イギリス留学の費用は「授業料がいくらか」だけを見ると必ず読み違えます。英国はビザ代と医療付加金が政府によって1円単位で決まっていて、さらに口座残高まで審査される国だからです。授業料の外側に、公表されているのに見落とされる固定費が積み上がります。
この記事は、イギリス留学にかかるお金をビザ・授業料・滞在費・生活費の4つに分解し、公表されている金額だけを並べたものです。金額は英国政府(GOV.UK)・ケンブリッジ大学・ロンドンの語学学校2校の公式料金表から2026年9月7日に取得しました。
円換算は1ポンド=216.76円で計算しています。これは日本の税関が公示した週間平均相場(適用期間=令和8年9月6日から9月12日まで)で、記事の取得日2026年9月7日を含む週の公示レートです。英国政府の手数料はGOV.UKの表示額そのままで、税の上乗せは公表されていません。学校の授業料は各校の公式サイトの表示価格で、税込・税別の別は公表されていないため、表示額のまま並べます。
イギリス留学の費用は「ビザ・授業料・滞在費・生活費」の4つに分けると全部見える
イギリス留学の支出は、性質のまったく違う4つに分かれます。分ける理由は、誰が金額を決めているかが違うからです。
| 費目 | 誰が決めるか | 公表状況 | 発生の頻度 |
|---|---|---|---|
| ①ビザ代 | 英国政府(内務省) | 1円単位で完全に公表 | 申請時に1回 |
| ②医療付加金(IHS) | 英国政府 | 年額で完全に公表 | 申請時に滞在期間分を前払い |
| ③授業料・滞在費 | 各学校・各大学 | 公式料金表で公表 | 週単位または年単位 |
| ④生活費 | 本人(ただし下限は政府が指定) | 下限のみ政府が公表 | 毎月 |
④の生活費に「政府が決めた下限」があるのが、イギリス留学の最大の特徴です。これは節約でどうにかなる項目ではなく、ビザが下りるかどうかの条件になっています。
イギリス留学のビザ代は、金額が1円単位で公表されている
イギリス留学で最初に確定できるのがビザ代です。GOV.UKに金額が載っていて、学校や時期で変わりません。
| ビザの種類 | 手数料 | 円換算(216.76円) | 使える場面 |
|---|---|---|---|
| Student visa(英国外から申請) | £558 | 約121,000円 | 6か月を超える正規課程 |
| Student visa(英国内で延長・変更) | £558 | 約121,000円 | 滞在中の切り替え |
| Short-term study visa | £228 | 約49,400円 | 6か月超11か月以内の英語コース |
| Standard Visitor visa(6か月) | £135 | 約29,300円 | 6か月以内のコース |
| 長期Visitor visa(2年) | £506 | 約109,700円 | 1回の滞在は6か月まで |
| 長期Visitor visa(5年) | £903 | 約195,700円 | 同上 |
| 長期Visitor visa(10年) | £1,128 | 約244,500円 | 同上 |
ここで大きいのが6か月という区切りです。GOV.UKは「6か月以内のコースはVisitor visaで学べる」と書いています。同じ語学留学でも、24週で切り上げるか26週まで伸ばすかで、£135と£228のどちらを払うかが変わります。
Short-term study visaは「6か月を超え11か月以内」の英語コース専用です。11か月を超える語学コースにはこのビザが使えません。期間の設計を先にすると、ビザ代が£93(約20,100円)変わります。
イギリス留学では医療付加金(IHS)が年£776乗る
イギリス留学の費用でいちばん見落とされるのが、医療付加金(Immigration Health Surcharge)です。滞在期間分をビザ申請時に前払いします。
| 区分 | 年額 | 円換算(216.76円) |
|---|---|---|
| 学生・その扶養家族・Youth Mobility Scheme | £776 | 約168,200円 |
| 申請時に18歳未満 | £776 | 約168,200円 |
| それ以外のビザ申請すべて | £1,035 | 約224,400円 |
学生料率は標準料率より年£259(約56,100円)安く設定されています。ただしVisitor visaはこの支払い対象に入っていません。つまり6か月以内のコースをVisitor visaで行くなら、この年£776は発生しません。
