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履歴書にTOEICは何点から書ける?書き方と、書かない方がいい場合

履歴書にTOEICを何点から書けるか、公式に決めている機関はどこにもありません。IIBCも厚生労働省も「何点以上なら書いてよい」という基準を出していません。

この記事は、履歴書とTOEICについて公表されている数字と規定だけを並べたものです。出どころはIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)の「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025」「英語活用実態調査2019【企業・団体】」と公式FAQ、厚生労働省の履歴書様式例、人事院の公表資料で、2026年9月7日に取得しました。累計の割合は編集部の計算です。

目次

履歴書にTOEICを何点から書けるかの基準は、公式には存在しない

まず結論です。「何点から書ける」という公式の線引きはありません。

TOEICを運営するIIBCは、スコアの意味と算出方法は公表していますが、履歴書への記載の可否については何も定めていません。厚生労働省が示している履歴書様式例にも、資格欄の点数についての注記はありません。

つまり、書くか書かないかは応募者の判断に完全に委ねられています。判断のために使える公式データは2種類だけです。

判断材料 何が分かるか 出どころ
受験者全体のスコア分布 そのスコアが受験者の中でどの位置か IIBC DATA & ANALYSIS 2025
企業が要件・参考にするスコア 企業側が見ている水準の平均 IIBC 英語活用実態調査2019【企業・団体】
「何点から書くべきか」の推奨 公表されていない ―

この記事は、この2種類を先に並べてから、書き方と「書かない方がいい場合」に進みます。

履歴書に書くTOEICの判断材料①|企業が要件・参考にする平均は新卒545点・中途620点

IIBCは、企業がどの場面で何点を見ているかを調査して公表しています。

場面 要件・参考とするTOEIC L&Rスコア(平均) 回答企業数
新卒採用 545点 n=128
英語を使用する部署の中途採用 620点 n=139
係長・主任への昇進・昇格 515点 n=75
課長への昇進・昇格 530点 n=108
部長への昇進・昇格 565点 n=59
役員への昇進・昇格 600点 n=50
海外出張者の選抜 620点 n=81
海外赴任者の選抜 635点 n=122

いちばん高い海外赴任者の選抜でも635点です。役員への昇進で600点。

履歴書に書く点数の目安として世間でよく挙がる「730点」「800点」という数字は、この調査のどこにも出てきません。IIBCが公表しているのは上の平均値だけです。

ここが分かれ目

これは「企業が見ている水準」であって「履歴書に書いてよい下限」ではありません。書くこと自体を禁じている企業の規定は、公表されているものの中にはありません。

履歴書のTOEICが受験者全体のどこにいるか|公開テストのスコア分布

もう1つの判断材料が、実際の受験者の分布です。2024年度の公開テスト受験者735,425人の分布から、各スコア以上が全体の何%にあたるかを計算しました。

スコア その帯の人数(割合) そのスコア以上の累計(編集部の計算)
895点以上 32,206人(4.4%) 4.4%
845点以上 36,938人(5.0%) 9.4%
795点以上 51,224人(7.0%) 16.4%
745点以上 61,598人(8.4%) 24.8%
695点以上 69,891人(9.5%) 34.3%
645点以上 76,117人(10.4%) 44.7%
595点以上 78,834人(10.7%) 55.4%
545点以上 76,039人(10.3%) 65.7%
495点以上 68,521人(9.3%) 75.0%

見方を変えると、600点台後半で受験者の上位3分の1、800点前後で上位6分の1です。

2024年度の公開テスト全体の平均スコアは615点でした(社会人644点、学生592点)。平均と分布の両方を置くと、自分の点数が「書いて意味がある位置」かどうかを自分で判断できます。

履歴書に書くTOEICの判断材料②|企業が社員に期待する点数は部門で130点違う

同じ調査に、企業が社員に期待するスコアの平均も出ています。応募先の職種が決まっている場合は、こちらのほうが実感に近い数字です。

対象 TOEIC L&R TOEIC Speaking TOEIC Writing
新入社員 535点 110点 110点
中途社員 560点 110点 110点
技術部門 560点 120点 130点
営業部門 575点 120点 120点
海外部門 690点 140点 140点

