TOEICの受験者数を1つの数字で答えるなら、2025年度のTOEIC Program全体で約216万人です。うちTOEIC L&R(Listening & Reading)が196.4万人。公開テストよりも、企業や学校が自前で実施するIPテストのほうが人数は多く、その比率はおよそ4対6です。
この記事は、TOEICを日本で運営する一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)が公表している2026年7月1日付のプレスリリースと、公式データ集『TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026』(2025年度 受験者数と平均スコア)に載っている人数・スコアを並べ直したものです。数字はすべて2026年9月11日にIIBCの公式サイトで確認しました。IIBCが概数(約◯万人)で書いているものは概数、実数で書いているものは実数として、表記を分けたまま写しています。
TOEICの受験者数は、2025年度のプログラム全体で約216万人
IIBCが2026年7月1日に出したプレスリリースが、いちばん上の数字です。TOEIC Programは4つのテストの総称なので、まず全体から見ます。
| 区分 | 2025年度の受験者数 | 前年度比 | 採用団体数 |
|---|---|---|---|
| TOEIC Program全体 | 約216万人 | 約6万人増 | 約3,900団体(700件増) |
| TOEIC L&R(公開+IP) | 196.4万人 | 2.9万人増 | ― |
| TOEIC S&W(公開+IP) | 約5.1万人 | 30%増 | 約460団体 |
TOEIC S&Wは、IIBCが「2007年の開始以来、受験者数・採用団体数ともに過去最多」と書いた年です。ただし5.1万人は、196.4万人に対して2.6%にすぎません。TOEICという言葉が指す人数の実体は、いまも9割以上がL&Rです。
TOEIC Programは、TOEIC L&R・TOEIC S&W・TOEIC Bridge L&R・TOEIC Bridge S&Wの4本立てです。「TOEICを受けた」と言うとき、日本ではほぼL&Rを指しますが、公表されている総数にはBridgeも入っています。どの数字がどの範囲かを先に決めないと、比較がすぐ壊れます。
TOEICの受験者数を公開テストとIPテストに分けるとこうなる
IIBCの『DATA & ANALYSIS 2026』は、公開テストとIPテストを別の章立てで出しています。2025年度の実数を並べます。
| テスト | 公開テストの受験者数 | IPテストの受験者数 | 合計(編集部の計算) | IPの比率 |
|---|---|---|---|---|
| TOEIC L&R | 755,473人 | 1,056,506人 | 1,811,979人 | 58.3% |
| TOEIC Bridge L&R | 2,787人 | 139,126人 | 141,913人 | 98.0% |
| TOEIC S&W(スピーキング) | 12,207人 | 36,727人 | 48,934人 | 75.1% |
| TOEIC S&W(ライティング) | 8,770人 | 15,808人 | 24,578人 | 64.3% |
| TOEIC Bridge S&W(スピーキング) | 442人 | 5,193人 | 5,635人 | 92.2% |
どのテストでも、IPテストのほうが多数派です。とくにBridge L&Rは98%がIP。学校や企業がまとめて実施する形でしか、ほとんど動いていません。
IIBCは2つの受験方法をこう定義しています。逐語は「公開テストは当協会の定めた日時・場所においてご受験いただくもので、IPテストは企業・団体・学校などで任意に日時・場所を設定の上、ご受験いただくものです。」です。
S&Wでスピーキングとライティングの人数が違うのは、片方だけ受けられる制度があるためです。IIBCの注記は「TOEIC S&Wはスピーキングのみ(公開テスト/IPテスト)、ライティングのみ(IPテスト)もご受験いただけます。」。だからS&Wの人数は足してはいけません。上の表の「合計」は、あくまでスピーキング受験者・ライティング受験者をそれぞれ足した値です。
TOEICの受験者数に、2つの公表値が並んでいる理由
ここで1つ、つまずきやすい点があります。プレスリリースのL&R 196.4万人と、『DATA & ANALYSIS 2026』を足した1,811,979人は一致しません。
| 資料 | TOEIC L&Rの2025年度受験者数 | 差(編集部の計算) |
|---|---|---|
| プレスリリース(2026年7月1日) | 196.4万人 | ― |