逆に9か月の語学コースをShort-term study visaで行くと、£228のビザ代に加えて医療付加金の負担が乗ります。ビザ代だけを比べると£93差ですが、医療付加金まで含めると差は一気に広がります。
イギリス留学ではビザ申請時に「口座にいくらあるか」まで審査される
Student visaの申請では、生活費として一定額を持っていることを証明する必要があります。GOV.UKが金額を明示しています。
| コースの所在地 | 1か月あたり | 最長9か月分の合計 | 円換算(216.76円) |
|---|---|---|---|
| ロンドン | £1,529 | £13,761 | 約2,982,000円 |
| ロンドン以外 | £1,171 | £10,539 | 約2,284,000円 |
| 差 | £358 | £3,222 | 約698,000円 |
この資金は「28日間連続で口座にあり続けたこと」が条件で、その28日間の最終日が申請日から31日以内である必要があります。申請の直前に入金しても条件を満たしません。
これは支払う費用ではなく、見せる資金です。ただし現実には生活費として使われるので、イギリス留学の予算表からは外せません。
イギリス留学の語学学校の授業料は、ロンドンで週£324から£695
語学学校の授業料は、週あたりのレッスン数でほぼ決まります。ロンドンの2校が公式サイトに掲げている2026年の料金表を並べます。
| 学校・コース | 週の授業 | 1〜5週の週単価 | 円換算(216.76円) |
|---|---|---|---|
| International House London|Learn English 15 | 週15時間 | £381 | 約82,600円 |
| 同|Learn English 20 | 週20時間 | £445 | 約96,500円 |
| 同|Learn English 25 | 週25時間 | £555 | 約120,300円 |
| The London School of English|General English Intensive | 週24時間 | £695(1〜4週) | 約150,600円 |
同じロンドン、同じ「週20〜25時間」でも、学校が違うと週単価は£381から£695まで開きます。差は£314(約68,100円)で、4週間なら約27万円の違いになります。
授業料のほかに登録料が要ります。International House Londonは£98(約21,200円)、The London School of Englishはオンライン予約で£95(約20,600円)、メール予約だと£125(約27,100円)と公表しています。
イギリス留学は、週数が伸びるほど授業料の単価が下がる
イギリスの語学学校は、申し込む週数で単価を段階的に下げる形をとっています。International House Londonの2026年料金表がその構造をそのまま見せています。
| 週数 | Learn English 15 | Learn English 20 | Learn English 25 |
|---|---|---|---|
| 1〜5週 | £381 | £445 | £555 |
| 6〜11週 | £362 | £427 | £534 |
| 12〜19週 | £341 | £402 | £503 |
| 20週以上 | £324 | £378 | £472 |
| 1〜5週と20週以上の差 | £57 | £67 | £83 |
Learn English 20で見ると、1〜5週の£445に対して20週以上は£378。週単価が£67(約14,500円)下がります。20週申し込むと、この逓減だけで£1,340(約290,500円)の差になります。
なお同校は夏季(2026年6月15日から8月28日まで)に週£15(約3,300円)の追加料金を公表しています。4週間の夏留学なら£60(約13,000円)が上乗せされます。
イギリス留学の滞在費は、ホームステイ週£250から、レジデンス週£455から
滞在費は授業料と同じくらいの重さになります。The London School of Englishが公式サイトに掲げている2026年の週額です。
| 滞在の型 | 週額 | 円換算(216.76円) | 食事 |
|---|---|---|---|
| ホームステイ Silver(共用バス) | £250 | 約54,200円 | 朝食付き |
| 同 Silver(夕食3回付き) | £305 | 約66,100円 | 朝食+夕食3回 |
