英検S-CBTと従来型は、測るものが同じで、受け方だけが違う試験です。協会は「問題形式や難易度、級認定、合格証明書発行、英検CSEスコア取得等はすべて同じ」と明記しています。
この記事は、その「同じ」を確認したうえで、実際に違う部分だけを表にしたものです。数字はすべて公益財団法人 日本英語検定協会の公式サイトから2026年9月7日に取得しました(本会場・準会場の検定料は2026年9月6日取得)。
英検S-CBTと従来型の違いは、受けられる級・回数・方式・日程の4つ
先に全体像を1枚にします。違うのはここだけです。
| 比べる点 | 英検(従来型) | 英検S-CBT |
|---|---|---|
| 受けられる級 | 1級〜5級 | 準1級・2級・準2級プラス・準2級・3級 |
| 同じ級を受けられる回数 | 各検定回に1回 | 各検定回に最大3回 |
| 実施日 | 年3回の検定回に指定日 | 原則毎週土日 |
| 4技能の受け方 | 一次試験と二次試験が別日 | 1日で4技能 |
| 解答方法 | マークシートと記述 | PC・ヘッドセット・マウス(ライティングは選択制) |
| 級認定・CSEスコア | 同じ | 同じ |
| 問題形式・難易度 | 同じ | 同じ |
「どちらが有利か」を分けるのは、点の付き方ではなく受験機会の数です。
英検S-CBTで受けられる級は5つだけ
まず前提として、S-CBTは全級では実施されていません。
| 級 | 従来型 | 英検S-CBT |
|---|---|---|
| 1級 | あり | なし |
| 準1級 | あり | あり |
| 2級 | あり | あり |
| 準2級プラス | あり | あり |
| 準2級 | あり | あり |
| 3級 | あり | あり |
| 4級 | あり | なし |
| 5級 | あり | なし |
1級・4級・5級を受けたい人に、S-CBTという選択肢はありません。この記事で比べられるのは、準1級から3級までの5つです。
英検S-CBTの受験方式は、技能ごとに操作が違う
S-CBTはパソコンで受けますが、4技能すべてが同じ操作というわけではありません。協会は技能別に方法を分けて書いています。
| 技能 | 公式が書いている解答方法 |
|---|---|
| スピーキング | ヘッドセットを使用して、音声を聞き取り、マイクに発話する(吹込み式) |
| リスニング | ヘッドセットで音声を聞き、PC画面の選択肢をマウスでクリック |
| リーディング | PC画面の問題を読み、選択肢をマウスでクリック |
| ライティング | 筆記型(解答用紙に手書き)またはタイピング型(キーボード入力) |
スピーキングは面接官との対話ではなく、マイクへの吹込み式です。従来型の二次試験が対面の面接であるのに対し、ここは相手のいない録音になります。
対面が苦手な人には向き、相手の反応を手がかりにしたい人には向かない、という差が出る部分です。
英検S-CBTのライティングは筆記型とタイピング型から選ぶ
S-CBTで唯一、受験者が方式を選べるのがライティングです。申込時に選択します。
| 方式 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 筆記型 | PC画面の問題を読み、手書きで解答用紙に記入 | 従来型と同じ感覚で書きたい人 |
| タイピング型 | PC画面の問題を読み、キーボードで入力 | タイピングのほうが速い人 |
協会は、外部キーボードの持ち込みと入力設定の変更ができないと注記しています。タイピング型を選ぶなら、会場備え付けのキーボードで書き切る前提になります。
英検S-CBTの受験回数は、同じ級を1検定回で3回まで
S-CBTと従来型でいちばん大きく開くのが、この回数です。
| 項目 | 従来型 | 英検S-CBT |
|---|---|---|
| 年度内の検定回 | 第1回・第2回・第3回 | 第1回・第2回・第3回 |
| 1検定回で同じ級を受けられる回数 | 1回 | 最大3回 |
| 年度内の同一級の上限(編集部の計算) | 3回 | 9回 |
協会は「各検定期間中に、国内・海外の会場を合わせて同一級を最大3回までお申し込みできます」と案内しています。検定回は年に3つあるので、同じ級に年9回まで挑める計算になります。
従来型だけなら年3回です。3倍の差がここで生まれます。
英検S-CBTと従来型を併願すると、受験機会はさらに増える
S-CBTと従来型は、同じ検定回で併願できます。協会は「英検(従来型)との併願も可能」と明記しています。
| 受け方 | 1検定回の回数 | 年度の合計(編集部の計算) |
|---|---|---|
| 従来型のみ | 1回 | 3回 |
| 英検S-CBTのみ | 最大3回 | 最大9回 |
| 併願 | 最大4回 | 最大12回 |
同じ級を年12回まで受けられる、というのが制度上の上限です。ただし実際に12回受けるかどうかは、費用と日程の問題になります。
回数が増えることの本当の価値は「落ちてもすぐ次がある」ことです。従来型だけだと、1回落ちれば次は約4か月後。S-CBTなら数週間後に次の枠があります。出願や進学の締切が決まっている人ほど、この差が生きてきます。
英検S-CBTの試験日程は原則毎週土日
日程の作り方も違います。従来型は年3回の検定回に指定された日、S-CBTは毎週の枠から選ぶ形です。
| 項目 | 従来型 | 英検S-CBT |
|---|---|---|
| 実施頻度 | 年3回の検定回 | 原則毎週実施(土日) |
| 日付の選択 | 指定日に受ける | 枠から選ぶ |
| 注意点 | 一次と二次で2日必要 | 級や地域により毎週実施でない場合がある |
