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CEFRのA1からC2まで|各レベルでできることと、到達に必要な時間

CEFRはA1からC2までの6段階で英語力を表す物差しです。

英検もTOEICもTOEFLもIELTSも、自分のスコアがCEFRのどこにあたるかを公表しています。

このページでは、各レベルでできることと、そこに届くまでの時間について公表されている数字を並べます。

先に言っておくと、「A1からB1まで何時間」という公式の数字は存在しません。

目次

CEFRのA1からC2まで|6段階の全体像

CEFRは、Common European Framework of Reference for Languagesの略です。

日本語では「外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠」と訳されます。

欧州評議会が20年以上の研究を経て2001年に発表したもので、外国語の熟達度を6段階で記述しています。

6段階は、大きく3つのまとまりに分かれています。

まとまり レベル ひとことで言うと
基礎段階の言語使用者 A1 身近なことを、助けを借りながらやり取りできる
基礎段階の言語使用者 A2 日常の範囲なら、単純な情報交換ができる
自立した言語使用者 B1 身近な話題なら、主要な点をつかんで対処できる
自立した言語使用者 B2 専門分野の議論も含めて、複雑な内容を理解できる
熟練した言語使用者 C1 長く高度な文章を理解し、流暢に自己表現できる
熟練した言語使用者 C2 ほぼ全てを容易に理解し、正確に再構築できる

この区分は文部科学省が各資格・検定試験とCEFRとの対照表の附属資料で日本語訳を公表しています。

出典はブリティッシュ・カウンシルとケンブリッジ大学英語検定機構と明記されています。

CEFRの基礎段階(A1・A2)でできること

A1は、いちばん下の段です。

具体的な欲求を満たすための日常的な表現と基本的な言い回しを理解して使えるレベルとされています。

自分や他人を紹介したり、住んでいるところ・知り合い・持ち物について質問したり答えたりできます。

ただし条件が付いていて、相手がゆっくりはっきり話し、助けが得られる場合にかぎって簡単なやり取りができる、という書き方です。

A2は、その条件が少しゆるみます。

個人情報・家族・買い物・地元の地理・仕事など、自分に直接関係のある領域では、文やよく使われる表現を理解できます。

簡単で日常的な範囲なら、身近な事柄について単純で直接的な情報交換に応じられます。

A1とA2の違いを一言で言うと、「相手の配慮が要るか、要らないか」です。

CEFRの自立した言語使用者(B1・B2)でできること

B1から先が「自立した言語使用者」と呼ばれます。

B1では、仕事・学校・娯楽など普段出会う身近な話題について、標準的な話し方なら主要な点を理解できます。

その言葉が話されている地域にいるときに起こりそうな、たいていの事態に対処できるとも書かれています。

身近な話題や個人的に関心のある話題について、筋の通った簡単な文章も作れます。

B2になると、扱える話題の抽象度が上がります。

自分の専門分野の技術的な議論も含めて、抽象的な話題でも具体的な話題でも、複雑な文章の主要な内容を理解できます。

母語話者とお互いに緊張しないで普通にやり取りができるくらい流暢かつ自然、という表現も使われています。

幅広い話題について、明確で詳細な文章を作れるのもB2の特徴です。

B1とB2の境目は「身近な話題か、専門的・抽象的な話題か」だと考えると分かりやすくなります。

CEFRの熟練した言語使用者(C1・C2)でできること

C1は、いろいろな種類の高度な内容のかなり長い文章を理解して、含意まで把握できるレベルです。

言葉を探しているという印象を与えずに、流暢に自然に自己表現ができるとされています。

社会生活を営むためにも、学問上や職業上の目的にも、言葉を柔軟かつ効果的に使えます。

複雑な話題について、明確でしっかりした構成の詳細な文章を作れるのもC1です。

C2は、聞いたり読んだりしたほぼ全てを容易に理解できるレベル。

いろいろな話し言葉や書き言葉から得た情報をまとめ、根拠も論点も一貫した方法で再構築できます。

自然に、流暢かつ正確に自己表現ができる、というのがC2の記述です。

なおC2は「母語話者と同じ」という意味ではありません。

CEFRは6段階の最上位を示しているだけで、母語話者を基準にした定義ではないからです。

CEFRのレベルを英検のスコアで見る

できることの記述だけでは、自分がどこにいるかは分かりません。

そこで各試験団体が公表している対応を使います。

まず日本英語検定協会が公表している英検CSEスコアとCEFRの対応です。

CEFR 4技能総合 Reading Listening Writing Speaking
C1 2600〜 670〜 651〜 666〜 613〜
B2 2300〜 595〜 600〜 586〜 519〜
B1 1950〜 515〜 496〜 472〜 467〜
A2 1700〜 436〜 445〜 415〜 404〜
A1 1400〜 380〜 342〜 316〜 362〜

