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英検やTOEICの受験料補助は?自治体の公費負担のデータ

英検やTOEICの受験料を自治体が肩代わりする制度を15自治体ぶん並べ、検定料の全額を出す自治体と半額だけを出す自治体に分かれることを示した、AI語学の解説記事のアイキャッチ
英検やTOEICの受験料を自治体が肩代わりする制度を15自治体ぶん並べ、検定料の全額を出す自治体と半額だけを出す自治体に分かれることを示した、AI語学の解説記事のアイキャッチ

英検やTOEICの受験料を自治体が肩代わりする制度は、実在する。各自治体の公式ページで公表されているだけでも、15の自治体が2026年度(令和8年度)または直近年度の検定料補助を公表している。形は大きく2つで、検定料の全額を出す自治体と、半額だけを出す自治体に分かれる。

この記事は、各市町村・各都道府県の教育委員会が公表している受験料補助の要項と、日本英語検定協会・国際ビジネスコミュニケーション協会が公表している検定料、文部科学省「英語教育実施状況調査」の数字を並べ直したものである。数字は2026年9月21日に各公式サイトで確認した。確認が取れなかったものは載せていない。金額はすべて各団体が公表している税込の額である。

目次

英検やTOEICの受験料補助を公表している自治体の一覧

まず、確認できた制度をそのまま並べる。全額を出す自治体が7、半額(2分の1)が5、定額が3という内訳だった(編集部が下の表から数えたもの)。

自治体対象対象の検定補助の形年度内の回数
北海道北広島市小学3年〜中学3年英検・ケンブリッジ英語検定・GTEC・TOEIC・TOEFL検定料の半額(上限4,000円・100円未満切捨)1回
茨城県下妻市市立小中学校の児童生徒ほか英検1級〜4級は全額、5級は半額1回
茨城県結城市市内小中学校の児童生徒ほか英検3級以上・TOEIC Listening & Reading検定料の2分の1各検定1回
栃木県佐野市中学生〜大学生等国家資格・簿記検定1〜3級・TOEIC受験料の全額同一試験は年度1回(5年度で最大3回)
栃木県高根沢町町立中学校の生徒ほか英検3級以上(S-CBT・S-Interviewを含む)検定料の全額1回
群馬県太田市小学生・中学生英検・漢検検定料の半額年度内に複数回の申請が可能
群馬県中之条町中学生・高校生世代英検・英検S-CBT・英検S-Interview中学生は全額、高校生世代は半額中1が1回、中2が2回、中3が3回、高校生世代が1回
埼玉県富士見市小学4年〜中学3年英検4級・5級は1,000円、3級以上は3,000円1回
千葉県木更津市中学3年生英検3級検定料の全額1回
愛知県大府市市内在住の小中学生英検3級以上検定料1回分(公表の表現は「英語検定1回分の検定料」)1回
愛知県蟹江町町内の中学生英検1級〜3級2,000円(定額)1回
大阪府太子町小学5・6年生と中学生英検受験した英語検定料の全額1回
大阪府東大阪市市立小中学校・義務教育学校の児童生徒英検(第1〜3回)・英検S-CBT受検料の半額2回
山梨県大月市市内の小中学生英検小学生は5級が2分の1・4級以上が全額、中学生は4級5級が2分の1・3級以上が全額1回
熊本県(県立学校)県立高校2年生・県立中学校3年生のうち保護者等が非課税世帯英検・GTEC公表の表現は「受験料の半額を補助」で、金額は検定ごとに定額表示検定により1回または複数回

この15件は、2026年9月21日に「英検 受験料 補助」「英語検定料 助成」などで検索して上位に出た自治体の公式ページを1件ずつ開き、要項の記載を書き写したものである。全国1,741市区町村のうち何件が実施しているかを集計した公表資料は、編集部が探した範囲では見つからなかった。つまりこの15件は全数ではなく、実在が確認できた例である。

英検の検定料は2026年度にいくらか

補助額を読むには、まず分母になる検定料を押さえる必要がある。日本英語検定協会は2025年11月10日に、2026年度第1回検定から全級一律100円の引き下げを発表している。対象は英検(従来型)・英検S-CBT・英検S-Interviewの全方式である。

級英検(従来型)本会場英検(従来型)準会場英検S-CBT
1級12,400円――
準1級10,400円―10,500円
2級9,000円6,800円9,600円
準2級プラス8,600円6,300円9,200円
準2級8,400円6,000円9,000円
3級6,800円4,900円7,700円
4級4,600円2,800円―
5級4,000円2,400円―
金額の前提

