文部科学省が毎年やっている「英語教育実施状況調査」に、この数字はそのまま載っています。令和6年度の調査で、英検準2級(CEFR A2)相当以上の英語力に届いている公立高校3年生の割合は51.6%。3年生59万6,344人のうち30万7,926人です。ただしこのうち、実際に英検などの級・スコアを取っている生徒は31.8%で、残りの19.8%は「相当の力はあると英語担当教師が判断した生徒」です。
この記事は、文部科学省が令和7年6月に公表した令和6年度「英語教育実施状況調査」の概要資料と、高等学校の集計結果(回答の実数が入った様式そのもの)を並べ直したものです。数字はすべて2026年9月11日に文部科学省の公式サイトでPDFを開いて確認しました。割合のうち、文部科学省が資料に載せていないもの(実数を割った値など)は、そのつど「編集部の計算」と明記しています。級とCEFRの対応は、調査資料の注記に書かれている「CEFR A2:英検準2級、B1:英検2級相当」をそのまま使っています。
高校生で英検準2級(CEFR A2)以上の割合は51.6%
令和6年度調査の概要資料は、この項目に1ページを割いています。逐語は「CEFR A2レベル相当以上を達成した高校生の割合は51.6%で増加」です。調査基準日は令和6年12月1日、対象は全国の公立高等学校3,241校(合計3,968学科)でした。
| 項目 | 令和6年度 | 令和5年度 | 差 |
|---|---|---|---|
| CEFR A2(英検準2級)相当以上の割合 | 51.6% | 50.6% | +1.0ポイント |
| うち 実際に取得している生徒 | 31.8% | 32.0% | −0.2ポイント |
| うち 相当の力を有すると思われる生徒 | 19.8% | 18.6% | +1.2ポイント |
| CEFR B1(英検2級)相当以上の割合 | 21.2% | 19.8% | +1.4ポイント |
増えた1.0ポイントの中身を見ると、「実際に取得している生徒」はむしろ0.2ポイント減っています。伸びているのは「思われる生徒」のほうです。ひとくちに「高校生の半分が準2級レベル」と言っても、その半分がどうやって数えられたかは、2つの層でまったく違います。
調査様式の冒頭に、対象の範囲が明記されています。逐語は「本調査は、公立高等学校及び中等教育学校の後期課程を対象とします」「特別支援学校、定時制及び通信制の課程は対象外とします」。私立高校は入っていません。全日制の公立だけの数字です。「日本の高校生の51.6%」と読むと範囲を広げすぎることになります。
高校生の51.6%は、性格の違う2つの数字を足したもの
調査様式の「5-(1) 以下に該当する生徒数を記入してください」は、学校に4つの人数を書かせる作りになっています。高等学校集計結果に載っている全学科の実数は次のとおりです。
| 調査様式の欄 | 人数(全学科) | 3年生に占める割合(編集部の計算) |
|---|---|---|
| (ア)第3学年に所属している生徒数 | 596,344人 | 100% |
| (イ)(ア)のうち外部試験を受験したことがある生徒数 | 296,852人 | 49.8% |
| (ウ)(イ)のうちCEFR A2相当を取得している生徒数 | 102,853人 | 17.2% |
| (エ)(イ)のうちCEFR B1相当以上を取得している生徒数 | 86,776人 | 14.6% |
| (オ)(ア)のうちA2相当の力を有すると思われる生徒数 | 78,770人 | 13.2% |
| (カ)(ア)のうちB1相当以上の力を有すると思われる生徒数 | 39,527人 | 6.6% |
(ウ)+(エ)が「A2相当以上を取得している生徒」で18万9,629人、(オ)+(カ)が「A2相当以上の力を有すると思われる生徒」で11万8,297人。合計30万7,926人を59万6,344人で割ると51.64%になり、資料の51.6%と一致します。
注目すべきは(イ)の29万6,852人です。公立高校3年生のうち、外部試験をそもそも受けたことがあるのは半分(49.8%)しかいません。受けたことがある生徒のなかでA2相当以上を取っているのは18万9,629人で、これは(イ)の63.9%にあたります(編集部の計算)。
「思われる生徒」がどう判定されたかも、資料に定義が書いてあります。逐語は「実際に外部検定試験の級、スコア等は取得していないが、それに相当する英語力を有していると英語担当教師が判断する生徒の人数」。判断の材料として様式が例示しているのは、2技能または3技能を測る試験のスコア、公式な記録としては認定されない試験のスコア、CAN-DOリストに基づく自校でのパフォーマンステストの結果、MEXCBTのCBT問題の解答状況、AIツール等による英語力の判定結果です。
| 判断に使った根拠(複数回答可) | そう答えた学科の割合 |
|---|---|
| 2技能又は3技能を測る試験におけるスコア | 47.4% |
| CAN-DOリストに基づく自校でのパフォーマンステストの結果 | 45.0% |
| その他 | 21.6% |