文部科学省は英語教育の調査で、CEFRのレベルを英検の級に置き換えて使っています。

A1を英検3級相当、A2を準2級相当、B1を2級相当、B2を準1級相当、C1を1級相当としています。

これは調査上の対応なので、英検協会が定めた換算とは別のものです。

CEFRのレベルをTOEICのスコアで見る

TOEICのCEFR対応は、IIBCがセクション別に公表しています。

数値はIIBCのCEFRレベルマッピング資料にある各レベルの最低スコアです。

セクション A1 A2 B1 B2 C1 C2
Listening(5〜495) 60 110 275 400 490 該当なし
Reading(5〜495) 60 115 275 385 455 該当なし
Speaking(0〜200) 50 90 120 160 180 該当なし
Writing(0〜200) 30 70 120 150 180 該当なし

C2の欄が全て「該当なし」なのは、TOEICがC2を測る設計になっていないからです。

TOEICで測れるのはおおむねA1からC1までとIIBCが説明しています。

またこの対応はセクション別で、L&Rの合計点でCEFRを示した公式の表はありません。

CEFRのレベルをTOEFL iBT・IELTSのスコアで見る

TOEFL iBTは2026年1月21日以降のテストから1〜6のスケールになりました。

IELTSは0〜9のバンドスコアで、CEFRとの対応を自分で公表しています。

CEFR TOEFL iBT(2026年1月21日以降) IELTS 総合バンド
C2 6 8.5以上
C1 5.5/5 7.0〜8.0(6.5は境界)
B2 4.5/4 5.5〜6.5
B1 3.5/3 5.0〜5.5
A2 2.5/2 3.5〜4.5
A1 1.5/1 記載なし

IELTS側は、バンドスコアとCEFRが完全に一致するわけではないと明記しています。

6.5や5.5が2つのレベルにまたがっているのはそのためです。

さらにこの対応は総合バンドスコアのもので、技能別のスコアには当てはまらないと注記されています。

CEFRの各レベルへの到達に必要な時間は、公式には決まっていない

ここが、この記事でいちばん正直に書きたいところです。

CEFRの6段階の記述には、学習時間が1つも出てきません。

文部科学省が公表しているCEFRの日本語訳を読んでも、A1からC2まで全て「何ができるか」だけで書かれています。

つまりCEFRは、能力の物差しであって学習時間の規格ではないということです。

「B2まで1,000時間」のような数字を見かけたら、それはCEFRの定義ではなく、どこかの機関が自分の経験から出した目安です。

目安が無意味なわけではありませんが、出どころを確かめないまま自分の計画の土台にするのは危ないと思います。

では手がかりが何も無いのかというと、そうでもありません。

公的機関が公表している「時間と到達」のデータが2つあるので、順に見ていきます。

CEFRの到達時間の手がかり①|米国務省FSIが公表している授業時間

1つ目は、米国務省の外交官養成機関であるFSI(Foreign Service Institute)のデータです。

FSIは言語研修のページで、言語ごとに必要な学習期間の目安を公表しています。

日本語は「Category IV(超難関言語)」に分類されていて、88週・2,200授業時間とされています。

この2,200時間は、ILRという物差しでSpeaking 3/Reading 3(General Professional Proficiency)に届くまでの目安です。