| 『DATA & ANALYSIS 2026』公開755,473人+IP1,056,506人 | 1,811,979人 | 約15万人少ない |
理由はIIBCが巻頭の「本資料について」に書いています。逐語は「TOEIC L&R IPテストの集計については、Listening・Readingの両セクションの受験を完了し、採点対象となった受験者のデータのみが含まれます」です。同じページには「本資料は、2025年度(2025年4月〜2026年3月)のTOEIC Programの公開テストおよびIPテストにおける実受験者のデータに基づいて作成しています。」とも書かれています。
つまりデータ集のほうは「最後まで解いてスコアが出た人」だけの数字です。どちらかが間違っているのではなく、数える線の引き方が違います。この記事では、総数の話にはプレスリリースの概数を、内訳の話にはデータ集の実数を使い、どちらの資料の数字かを毎回明記します。
TOEICの受験者数を3年分で並べると、公開もIPも増えている
『DATA & ANALYSIS 2026』には、過去3年間の受験者数と平均スコアが載っています。
| 年度 | L&R 公開テスト | 公開の平均スコア | L&R IPテスト | IPの平均スコア |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 746,178人 | 612点 | 1,017,037人 | 492点 |
| 2024年度 | 735,425人 | 615点 | 1,041,495人 | 495点 |
| 2025年度 | 755,473人 | 616点 | 1,056,506人 | 492点 |
公開テストは2024年度にいったん減り、2025年度に戻して過去3年でいちばん多くなりました。IPテストは3年連続で増えています。3年間で公開は9,295人増、IPは39,469人増。増えた分の8割はIP側です(編集部の計算)。
平均スコアは公開テストが612→615→616点とじわりと上がり、IPテストは492→495→492点で横ばいです。公開とIPの差は124点。同じテストでも、自分で申し込んで受ける人と、会社や学校で受ける人とでは、これだけ層が違います。
TOEIC S&Wの受験者数は、IPテストが3年で1.57倍
S&Wは人数こそ小さいものの、伸び率がいちばん大きいテストです。
| 年度 | 公開 スピーキング | 公開 ライティング | IP スピーキング | IP ライティング |
|---|---|---|---|---|
| 2023年度 | 11,348人 | 8,633人 | 23,350人 | 14,761人 |
| 2024年度 | 11,595人 | 8,712人 | 25,609人 | 14,158人 |
| 2025年度 | 12,207人 | 8,770人 | 36,727人 | 15,808人 |
IPのスピーキングが23,350人から36,727人へ、3年で1.57倍になりました(編集部の計算)。公開テストのスピーキングは11,348人から12,207人で1.08倍ですから、伸びているのは企業・学校側です。IIBCがプレスリリースで「採用団体数」を並記しているのも、そこが動いている証拠と読めます。
ライティングは公開・IPとも伸びが鈍く、IPは2024年度にいったん減っています。スピーキングとライティングで人数が2倍以上ひらいているのは、スピーキング単独の受験が制度として認められているためです。
TOEICの受験者数を、社会人と学生に分けて見る
公開テストのL&Rは、IIBCが社会人と学生に分けて出しています。2025年度の内訳です。
| 区分 | 受験者数 | 平均スコア | Listening | Reading |
|---|---|---|---|---|
| 公開テスト 全体 | 755,473人 | 616点 | 337点 | 279点 |
| 公開テスト 社会人 | 308,493人 | 649点 | 353点 | 296点 |
| 公開テスト 学生 | 434,399人 | 592点 | 325点 | 267点 |
公開テストは、社会人より学生のほうが多い。308,493人に対して434,399人で、学生が約12.6万人多く受けています。「TOEICは社会人の試験」という印象とは逆の形です。平均スコアは社会人が57点高くなっています。
IPテストのほうは、企業・団体と学校で分かれます。
| 区分 | 受験者数 | 平均スコア | Listening | Reading |
|---|---|---|---|---|
| IPテスト 全体 | 1,056,506人 | 492点 | 276点 | 216点 |
| IPテスト 企業・団体 | 424,158人 | 538点 | 299点 | 238点 |