新入社員の535点と海外部門の690点で155点の開きがあります。技術部門の560点と海外部門の690点でも130点です。

同じ点数でも、応募する部門によって受け取られ方が変わるということです。560点は技術部門では期待値どおりで、海外部門では130点足りません。

履歴書のTOEICには期限がある|ETSはスコアの有効期限を2年と設定している

ここからが書き方の話です。まず期限を確認します。

IIBCの公式FAQは、スコアの有効期限についてこう書いています。

スコア自体はテスト受験時の英語能力を評価しています。英語力は時間の経過とともに向上または低下する可能性があります。そのため、テスト開発元のETSはできるだけ最新のスコアを参照(利用)することを推奨しており、スコアの有効期限を2年と設定しています。

IIBC 公開テスト よくあるご質問(2026年9月7日取得)

続けて、こうも書かれています。

ただし、採用、出願などの目的でスコアを提出する場合、各機関、団体や学校が、その方針に基づいて2年を超えるスコアの提出を認めることについては特に規定していません。各機関、団体や学校でスコアの有効期限を設定している場合がありますので事前に方針を必ずご確認ください。

IIBC 公開テスト よくあるご質問(2026年9月7日取得)

つまり「2年」はETSの推奨であって、履歴書に書けなくなる期限ではありません。受け取る側が2年を超えるスコアを認めるかどうかは、応募先ごとに違います。

履歴書のTOEICで実際に困るのは、公式認定証の再発行が切れる2年後

書くこと自体に期限はなくても、証明書類には期限があります。ここが実務でいちばん引っかかるところです。

書類 期限 費用(税込)
紙の公式認定証の再発行 試験日から2年以内 1部550円
デジタル公式認定証のダウンロード 試験日から5年間 ―
紙の公式認定証の初回発送 申込時に「希望する」を選んだ人へ試験日から30日以内 ―

IIBCは再発行についてこう書いています。

試験日から2年を経過しますと、公式認定証の再発行はできません。

IIBC 公開テスト よくあるご質問(2026年9月7日取得)

2025年4月以降、紙の公式認定証は申込時に「希望する」を選んだ人にだけ発送される運用に変わりました。紙で提出を求められる可能性があるなら、申込の時点で「希望する」を選んでおくのが安全です。

デジタル公式認定証は試験日から5年間ダウンロードできます。紙が要らない提出先であれば、こちらで足ります。

履歴書のTOEICは、公開テストとIPテストで扱いが変わる

大学や勤務先で受けたTOEICは、多くがIPテスト(団体特別受験制度)です。公開テストとは発行される書類が違います。

項目 公開テスト IPテスト
発行されるもの 公式認定証(Official Score Certificate) スコアレポート(紙)またはテスト結果(PDF)
公式認定証 発行される 発行されない
スコアの意味 同じスコアなら英語力は同等(IIBC)
国家公務員総合職試験の加算 対象 対象外

スコアそのものの意味は同じですが、証明書類として通るかどうかは提出先が決めます。国家公務員採用総合職試験は、この線を明確に引いている数少ない例です。

TOEIC Listening & Reading Test の IP テストのスコア(TOEIC Institutional Program (IP) Score Report)は、加算の対象としていません。

人事院「国家公務員採用総合職試験における英語試験の活用」(2026年9月7日取得)

履歴書に書くこと自体は、IPテストのスコアでも問題ありません。ただし証明書類の提出を求められたときに公式認定証が出せないので、どちらで受けたスコアかは自分で把握しておく必要があります。

履歴書のどの欄にTOEICを書くか|厚生労働省の様式例で確認する

履歴書の様式は、2020年7月に日本規格協会がJIS規格の解説から様式例を削除したことを受けて、厚生労働省が2021年4月に新しい様式例を示しました。

この厚生労働省履歴書様式例に「免許・資格」欄があります。TOEICを書くのはここです。

厚生労働省様式例の欄 TOEICを書くか
免許・資格 この欄に書く
学歴・職歴 書かない
志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど 点数の使い道を補足する場合のみ
本人希望記入欄 書かない

この様式例について、厚生労働省は位置づけをこう説明しています。

公正な採用選考を確保するため、履歴書の様式例を示すもの。法的拘束力はない。そのため、当該様式の使用は個別の企業が判断可能。

厚生労働省「履歴書の様式例の作成について」令和3年4月16日 労働政策審議会安定分科会資料(2026年9月7日取得)