| ホームステイ Gold(専用バス) | £320 | 約69,400円 | 朝食付き |
| 同 Gold(夕食3回付き) | £375 | 約81,300円 | 朝食+夕食3回 |
| レジデンス Prince Consort Village(スタジオ) | £455 | 約98,600円 | 自炊 |
| レジデンス Paddington Citi(スタジオ) | £540 | 約117,100円 | 自炊 |
ホームステイのSilver朝食付き(£250)とレジデンスのPaddington Citi(£540)の差は週£290、円で約62,900円です。12週間なら約75万円の違いになります。
自炊のレジデンスは食費が別に乗るので、朝食付きホームステイとの実質差はここまで開きません。滞在費だけを横に並べても比較になりません。
イギリス留学で大学に進む場合の学費は年£29,052から£70,554
語学留学ではなく学位を取る場合、桁がひとつ変わります。ケンブリッジ大学が2026年入学向けに公表している留学生(Overseas)の学費バンドです。
| グループ | 分野 | 年額 | 円換算(216.76円) |
|---|---|---|---|
| Group 1 | 人文・社会科学 | £29,052 | 約6,297,000円 |
| Group 2 | 数学 | £32,406 | 約7,024,000円 |
| Group 3 | 建築・デザイン・地理・音楽 | £38,010 | 約8,239,000円 |
| Group 4 | 理工系 | £44,214 | 約9,583,000円 |
| Group 5 | 医学・獣医学 | £70,554 | 約15,293,000円 |
同じ大学の同じ学年でも、分野で£41,502(約899万円)違います。イギリス留学の学費は「国」ではなく「学部」で決まります。
さらにケンブリッジは、大学の学費とは別にカレッジ費(College fee)が毎年かかると公表しています。カレッジごとに金額が違うため、ここでは額を書きません。
イギリス留学の費用を期間別に積み上げた(4週間・12週間・9か月)
ここまでの公表額を、ロンドンの語学留学として組み立てます。授業料と登録料はInternational House LondonのLearn English 20、滞在費はThe London School of Englishのホームステイ Silver 朝食付き(週£250)を使いました。同一校の合計ではなく、公表額を組み合わせた積算です。
| 費目 | 4週間 | 12週間 | 9か月(39週) |
|---|---|---|---|
| 授業料 | £1,780(£445×4) | £4,824(£402×12) | £14,742(£378×39) |
| 登録料 | £98 | £98 | £98 |
| 滞在費 | £1,000 | £3,000 | £9,750 |
| ビザ | £135(Visitor) | £135(Visitor) | £228(Short-term study) |
| 医療付加金 | ―(Visitorは対象外) | ―(Visitorは対象外) | £776(学生料率・年額) |
| 合計 | £3,013 | £8,057 | £25,594 |
| 円換算 | 約653,000円 | 約1,746,000円 | 約5,547,000円 |
週あたりに直すと、4週間は約16.3万円、12週間は約14.6万円、9か月は約14.2万円です。長く行くほど週単価は下がりますが、下がり方は12週を超えたあたりで頭打ちになります。
この積算には航空券・海外旅行保険・現地の交通費・食費(夕食分)を含んでいません。これらは公式が金額を公表していないため、この記事では飛ばしています。
イギリス留学は、ロンドンかロンドン以外かで公的な生活費の目安が月£358違う
イギリス留学の生活費は、感覚ではなく英国政府が下限を数字で出しています。ロンドン月£1,529、ロンドン以外月£1,171。この£358(約77,600円)が、公的に認められたロンドン割増です。
| 期間 | ロンドン | ロンドン以外 | 差額(円換算) |
|---|---|---|---|
| 1か月 | £1,529 | £1,171 | 約77,600円 |
| 3か月 | £4,587 | £3,513 | 約232,800円 |
| 6か月 | £9,174 | £7,026 | 約465,600円 |
| 9か月(上限) | £13,761 | £10,539 | 約698,000円 |