| IPテスト 学校 | 632,348人 | 462点 | 261点 | 201点 |
IPテストでも学校が多数派で、632,348人と全体の59.9%を占めます(編集部の計算)。公開・IPを合わせると、TOEIC L&Rの受験者のうち学校関係が106万人を超えます。大学の単位認定や入試での活用が、この規模を作っています。
TOEICの受験者数を所属学校別に見ると、大学が33万人
公開テストの学生43万人を、所属学校で割ったのがこの表です。
| 所属学校 | 公開テストの受験者数 | 平均スコア |
|---|---|---|
| 大学 | 331,403人 | 601点 |
| 高校 | 34,383人 | 539点 |
| 大学院 | 30,504人 | 642点 |
| 高専 | 17,923人 | 517点 |
| 専門学校 | 10,739人 | 523点 |
| 短大 | 4,765人 | 519点 |
| 語学学校 | 1,995人 | 578点 |
| 中学校 | 1,613人 | 564点 |
| 小学校 | 1,074人 | 638点 |
小学生が1,074人いて、平均638点。全体の616点より22点高い数字です。人数がごく少ない層なので、そもそも受けに来る小学生が特殊だと読むべきところですが、公式データにこの行が立っていること自体は事実です。
大学院の642点が学校区分では最高で、短大の519点が最低。その差は123点あります。
TOEICの受験者数を役職別に見ると、一般社員が19万人
公開テストの社会人30.8万人は、役職別にも分かれています。
| 役職 | 公開テストの受験者数 | 平均スコア |
|---|---|---|
| 一般社員 | 191,974人 | 634点 |
| 係長 | 28,884人 | 633点 |
| 課長 | 26,975人 | 655点 |
| 派遣社員 | 11,480人 | 650点 |
| 部長 | 10,805人 | 670点 |
| 役員 | 6,965人 | 679点 |
役職が上がるほどスコアも上がる、という並びになっています。役員679点、部長670点、課長655点、係長633点、一般社員634点。ただし係長と一般社員はほぼ同じで、差がつくのは課長以上です。
職種別で最も高いのは「海外」の717点で、人数は7,820人。次いで教育18,323人の711点、法務5,627人の698点です。最も人数が多いのは技術46,755人(599点)と営業45,007人(627点)でした。
TOEICの受験者数と、テストの形式・時間の対応
人数の話をするとき、どのテストを指しているかで所要時間も配点も変わります。IIBCが公表している4テストの形式を並べます。
| テスト | 形式 | 時間/問題数 | スコア |
|---|---|---|---|
| TOEIC L&R | マークシート方式 | リスニング約45分/100問、リーディング75分/100問、トータル約2時間/200問 | 10〜990点(5点刻み) |
| TOEIC S&W | パソコンを使用して実施 | スピーキング約20分/11問、ライティング約60分/8問、トータル約1時間20分/19問 | 各0〜200点(10点刻み) |
| TOEIC Bridge L&R | マークシート方式 | リスニング約25分/50問、リーディング35分/50問、トータル約1時間/100問 | テストスコア30〜100点(1点刻み) |
| TOEIC Bridge S&W | パソコンを使用して実施 | スピーキング約15分/8問、ライティング約37分/9問、トータル約52分/17問 | テストスコア30〜100点(1点刻み) |
IPテストのオンライン方式だけは、L&Rの時間と問題数が違います。IIBCの注記は「TOEIC L&R IPテスト(オンライン)のテスト時間は約1時間、テスト問題数は90問です。」。106万人のIP受験者のうち何人がオンライン方式かは、IIBCが公表していないため、この記事では書きません。
TOEICの受験者数を世界規模で見ると、160カ国・約14,000団体
IIBCの資料は、日本国内の人数が中心です。世界の規模については、テスト全体の採用状況としてだけ記載があります。
逐語は「いずれも世界共通のテストで、160カ国、約14,000の企業・団体などが活用しています。日本では2025年度にはTOEIC Program全体で約3,900の企業・団体・学校などで採用されています。」です。
| 指標 | 公表値 | 範囲 |
|---|---|---|
| 実施国・地域 | 160カ国 | TOEIC Program全体 |
| 活用している企業・団体 | 約14,000 | 世界 |
| 採用している企業・団体・学校 | 約3,900(前年度比700件増) | 日本・2025年度 |