FSIはこの数字を76年の指導経験にもとづくものと説明していて、学習者の適性・言語経験・授業時間によって実際の時間は変わるとも書いています。

FSIの数字を使うときの注意

FSIの2,200時間は「英語話者が日本語を学ぶ場合」の数字です。

日本語話者が英語を学ぶ場合の公式な数字ではありません。

言語間の距離は同じなので参考にはなりますが、そのまま逆向きに使える保証はどこにも書かれていません。

CEFRの到達時間の手がかり②|日本の学校教育でどこまで届いているか

2つ目は、日本の学校教育の授業時数と、実際の到達率です。

こちらは日本語話者が英語を学ぶ場合の、まさに実測データです。

学習指導要領が定める外国語の標準授業時数はこうなっています。

学年 教科等 年間の標準授業時数
小学3年・4年 外国語活動 各35単位時間
小学5年・6年 外国語 各70単位時間
中学1年・2年・3年 外国語 各140単位時間

小学3年から中学3年までを合計すると、630単位時間です。

1単位時間は学校教育法施行規則にもとづき45分または50分とされているので、実時間ではおおよそ470〜525時間になります。

では、その630単位時間を終えた中学3年生はCEFRのどこにいるのか。

文部科学省の令和6年度「英語教育実施状況調査」に答えがあります。

区分 令和5年度 令和6年度 国の目標(令和9年度まで)
中学3年でCEFR A1相当以上 50.0% 52.4% 60%以上
高校3年でCEFR A2相当以上 50.6% 51.6% 60%以上
高校3年でCEFR B1相当以上 19.8% 21.2% 30%以上

この数字は重いです。

中学までの630単位時間を終えた時点で、A1相当以上に届いているのは半分強。

高校を終えてもB1相当以上は5人に1人です。

しかも52.4%の内訳は、英検などの資格を実際に取得している生徒が27.8%で、残りは「相当以上の英語力を有すると思われる」と教師が判断した生徒です。

調査対象は公立中学校9,130校と高等学校3,241校、調査基準日は令和6年12月1日となっています。

CEFRのレベルが上がるときに変わるのは、量より種類

6段階の記述を並べて読むと、レベルが上がるときに何が変わるのかが見えてきます。

A1からA2は、相手の配慮が要るかどうかの差でした。

A2からB1は、自分に直接関係のある領域を出られるかどうかの差です。

B1からB2は、身近な話題から抽象的・専門的な話題に移れるかどうか。

B2からC1は、長い文章の含意まで取れるかどうか。

C1からC2は、複数の情報源をまとめて一貫した形に再構築できるかどうかです。

どの段でも、増えているのは語彙の数ではなく「扱える場面の種類」だと分かります。

単語帳を1冊増やしてもレベルが上がらないと感じるとき、原因はたいていここにあります。

CEFRのレベルを自分の学習計画に落とす手順

最後に、この記事の内容を実際に使う順番を書きます。

1つ目は、今のレベルを試験のスコアで確定させること。

英検・TOEIC・TOEFL・IELTSのどれかを受けて、公式の対応表でCEFRに置き換えます。

2つ目は、技能ごとに分けて見ること。

英検とTOEICは技能別のCEFR対応を公表しているので、Readingだけ先に進んでいるといった偏りが分かります。

3つ目は、次の段の記述を読んで「何ができるようになるか」を先に決めること。

B1からB2なら、身近な話題ではなく専門分野の議論を扱う練習に切り替える、という具合です。

4つ目は、時間の見積もりを他人の数字で作らないこと。

CEFRに公式の学習時間は無いので、自分の到達までの時間は自分の記録から出すのがいちばん確かです。

まとめ|CEFRのA1からC2までと、到達時間の現実的な読み方

確かなことを並べます。

CEFRはA1・A2(基礎段階)、B1・B2(自立した言語使用者)、C1・C2(熟練した言語使用者)の6段階です。

各レベルの定義は「何ができるか」だけで書かれていて、必要な学習時間は含まれていません。

英検・TOEIC・TOEFL・IELTSはそれぞれ自分のスコアとCEFRの対応を公表しています。

TOEICだけはC2の対応が無く、測れるのはA1からC1までです。

到達時間の手がかりは、FSIの2,200授業時間(英語話者が日本語を学ぶ場合)と、日本の学校教育の630単位時間で中学3年のA1相当以上が52.4%という実測です。

この2つを並べると、CEFRのレベルを1段上げるのに必要な時間が、世の中で言われているより長いことが分かると思います。

出典

本記事の数値は、以下の一次資料から採りました。

取得日は2026年9月6日です。

スコアの仕組みや調査結果は更新されるので、最新の情報は各公式サイトで確認してください。

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