この表の金額は日本英語検定協会が公表している2026年度の検定料で、すべて税込である。準会場は団体申込のみで、1級・準1級の設定がない。受験上の配慮措置に適した本会場と英検S-Interviewは別体系で、1級12,500円・準1級10,500円・2級9,600円・準2級プラス9,200円・準2級9,000円・3級7,700円となっている。

TOEICの側も見ておく。国際ビジネスコミュニケーション協会が公表しているTOEIC Listening & Reading公開テストの受験料は、紙の公式認定証を希望する場合が7,810円、希望しない場合が7,700円(いずれも税込)である。リピート受験割引の受験料は2026年12月の試験日までが6,710円、2027年1月以降が7,150円と案内されている。

英検の受験料補助でいちばん多いのは「全額」と「半額」

15件を補助の形で分けると、はっきり3つに割れる。

補助の形件数該当する自治体
全額(実費)7件下妻市(1〜4級)、佐野市、高根沢町、中之条町(中学生)、木更津市、大府市、太子町、大月市(中学生3級以上)
半額(2分の1)5件北広島市、結城市、太田市、東大阪市、中之条町(高校生世代)
定額3件富士見市(1,000円/3,000円)、蟹江町(2,000円)、熊本県(2,400円〜3,000円)

件数は延べで数えているため、下妻市・中之条町・大月市のように級や学年で形が変わる自治体は2か所に出てくる。全額を出す自治体でも、対象を3級以上に絞る例が多いのが共通点だった。高根沢町は3級以上、木更津市は3級だけ、大府市は3級以上、大月市の中学生は3級以上が全額で4級・5級は2分の1である。

下の級まで全額にすると受験者が一気に増えるため、予算の掛かり方が変わる。下妻市が1級〜4級を全額にして5級だけ半額にしているのは、その線引きが金額に表れている数少ない例である。

英検3級を本会場で受けたときの自己負担を自治体別に計算した

分母が決まったので、実際にいくら財布から出るのかを出す。英検3級・本会場・2026年度の検定料6,800円(税込)を受けたと仮定して、各自治体の要項どおりに引き算した。ここから先の自己負担額は編集部が計算したものである。

自治体補助のルール補助額自己負担(編集部の計算)
大府市・太子町・高根沢町・木更津市全額6,800円0円
下妻市1〜4級は全額6,800円0円
大月市(中学生)3級以上は全額6,800円0円
中之条町(中学3年生)3級以上を全額・年3回まで6,800円0円
東大阪市半額3,400円3,400円
結城市2分の13,400円3,400円
太田市半額3,400円3,400円
北広島市半額・上限4,000円3,400円3,400円
中之条町(高校生世代・準2級以上が対象)半額(3級は対象外)――
富士見市(中学3年生)3級以上は3,000円3,000円3,800円
蟹江町1〜3級は2,000円2,000円4,800円
熊本県(県立中3・高2で非課税世帯)英検3級は2,400円2,400円4,400円

同じ英検3級でも、住んでいる自治体によって自己負担が0円から4,800円まで割れる。差は4,800円で、これは英検5級の本会場の検定料4,000円より大きい。

この計算の前提

分母を本会場の6,800円で揃えている。学校や塾が準会場として実施する場合、3級の検定料は4,900円なので、半額補助の自治体では補助額が2,450円、自己負担が2,450円になる。補助は実際に支払った検定料を分母にするのが各要項の書き方である。上限額のある北広島市は、準1級(本会場10,400円)のように半額が4,000円を超える場合に上限が掛かる。

英検だけでなくTOEICやGTECも対象にしている自治体

タイトルにTOEICを入れたのは、実際にTOEICを対象にしている自治体があるからである。確認できたのは3件だった。

自治体対象の検定補助の形対象者
北広島市英検・ケンブリッジ英語検定・GTEC・TOEIC・TOEFL の5種類検定料の半額(上限4,000円)小学3年〜中学3年
結城市英検3級以上・TOEIC Listening & Reading検定料の2分の1市内小中学校の児童生徒ほか
佐野市国家資格・簿記検定1〜3級・TOEIC受験料の全額中学生〜大学生等(市に税の滞納がないこと)
熊本県英検・GTEC公表の表現は「半額を補助」県立高2・県立中3のうち非課税世帯

佐野市の制度は英語検定専用ではなく、資格試験全般の受験料助成にTOEICが含まれている形である。対象は中学校・義務教育学校後期課程・高等学校・中等教育学校・大学(大学院と短期大学を含む)・高等専門学校・専修学校等の生徒学生で、同一試験は年度1回、初回交付の年度から5年度間で最大3回までと回数が決まっている。申請期限は受験日から起算して1年以内である。