| 公式な記録としては認定されない試験のスコア(英検IBAなど) | 16.1% |
| AIツール等による英語力の判定結果 | 1.2% |
| MEXCBTに搭載しているCBT問題の解答状況 | 0.3% |
つまり19.8%のうち半分近くは、自校でのパフォーマンステストの結果を根拠にした判定です。英検の合否とは別の物差しが混ざっている、ということは押さえておいたほうがいい点です。
高校生の英検準2級以上の割合は、学科によって4倍以上ひらく
全国平均の51.6%は、性質のまったく違う学科をまとめた平均です。概要資料は学科別のページを別に立てています。逐語は「全ての学科において、CEFR A2/B1レベル相当以上を達成した高校生の割合は増加」。ただし水準そのものは大きく離れています。
| 学科 | 3年生の人数 | A2相当以上(合計) | うち取得 | うち思われる |
|---|---|---|---|---|
| 普通科 | 394,164人 | 64.7% | 40.4% | 24.3% |
| 英語教育を主とする学科・国際関係に関する学科 | 9,895人 | 95.3% | 73.2% | 22.1% |
| その他の専門学科及び総合学科 | 192,285人 | 22.5% | 12.0% | 10.5% |
| 全学科 | 596,344人 | 51.6% | 31.8% | 19.8% |
英語教育を主とする学科の95.3%と、その他の専門学科・総合学科の22.5%。同じ「高校生」でも4.2倍の開きがあります(編集部の計算)。普通科の64.7%はすでに国の目標である6割を超えていますが、その他の専門学科・総合学科は19万2,285人という大きな母数を抱えたまま22.5%です。
外部試験を受けた経験の割合を学科別に割ると、差の出どころがもう少し見えます。普通科は22万7,672人/39万4,164人で57.8%、英語教育を主とする学科は8,836人/9,895人で89.3%、その他の専門学科・総合学科は6万344人/19万2,285人で31.4%です(いずれも編集部が実数を割った値)。
全国平均を「高校生の実感」として読むと、この構造がまるごと消えます。自分の高校がどの学科に当たるかで、まわりの景色は64.7%にも22.5%にもなります。
高校生で英検2級(CEFR B1)以上に届いているのは21.2%
準2級の1つ上、英検2級に相当するCEFR B1も、同じ調査で別立てになっています。日本英語検定協会は2級のレベルを「高校卒業程度」、準2級を「高校中級程度」と案内しています。
| 学科 | B1相当以上(合計) | うち取得 | うち思われる | 実数(取得+思われる) |
|---|---|---|---|---|
| 普通科 | 26.9% | 18.4% | 8.5% | 105,914人 |
| 英語教育を主とする学科・国際関係に関する学科 | 70.7% | 55.8% | 14.9% | 6,992人 |
| その他の専門学科及び総合学科 | 7.0% | 4.5% | 2.4% | 13,397人 |
| 全学科 | 21.2% | 14.6% | 6.6% | 126,303人 |
B1のほうは、A2と逆に「取得している生徒」が大半を占めます。21.2%のうち14.6ポイントが実際に級・スコアを取っている生徒で、「思われる生徒」は6.6ポイントしかありません。級が上がるほど、教師の判断ではなく外部試験の結果で数えられている、という読み方ができます。
B1の数値は令和5年度が19.8%、令和4年度が21.2%でした。令和4年度と令和6年度が同じ21.2%で、あいだの令和5年度だけ下がっている形です。3年分を並べると、A2のようにまっすぐ伸びている系列ではありません。
高校生の英検準2級以上の割合は、13年で30.4%から51.6%になった
概要資料は平成23年度からの系列をグラフで載せています。値を表に起こします(令和2年度は新型コロナウイルスの影響で調査が中止されたため欠けています)。
| 年度 | A2相当以上(合計) | 取得 | 思われる |
|---|---|---|---|
| 平成23年度 | 30.4% | 10.1% | 20.3% |
| 平成25年度 | 31.0% | 11.0% | 20.0% |
| 平成29年度 | 39.3% | 15.0% | 24.3% |
| 平成30年度 | 40.2% | 20.5% | 19.7% |
| 令和元年度 | 43.6% | 26.7% | 16.9% |
| 令和3年度 | 46.1% | 31.2% | 14.9% |
| 令和4年度 | 48.7% | 30.2% | 18.4% |
| 令和5年度 | 50.6% | 32.0% | 18.6% |
| 令和6年度 | 51.6% | 31.8% | 19.8% |
13年で21.2ポイント増えていますが、内訳の動き方は途中で入れ替わっています。平成23年度は「思われる生徒」が20.3%で「取得」の10.1%の倍でした。令和元年度から令和3年度にかけては逆転し、令和3年度は取得31.2%・思われる14.9%。そこからまた「思われる」が戻ってきて、令和6年度は19.8%まで上がっています。
