・中学校・高等学校を合わせた純計は1万8,127人で、うちJETプログラム経由が5,081人(28.0%)です。
ALT等が参画する授業時数の割合が75〜100%という小学校は、第3・4学年で1万309校、第5・6学年で7,633校でした。
小学校の専科教員の数字を読み違えないための前提
この調査の数字は実人数ではなく延べ人数です。
調査票には「複数の教師で授業を行っている場合は全ての教師についてカウントしてください」と書かれており、1人の教師が第3・4学年と第5・6学年の両方を担当すれば2回数えられます。
また、対象は公立小学校と義務教育学校の前期課程だけで、国立・私立の小学校、特別支援学校、特別支援学級は含まれていません。
もう1つ押さえておきたいのが、小学校の最新の公表値が令和5年度で止まっている点です。
令和6年度調査の対象は「公立中学校、高等学校(義務教育学校、中等教育学校を含む)」、令和7年度調査の対象は「公立中学校、特別支援学校中学部、高等学校、特別支援学校高等部」で、2回続けて小学校が対象から外れています。
| 調査年度 | 基準日 | 小学校の集計結果 |
|---|---|---|
| 令和5年度 | 令和5年12月1日 | あり(最新の公表値) |
| 令和6年度 | 令和6年12月1日 | なし(中学校・高等学校のみ) |
| 令和7年度 | 令和8年2月1日 | なし(中学校・高等学校・特別支援学校のみ) |
令和5年度の専科教師等3万7,419人を1万8,560校で割ると1校あたり2.0人ですが、これも延べ人数を機械的に割った編集部の概算であり、全校に2人ずついるという意味ではありません。
小学校英語の専科教員で最後に確認しておくこと
- 令和5年度の公立小学校の専科教師等は延べ3万7,419人で、英語担当教師全体の22.9%
- 学年別では第3・4学年20.0%、第5・6学年25.8%で、高学年のほうが専科の割合が高い
- 第5・6学年の専科教師等は令和元年度1万4,361人から令和5年度2万799人へ増加
- 小学校の教科担任制の定数改善は令和4年度950人から始まり、令和8年度は990人
- 資料上の「英語専科教員の加配措置」は3,000人、「優先的に専科指導の対象とすべき教科」は外国語・理科・算数・体育
- 義務教育費国庫負担金は令和8年度1兆7,118億円で、前年度から908億円増
- 英語免許状を持つ小学校教師は2万5,040人(調査対象の7.2%)
- 小学校のALT等は1万1,851人で、前年度から566人減
- 小学校の集計結果は令和6年度・令和7年度の調査には無く、令和5年度が最新
専科教員の人数を他の資料と突き合わせるときは、延べ人数なのか実人数なのか、定数(予算上の措置)なのか配置実績なのかを先に確かめると数字がずれません。
文部科学省「令和5年度『英語教育実施状況調査』の結果について」小学校集計結果(調査基準日=令和5年12月1日)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和5年度『英語教育実施状況調査』概要」(担当者の内訳の割合・英語免許状所有者数の年度推移)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和5年度『英語教育実施状況調査』都道府県別一覧表(ALT等の参画人数の状況)」/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和4年度『英語教育実施状況調査』の結果について」小学校集計結果(調査基準日=令和4年12月1日)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和3年度『英語教育実施状況調査』の結果について」小学校集計結果(調査基準日=令和3年12月1日)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和元年度『英語教育実施状況調査』の結果について」小学校集計結果(調査基準日=令和元年12月1日)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和6年度『英語教育実施状況調査』の結果について」(調査対象の記載)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和7年度『英語教育実施状況調査』の結果について」(調査対象・調査実施基準日の記載)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和8年度予算のポイント」(義務教育費国庫負担金・新たな定数改善計画・小学校教科担任制990人・英語専科教員の加配措置3,000人)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和7年度予算(案)のポイント」(義務教育費国庫負担金1兆6,210億円・教職員定数改善5,827人・小学校における教科担任制の拡充990人)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和6年度予算のポイント」(教科担任制1,900人・改善総数3,800人・優先的に専科指導の対象とすべき教科)/確認日2026年9月21日
文部科学省「令和5年度予算のポイント」(教科担任制950人・改善見込総数3,800人程度・義務教育費国庫負担金1兆5,216億円)/確認日2026年9月21日
小学校の専科教員に関する国の集計は年度ごとに調査票の作りが変わるため、新しい年度の数字が出たときは、この記事の表と同じ定義かどうかを確かめたうえで比べてください。
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