TOEIC公開テストの受験料7,810円(税込・紙の公式認定証あり)を全額助成する佐野市と、2分の1の3,905円を助成する結城市では、1回あたりの自己負担が3,905円変わる計算になる(編集部の計算)。

英検の受験料補助が中学3年生に集中している

15件の対象学年を並べると、偏りがはっきり出る。木更津市は中学3年生だけ、熊本県は県立高校2年生と県立中学校3年生だけに絞っている。中之条町は学年が上がるほど回数が増え、中学1年が年1回、中学2年が年2回、中学3年が年3回になる。

対象の学年帯自治体
小学生から中学生まで北広島市(小3〜中3)、下妻市、結城市、太田市、富士見市(小4〜中3)、大府市、大月市
中学生のみ蟹江町、高根沢町
中学3年生のみ木更津市
小学5・6年生と中学生太子町
中学生と高校生世代中之条町
高校生(県立・世帯要件あり)熊本県
中学生〜大学生等佐野市

中学生に寄っているのは、高校入試での加点や出願要件に検定の級が使われる場面が中学3年に集まるためだと説明する自治体が多い。ただし「その理由を数字で示した公表資料」は編集部が探した範囲では見つからなかったため、ここでは学年の分布という事実だけを置いておく。

英検の級と国が掲げている英語力の目標の関係

自治体が公費を出す背景には、国が数値目標を置いていることがある。文部科学省が2026年6月18日に公表した令和7年度「英語教育実施状況調査」の結果は次のとおりである。

指標令和7年度の実績第4期教育振興基本計画の目標
CEFR A1レベル相当以上を達成した中学3年生の割合54.6%60%以上
CEFR A2レベル相当以上を達成した高校3年生の割合52.4%60%以上
CEFR B1レベル相当以上を達成した高校3年生の割合23.9%30%以上

この調査の「達成した生徒」には、検定の級やスコアを実際に取得している生徒と、取得はしていないが教師がそれに相当すると判断した生徒の両方が入る。中学校で判断の根拠に使われたものは、2技能または3技能を測る試験のスコアが52.9%、自校のパフォーマンステストの結果が49.6%、公式な記録としては認定されない試験のスコアが41.2%(複数回答)だった。MEXCBTの解答状況が2.5%、AIツール等による判定が2.0%、その他が15.3%である。

言い換えると、目標の達成度を測るのに、正式な検定の級だけを使っているわけではない。検定料を公費で負担すれば実際に級を取得する生徒が増え、数字の根拠が確かになる、という関係になる。なお令和7年度の調査基準日は令和8年2月1日時点である。

英検の受験料補助と、入学試験の受験料の貸付は別物

検索すると同じ画面に並ぶが、性質がまったく違う制度がある。東京都の「受験生チャレンジ支援貸付事業」は、その代表である。

項目受験生チャレンジ支援貸付事業(東京都)
制度の種類補助ではなく無利子の貸付
対象中学3年生・高校3年生またはこれに準じる方(20歳未満)を養育している方
学習塾等受講料の上限30万円
受験料の上限(中学3年生)2万7,400円
受験料の上限(高校3年生)12万円
所得の目安一般世帯3人で年間総収入441万円以下、ひとり親世帯2人で405万7,000円以下
返済高校・大学等に入学した場合は免除(免除率は99%と公表)

ここでいう受験料は高校や大学の入学試験の受験料であって、英検やTOEICの検定料ではない。金額の桁が大きいのはそのためである。英検の検定料を直接負担してもらいたい場合は、住んでいる市区町村の教育委員会が出している検定料補助のページを探すことになる。

英検の受験料補助は回数と申請期限で差が出る

要項を読み比べると、金額よりも回数と期限で落ちる例が目立つ。3つに整理できる。

年度内の回数がほぼ1回

確認できた15件のうち、年度内1回までとしているのが9件で最多だった。東大阪市が年度内2回、太田市が複数回の申請可、中之条町が学年に応じて1〜3回、熊本県が検定により複数回対象となっている。年に3回ある英検のどの回に使うかを、家庭側が選ぶ設計になっている。

申請の期間が細かく切られる

東大阪市は申請期間を3つに分け、4月30日から6月1日必着、8月31日から10月5日必着、12月11日から翌年1月25日必着としている。木更津市は令和9年3月5日、結城市と佐野市は令和9年3月31日が締切である。大府市のページは2026年5月20日付で更新されている。