9か月で約70万円。これは授業料の差ではなく、住む場所だけで生まれる差です。同じ英語を学ぶなら、地方都市を選ぶ理由は、この一点だけで十分に立ちます。
この£1,529と£1,171は、英国政府が「ビザを出す条件」として示している額です。実際にいくらで暮らせるかの数字ではありません。ただし政府が地域差を£358と見積もっている事実は、予算を組むときの土台になります。
イギリス留学とフィリピン留学の差は、週あたりの単価に出る
英語圏どうしの比較は各国の記事に譲り、ここでは構造がいちばん違うフィリピンとの差だけを見ます。比べるのは「週あたり、何が含まれていくらか」の1点です。
| 項目 | イギリス(ロンドン) | フィリピン(セブ) |
|---|---|---|
| 週単価に含まれるもの | 授業のみ | 授業+寮+3食 |
| 4週間の週単価 | £445(約96,500円)=授業だけ | 約41,650円(4人部屋・3食込み) |
| 滞在費 | 別途 週£250〜(約54,200円〜) | 週単価に込み |
| 就学の許可 | ビザ £135〜£558 | SSP 12,040ペソ(約31,100円) |
| 授業の形 | グループ中心 | マンツーマン中心 |
フィリピンの数字は3D ACADEMYの公式料金表(ESLコース・4人部屋・4週間 186,600円)を週で割ったもので、1ペソ=2.58円(税関公示・同じ適用期間)で換算しています。イギリスの週£445は授業料だけ、フィリピンの週約41,650円は寝食まで含んだ額です。
12週間で積み上げると、イギリスが約174.6万円、フィリピンが約60万円前後。差はおよそ113万円で、倍率にして約2.8倍です。逆にいうと、この差はマンツーマンの授業数と英語圏の生活環境を買う値段でもあります。
イギリス留学の費用で、公式が公表していなかったもの
この記事で書けなかったものを正直に並べます。裏が取れない数字は推測で埋めていません。
| 項目 | なぜ書かなかったか |
|---|---|
| ケンブリッジのカレッジ費(College fee) | カレッジごとに額が違い、公式が単一の数字を出していない |
| ロンドン以外の語学学校の週単価 | 今回一次ソースを確認できた公式料金表がロンドンの2校だったため |
| 航空券・海外旅行保険 | 公的機関も学校も金額を公表していない |
| Student visaの優先審査オプション料金 | GOV.UKの学生ビザ概要ページに額の記載がなかった |
| 教材費 | 今回見た2校の料金表に単独の項目がなかった |
とくに航空券と保険はイギリス留学の総額を数十万円動かします。ここが埋まっていない予算表は、まだ完成していないと考えてください。
また為替の前提は動きます。1ポンド=216.76円は2026年9月6日から12日までの公示レートで、10円動けば9か月モデルの合計は約25万円変わります。
この記事で使ったイギリス留学の費用の一次ソース
金額はすべて2026年9月7日に以下の公式ページで確認しました。円換算のみ編集部の計算です。
- GOV.UK|Student visa(申請手数料 £558)
- GOV.UK|Student visa: Money you need(ロンドン £1,529/ロンドン以外 £1,171・最長9か月)
- GOV.UK|Short-term study visa(£228・6か月超11か月以内の英語コース)
- GOV.UK|Standard Visitor visa(6か月 £135/2年 £506/5年 £903/10年 £1,128)
- GOV.UK|Immigration health surcharge(学生料率 年£776/標準 年£1,035)
- International House London|Price List 2026(週£324〜£555・登録料£98)
- The London School of English|Fees(週£620〜£695・ホームステイ週£250〜)
- University of Cambridge|International fees and costs(2026年入学 £29,052〜£70,554)
- 3D ACADEMY|料金のご案内(比較に使ったセブの公式料金表)
- 税関|外国為替相場(課税価格の換算)(1ポンド=216.76円・1ペソ=2.58円/適用期間 令和8年9月6日〜9月12日)

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