協会は毎週実施について「級や地域により毎週実施でない場合があります」と但し書きを付けています。住んでいる地域によっては、選べる日が想定より少ないことがあります。
英検S-CBTの試験時間は、従来型の一次試験+15分
S-CBTは4技能を1日で受けるので、当日の拘束時間は長くなります。どれだけ長くなるかを計算しました。
| 級 | 英検S-CBTの合計 | 従来型の一次試験(編集部の計算) | 差 |
|---|---|---|---|
| 準1級 | 135分 | 約120分 | +15分 |
| 2級 | 125分 | 約110分 | +15分 |
| 準2級プラス | 125分 | 約110分 | +15分 |
| 準2級 | 120分 | 約105分 | +15分 |
| 3級 | 105分 | 約90分 | +15分 |
上乗せはどの級もスピーキングの15分ぶんだけで、他の技能の時間は従来型と同じです。会場へ行く回数は2回から1回に減ります。
なお協会は「合計時間は目安です。試験の進行状況により異なります」と注記しています。
英検S-CBTの検定料は従来型より高い。差は100円から900円
同じ級でも、受け方で検定料が変わります。2026年度の公表値を並べます。
| 級 | 本会場(従来型) | 英検S-CBT | 差額(編集部の計算) |
|---|---|---|---|
| 準1級 | 10,400円 | 10,500円 | +100円 |
| 2級 | 9,000円 | 9,600円 | +600円 |
| 準2級プラス | 8,600円 | 9,200円 | +600円 |
| 準2級 | 8,400円 | 9,000円 | +600円 |
| 3級 | 6,800円 | 7,700円 | +900円 |
金額はすべて税込です。差が最も小さいのは準1級の100円、最も大きいのは3級の900円で、下の級ほど割高になります。
なお2026年度の検定料は、全級一律で前年度より100円引き下げられています。
英検S-CBTで変わらないものを、公式の言葉で確認する
違いばかり並べましたが、変わらない部分のほうが多い試験です。協会の逐語で押さえます。
| 項目 | 公式の記述 |
|---|---|
| 問題形式 | すべて同じ |
| 難易度 | すべて同じ |
| 級認定 | すべて同じ |
| 合格証明書の発行 | すべて同じ |
| 英検CSEスコアの取得 | すべて同じ |
協会は「実施方式の違いはありますが、問題形式や難易度、級認定、合格証明書発行、英検CSEスコア取得等はすべて同じです」と書いています。S-CBTで取った級が「格下」に扱われる根拠は、公式のどこにもありません。
英検S-CBTと従来型、どちらを選ぶかの判断材料
選び方は、優先したいものによって変わります。
| 優先したいこと | 向いている受け方 | 理由 |
|---|---|---|
| 締切までに何度も挑みたい | 英検S-CBT | 同一級を1検定回に最大3回 |
| 会場へ行く回数を減らしたい | 英検S-CBT | 1日で4技能が終わる |
| 費用を1円でも抑えたい | 従来型 | 同じ級で100〜900円安い |
| 1級・4級・5級を受けたい | 従来型 | S-CBTでは実施されていない |
| 対面の面接のほうが話しやすい | 従来型 | S-CBTは吹込み式 |
| 手書きよりタイピングが速い | 英検S-CBT | タイピング型を選べる |
併願すれば両方の長所を取れます。同じ検定回でS-CBTと従来型を同時に申し込むことが認められているためです。
英検S-CBTの仕様は年度で変わる
この記事の内容は2026年9月7日時点の公表値です。英検はここ数年、仕様が続けて動いています。
| 時期 | 変わったこと | S-CBTへの関係 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 準2級プラスが加わった | S-CBTの実施級が1つ増えた |
| 2026年度第1回 | 検定料を全級一律100円引き下げ | S-CBTの検定料も対象 |
受験回数の上限や実施級は、告知1本で変わることがあります。申し込む前に、受ける級と検定回のページで必ず最新の条件を確認してください。
英検S-CBTと従来型の違いまとめ
S-CBTと従来型は、受けられる級・回数・実施日・解答方法が違い、級認定とCSEスコアは同じです。回数は年3回に対して最大9回、併願なら最大12回まで増えます。
その代わり検定料は同じ級で100〜900円高く、当日の拘束は15分長くなります。増える機会と増える費用を、自分の締切に当てはめて比べるのが正しい選び方です。
試験時間・受験回数・解答方法・S-CBTの検定料は2026年9月7日、本会場の検定料は2026年9月6日に、日本英語検定協会が公式サイトに公表していた値です。金額はすべて税込。「差額」「年度の合計」「従来型の一次試験の合計」は編集部が公表値から計算した結果で、協会が公表しているものではありません。
この記事で使った英検S-CBTの一次ソース
- 日本英語検定協会 英検S-CBTについて(2026年9月7日取得)
- 日本英語検定協会 英検S-CBT 試験方法(2026年9月7日取得)
- 日本英語検定協会 英検S-CBT 試験時間(2026年9月7日取得)
- 日本英語検定協会 英検S-CBT 検定料(2026年9月7日取得)
- 日本英語検定協会 英検S-CBT(2026年9月7日取得)
- 日本英語検定協会 英検 過去問・試験内容(2026年9月7日取得)
- 日本英語検定協会 2026年度の検定料(2026年9月6日取得)

コメント