受け方によって対象外になる

大府市は塾等の受検手数料を補助の対象外とし、塾が検定料の一部を負担した場合はその額を差し引いて補助すると明記している。中之条町は英検・英検S-CBT・英検S-Interviewの3方式を対象にしており、高根沢町もS-CBTとS-Interviewを含めている。東大阪市は第1回から第3回の英検と英検S-CBTが対象である。

英検の受験料補助で読み違えやすい4点

数字の読み方でつまずきやすいところを挙げておく。

読み違え公表資料に書かれていること
「半額補助」は検定料の半分が必ず返る北広島市は上限4,000円で100円未満は切り捨て。準1級のように半額が4,000円を超える級では上限が掛かる
全額補助なら何級でもよい高根沢町・大府市は3級以上、木更津市は3級のみ、中之条町の高校生世代は準2級以上が対象
合格しないと補助されない太田市は合否にかかわらず申請できると明記。ほかの自治体も要項は受検を条件にしている
住んでいれば誰でも使える佐野市は市税に滞納がないことが条件。熊本県は保護者等が非課税世帯であることが条件

もう1点、制度は年度単位で組み直される。この記事に載せた15件のうち、北広島市は令和7年度の案内、それ以外は令和8年度(2026年度)の案内として公表されていたものである。翌年度も同じ条件が続くとは限らない。

英検やTOEICの受験料補助で最後に確認しておくこと

申し込む前に見る5点
  • 住んでいる市区町村の教育委員会のページで、2026年度の要項が出ているかを確認する(制度は年度で変わる)
  • 補助の形が全額・半額・定額のどれかと、上限額の有無を見る(北広島市は上限4,000円)
  • 対象の級を見る(3級以上に絞る自治体が多い)
  • 年度内の回数と申請の締切日を見る(1回までが9件で最多)
  • 受け方の条件を見る(準会場・S-CBT・塾経由が対象かどうかで金額が変わる)

英検3級の本会場の検定料6,800円(税込)に対して、自己負担が0円になる自治体と4,800円残る自治体がある。差の4,800円は英検5級1回分より大きい。数千円の話だが、兄弟が複数いる家庭や、年に2回3回と受ける場合には積み上がる。

【この記事の数字の出どころ】

公益財団法人日本英語検定協会「2026年度 実用英語技能検定(英検)検定料を一律100円引き下げ」2025年11月10日付リリース/同協会「検定料|英検S-CBT」2026年度検定料。確認日2026年9月21日。

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「受験料・支払方法|TOEIC Listening & Reading Test」。確認日2026年9月21日。

文部科学省「令和7年度『英語教育実施状況調査』の結果について」2026年6月18日公表、概要・中学校・高等学校の各資料。確認日2026年9月21日。

各自治体の公表要項=北海道北広島市教育委員会「令和7年度 英語検定等支援事業のご案内」/茨城県下妻市「小中学校の英検受験料を補助します」/茨城県結城市「英語検定料・TOEIC受験料補助制度」/栃木県佐野市「英語検定の検定料を助成します(佐野市英語検定受験チャレンジ補助金)」「大学生等の資格試験の受験料を全額助成します」/栃木県高根沢町「中学生を対象とした英語検定料の助成について」/群馬県太田市「小学生・中学生の英検・漢検の受検料半額を助成します」/群馬県中之条町教育委員会「中学生から高校生世代までの英語検定料を補助します」/埼玉県富士見市「英語検定試験受験料の補助について」/千葉県木更津市「英検検定料補助制度(中学校3年生対象)」/愛知県大府市「英語検定受検料補助制度(小中学生)について」(2026年5月20日更新)/愛知県蟹江町「英語検定料補助制度について」/大阪府太子町「英検(英語検定料)補助制度」/大阪府東大阪市「令和8年度英語検定受検料補助」/山梨県大月市「英語検定料助成金交付制度のおしらせ」/熊本県「令和8年度(2026年度)県立英語検定チャレンジ事業の実施について」。いずれも確認日2026年9月21日。

東京都福祉局「受験生チャレンジ支援貸付事業」。確認日2026年9月21日。

自己負担額・件数の内訳・差額は、上記の公表値をもとに編集部が計算したもの。金額はすべて各団体が公表している税込の額。

ここに並べた15件は、各自治体の公式ページに掲載されている内容である。補助制度は年度ごとに予算が組み直され、対象級・金額・回数・締切が変わる。申し込む前に、住んでいる自治体の教育委員会のページで最新の要項を必ず確認してほしい。

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