| TOEIC S&Wの採用団体 | 約460 | 日本・2025年度 |
世界の受験者数そのもの(年間何人か)は、IIBCの今回の資料には載っていません。日本で約216万人という数字は、あくまで日本国内の年間受験者数です。世界規模の数字として引用すると間違いになります。
TOEICの受験者数で、公表されていない数字
よく探されるのに、公式に数字が出ていないものを、公表されている範囲と合わせて並べます。
| 数字 | 公表の状況 |
|---|---|
| TOEICの世界全体の年間受験者数 | IIBCの2026年版資料に記載がない。公表されているのは実施国数(160カ国)と活用団体数(約14,000)のみ |
| IPテストのうちオンライン方式の受験者数 | IIBCは方式の違い(マークシート/オンライン)を説明しているが、人数の内訳を公表していない |
| TOEICの累計受験者数 | 今回確認した2資料に累計の記載がなかった |
| 公開テストの回次別(年10回など)の受験者数 | 年度単位の集計のみが公表されている |
| 実人数と延べ人数の区別 | IIBCは「実受験者のデータ」と書いているが、同一人物の複数回受験をどう数えるかの明記がない |
| プレスリリースの196.4万人とデータ集の差15万人の正確な内訳 | IIBCは「採点対象となった受験者のデータのみ」と理由を書いているが、除外された人数そのものは公表していない |
「TOEICは世界で年間700万人が受けている」といった数字は、IIBCの公表資料には載っていません。
TOEICの受験者数を調べるとき、最後に確認しておくこと
この記事で並べた数字を、確認の順番に並べ直します。
- 2025年度のTOEIC Program全体は約216万人(前年度比 約6万人増)
- そのうちTOEIC L&Rが196.4万人、TOEIC S&Wが約5.1万人
- L&Rの実数内訳は公開755,473人・IP1,056,506人。IPが58.3%を占める
- データ集の実数を足すと1,811,979人で、プレスリリースの196.4万人と約15万人ずれる。理由は「採点対象となった受験者のみ」という集計条件
- 公開テストは学生434,399人が社会人308,493人より多い
- IPテストは学校632,348人が企業・団体424,158人より多い
- 平均スコアは公開616点・IP492点で、124点の差がある
- 採用団体は日本で約3,900、S&Wは約460
TOEICの受験者数を引用するときは、「公開かIPか」「L&RだけかProgram全体か」「プレスリリースかデータ集か」の3点をそろえてから比べてください。この3つのうち1つでもずれると、同じ年度の数字なのに15万人単位で食い違います。
約216万人・196.4万人・約5.1万人・採用団体数はIIBCの2026年7月1日付プレスリリース、公開/IP別の実数・平均スコア・所属学校別・役職別・テスト形式は『TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026』(2025年度 受験者数と平均スコア)から採りました。いずれも2026年9月11日にIIBCの公式サイトで開いて確認しています。
この記事で使ったTOEICの一次ソース
すべて2026年9月11日に開いて確認しました。リンクは張っていないため、アドレスをコピーして開いてください。
IIBC|TOEIC Speaking & Writing Tests、2025年度の受験者数・採用団体数がともに過去最多に(2026年7月1日):https://www.iibc-global.org/iibc/press/2026/p305.html
IIBC|TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026(2025年度 受験者数と平均スコア・PDF):https://www.iibc-global.org/hubfs/library/default/toeic/official_data/pdf/program-data-analysis-2026.pdf
IIBC|TOEIC Listening & Reading Test 公式データ・資料(平均スコア・スコア分布一覧):https://www.iibc-global.org/toeic/official_data.html
IIBC|TOEIC Speaking & Writing Tests 公式データ・資料:https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/sw.html

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