「取得している生徒」は令和3年度の31.2%から令和6年度の31.8%まで、3年間で0.6ポイントしか動いていません。合計値が伸び続けている一方で、外部試験で級を取る層はここ数年ほぼ横ばいです。この2つを分けずに「高校生の英語力が伸びた」とだけ読むと、動いている部分を取り違えます。
高校生の英語力について、国が置いている目標は「6割」と「3割」
令和5年6月に閣議決定された「第4期教育振興基本計画」(対象期間は令和5年度から令和9年度)が、数値目標を置いています。調査資料の注記の逐語は次のとおりです。
「『第4期教育振興基本計画』(R5~R9)では、高等学校卒業段階でCEFR A2レベル相当以上を達成した高校生の割合6割以上、CEFR B1レベル相当以上を達成した高校生の割合3割以上を目標としている。」
| 目標 | 水準 | 令和6年度の実績 | 残り(編集部の計算) |
|---|---|---|---|
| 高校卒業段階でCEFR A2相当以上 | 6割以上 | 51.6% | 8.4ポイント |
| 高校卒業段階でCEFR B1相当以上 | 3割以上 | 21.2% | 8.8ポイント |
| すべての都道府県でCEFR A2相当以上 | 各自治体5割以上 | 47自治体中21自治体が達成 | 26自治体 |
A2の目標まで8.4ポイント、B1の目標まで8.8ポイント。直近1年の伸びはA2が+1.0ポイント、B1が+1.4ポイントでした。この伸び幅がそのまま続いた場合に令和9年度までに届くかどうかは、調査資料には書かれていません。
なお「第4期教育振興基本計画」の前の「第3期」は平成30年度が始期で、当時の目標はA2相当以上5割以上でした。令和5年度に50.6%となってこの水準は超えています。6割という目標は、第4期で1段階引き上げられたものです。
都道府県別に見ると、高校生の英検準2級以上の割合は21自治体だけが5割を超えた
概要資料には都道府県別のページがあります。見出しの逐語は「政府目標であるCEFR A2レベル相当以上の高校生の割合50%を達成した自治体は増加傾向」で、括弧書きで達成自治体数の推移が示されています。
| 年度 | A2相当以上が5割を超えた自治体数 | 全自治体数 |
|---|---|---|
| 令和3年度 | 8自治体 | 47 |
| 令和4年度 | 18自治体 | 47 |
| 令和5年度 | 23自治体 | 47 |
| 令和6年度 | 21自治体 | 47 |
令和5年度の23自治体から、令和6年度は21自治体へ2つ減っています。全国平均は50.6%から51.6%へ上がったのに、5割を超えた自治体の数は減りました。平均が上がることと、下位の自治体が底上げされることは別だ、という例になっています。
高校の集計は都道府県単位(47自治体)で、政令指定都市は分かれていません。中学校の集計が都道府県と政令指定都市を分けた67自治体なのと違うので、両者の「達成自治体数」をそのまま比べることはできません。
概要資料の都道府県別グラフには47自治体の数値が載っていますが、公開されているのは棒グラフ上の数値ラベルで、都道府県名と数値の対応をPDFのテキストとして機械的に取り出すことができませんでした。取り違えるくらいなら書かないという方針で、個別の自治体名と数値は落としています。原典のPDF(本文末尾にアドレスを載せています)でグラフを直接見てください。
高校生の英語の授業で、英語が使われている時間はどれくらいか
同じ調査は、英語力の割合だけでなく授業の中身も聞いています。高校生が英語で言語活動をしている時間の割合について、概要資料の逐語は「過半数の高等学校が授業の半分以上の時間、言語活動を行っている」です。
| 学科 | 授業の75%以上 | 50%以上75%未満 | 合計(半分以上) | 令和5年度の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 全体 | 17.2% | 39.4% | 56.6% | 54.3% |
| 普通科 | 17.3% | 39.8% | 57.1% | 55.4% |
| 英語教育を主とする学科・国際関係に関する学科 | 37.9% | 47.6% | 85.5% | 79.9% |
| その他の専門学科及び総合学科 | 13.3% | 38.6% | 51.9% | 49.3% |
言語活動の中身も、5領域の時間配分として数値化されています。全科目合計の平均は、言語活動全体を10としたとき、聞くこと1.91・読むこと2.77・話すこと[やり取り]1.69・話すこと[発表]1.36・書くこと2.28です。「話すこと」は2つ合わせて3.05で、ちょうど3割にあたります。
パフォーマンステストの実施回数も出ています。令和6年度の平均は「話すこと」が年3.2回、「書くこと」が年2.2回。科目別では英語コミュニケーションがスピーキング3.5回・ライティング1.8回、論理・表現がスピーキング2.6回・ライティング2.8回です。