JIS規格の様式との違いは2点です。性別欄が「男・女」の選択から任意記載に変わり、「配偶者」「扶養家族数」「配偶者の扶養義務」「通勤時間」の各欄が削除されました。

古いテンプレートを使うとこれらの欄が残っていることがあるので、様式を選ぶ段階で確認しておくと余計な手間が減ります。

履歴書へのTOEICの書き方|取得年月・正式名称・スコアの3点

「免許・資格」欄は「年」「月」と記載内容の3列です。書く要素は3つに絞れます。

要素 何を書くか 根拠
年・月 受験した年月 厚生労働省様式例の欄が年・月
試験の名称 TOEIC Listening & Reading Test IIBCが使っている正式名称
スコア 10〜990点、5点刻みの実数 IIBCのスコア表示方法

スコアはリスニング5〜495点、リーディング5〜495点、トータル10〜990点で、5点刻みで表示されます。合計だけを書くのが基本で、内訳を書く義務はありません。

公式認定証にはスコアのほかに、Score Descriptors(レベル別評価)とAbilities Measured(項目別正答率)が載っています。履歴書に書き写す必要はありませんが、面接で内訳を聞かれたときの手元資料になります。

なお、TOEIC Speaking & Writing Tests は別のテストです。L&Rのスコアと混ぜず、テスト名を分けて書きます。

履歴書にTOEICを書かない方がいい場合

ここは公式の基準が無い領域なので、判断の材料を表にします。

状況 考え方 根拠になる数字
受験から2年以上たっている 提出先が2年で切っている可能性がある。事前確認が必要 ETSは有効期限を2年と設定
証明書類が出せない 紙の公式認定証は2年で再発行不可。デジタルは5年 IIBC 公式FAQ
応募先が海外部門 期待値は690点。大きく下回るなら別の材料を出す IIBC 英語活用実態調査2019
国家公務員総合職試験で加算を求める IPテストのスコアは対象外 人事院
点数が受験者の下位にある 495点未満は公開テスト受験者の下位25%にあたる DATA & ANALYSIS 2025(累計は編集部の計算)

誤解のないように書いておくと、「何点未満は書いてはいけない」という規定は、公式にも各社の公表資料にも見当たりません。

上の表は「書くと不利になる」という意味ではなく、「その点数がどう読まれるかを先に知っておくための材料」です。

ここが分かれ目

古いスコアを書くかどうかで迷ったら、点数の高低ではなく「証明書類を出せるか」で決めると判断が固まります。書類が出せない期間のスコアは、聞かれたときに裏づけができません。

履歴書とTOEICについて、公表されていないこと

よく語られる話と、公式の公表状況を並べます。

よく語られる話 公表状況
「600点未満は書かない方がいい」 IIBC・厚生労働省ともに、そうした基準を公表していない
「履歴書のTOEICは2年以内でないと無効」 ETSの推奨は2年。ただしIIBCは「各機関が2年超を認めることを規定していない」と明記
「大手は700点が足切り」 企業別の足切り点は公表されていない
企業ごとの応募条件スコアの一覧 IIBCの調査は平均値のみ。企業名つきの採用基準は公表されていない

「公式は公表していない」と分かること自体が、判断材料になります。

履歴書のTOEICまとめ|何点から書けるかの結論

最後に、この記事で並べた数字と規定を1枚にまとめます。

問い 公表されている答え
何点から書けるか 公式の基準は無い
企業が新卒採用で見る平均 545点
企業が中途採用で見る平均 620点
企業が新入社員に期待する平均 535点
公開テスト受験者の平均 615点(社会人644点・学生592点)
スコアの有効期限 ETSの設定は2年。提出先の方針が優先
紙の公式認定証の再発行 試験日から2年以内・1部550円(税込)
デジタル公式認定証 試験日から5年間ダウンロード可
書く欄 厚生労働省様式例の「免許・資格」

履歴書にTOEICを何点から書けるかという問いに、公式の答えはありません。代わりに公表されているのは、企業が見ている平均が535〜635点の帯にあるという事実と、自分の点数が受験者全体のどこにいるかという位置だけです。

この2つを見て、自分で決めることになります。

この記事で使った履歴書とTOEICの一次ソース

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