ALT等が参画する授業時数の割合も、高校生の英語環境を測る数字のひとつです。令和6年度は、授業の75〜100%にALT等が参画している学校が4.3%、50〜74%が9.2%、25〜49%が31.8%、1〜24%が52.9%、0%が1.8%でした。令和5年度はそれぞれ2.9%・7.9%・29.0%・58.5%・1.8%です。
高校生の英検準2級以上の割合で、公表されていない数字
よく探されるのに、公式に数字が出ていないものを、公表されている範囲と合わせて並べます。
| 数字 | 公表の状況 |
|---|---|
| 私立高校の高校生の割合 | この調査は公立高等学校と中等教育学校の後期課程だけを対象としており、私立の数値が存在しない |
| 定時制・通信制の高校生の割合 | 調査様式に「対象外とします」と明記されている |
| 都道府県ごとの具体的な数値 | 文部科学省の公表PDFにグラフで載っている。都道府県ごとの数値は元のPDFで確かめる |
| 英検の級別の高校生の受験者数・合格率 | 今回の調査はCEFRレベル単位での集計で、級別の内訳が公表されていない |
| 「準2級プラス」を持つ高校生の割合 | 調査はCEFRレベル区分で集計されており、2025年度に新設された級の単位では集計されていない |
| 1年生・2年生の高校生の割合 | 集計の対象は第3学年に所属している生徒のみ |
「高校生の◯%が英検準2級を持っている」という書き方は、この調査の数字を使う限り正しくありません。51.6%は「準2級を持っている割合」ではなく、「準2級相当以上の力に届いていると数えられた割合」で、そのうち実際に級・スコアを取っているのは31.8%です。
高校生の英検準2級以上の割合を調べるとき、最後に確認しておくこと
この記事で並べた数字を、確認の順番に並べ直します。
- 令和6年度の公立高校3年生で、CEFR A2(英検準2級)相当以上は51.6%(59万6,344人中30万7,926人)
- その内訳は、実際に取得している生徒31.8%と、相当の力があると教師が判断した生徒19.8%
- CEFR B1(英検2級)相当以上は21.2%。うち14.6ポイントは実際に取得している生徒
- 学科別では普通科64.7%、英語教育を主とする学科95.3%、その他の専門学科・総合学科22.5%
- 外部試験を受けたことがある高校生は49.8%。半分は受けた経験そのものが無い
- 国の目標はA2相当以上6割・B1相当以上3割(第4期教育振興基本計画・令和9年度まで)
- 5割を超えた自治体は47中21。令和5年度の23から2つ減った
- 対象は公立の全日制のみ。私立・定時制・通信制は入っていない
この調査は平成25年度から続いており、令和2年度だけ新型コロナウイルスの影響で中止されています。次の年度の数値が出るのは例年6月前後です。最新の値を使いたいときは、文部科学省の「外国語教育」のページで公表年度を確認してください。
割合と経年の値は令和6年度「英語教育実施状況調査」の概要資料、実数(59万6,344人などの人数)は同調査の高等学校集計結果から採りました。級とレベルの対応は日本英語検定協会の案内によります。いずれも2026年9月11日に開いて確認しています。
この記事で使った、高校生の英語力に関する一次ソース
すべて2026年9月11日に開いて確認しました。リンクは張っていないため、アドレスをコピーして開いてください。
文部科学省|令和6年度「英語教育実施状況調査」の結果について:https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_00013.htm
文部科学省|令和6年度「英語教育実施状況調査」(概要)PDF:https://www.mext.go.jp/content/20250623-mxt-kyouiku01-000042425_1.pdf
文部科学省|令和6年度公立高等学校における英語教育実施状況調査(高等学校集計結果)PDF:https://www.mext.go.jp/content/20250623-mxt-kyouiku01-000042425_3.pdf
文部科学省|令和6年度 高等学校 都道府県別集計 PDF:https://www.mext.go.jp/content/20250623-mxt-kyouiku01-000042425_5.pdf
文部科学省|令和5年度「英語教育実施状況調査」の結果について:https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_00005.htm
公益財団法人 日本英語検定協会|英検の試験内容・各級のレベル:https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/
公益財団法人 日本英語検定協会|英検CSEスコアとは:https://www.eiken.or.jp/cse/

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