ALT(外国語指導助手)の人数を1つの数字で答えるなら、公立の小学校・中学校・高等学校をあわせて18,127人です(令和5年12月1日現在の純計)。うちJETプログラム経由は5,081人で28.0%。いちばん多い任用形態は労働者派遣契約の6,190人(34.1%)です。
この記事は、文部科学省「令和5年度 英語教育実施状況調査」(調査基準日は令和5年12月1日。公立小学校18,560校・中学校9,165校・高等学校3,256校が対象)と「令和6年度 英語教育実施状況調査」、総務省が令和7年7月31日に出した「令和7年度 語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)の概要」に載っている人数を並べ直したものです。数字はすべて2026年9月11日に文部科学省と総務省の公式サイトで確認しました。ALTの人数が学校種ごとに公表されているのは令和5年度調査までで、令和6年度調査は高等学校しか更新されていません。どちらの年度の数字かを、毎回はっきり書きます。
ALTの人数は、公立の小中高あわせて18,127人
まず学校種別の全体像です。文部科学省は「ALT等の参画人数」という名前で、この表を公表しています。
| 学校種 | ALT参画人数(令和5年度) | うちJETプログラム | JETの割合 | 令和4年度の人数 | 増減 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 11,851人 | 2,616人 | 22.1% | 12,417人 | -566人 |
| 中学校 | 8,040人 | 2,730人 | 34.0% | 8,344人 | -304人 |
| 高等学校 | 2,851人 | 1,795人 | 63.0% | 2,938人 | -87人 |
| 純計 | 18,127人 | 5,081人 | 28.0% | 19,251人 | -1,124人 |
小・中・高を足すと22,742人になりますが、純計は18,127人です。差の4,615人は、学校種をまたいで兼務している人です。文部科学省の注記は「『小学校』『中学校』『高等学校』の欄は、それぞれ他の学校種を兼務している場合を含む人数。」「『純計』欄は、小・中・高等学校の学校種間で兼務している場合に、重複を除いた。」です。
ALTの人数を引用するとき、この2つのどちらを使うかで4,600人ずれます。「日本のALTは何人か」に答えるなら、重複を除いた純計18,127人のほうです。
この調査の対象は公立の小学校・中学校・高等学校だけです。私立学校、国立大学附属学校、特別支援学校、幼稚園・保育園は入っていません。また「その他」の欄について文部科学省は「留学生や英語が堪能な地域人材(日本人を含む。)等の人数。」と注記しており、外国人だけを数えた数字ではありません。
ALTの任用形態は、労働者派遣契約が34.1%で最も多い
ALTは自治体が雇う人もいれば、派遣会社から来る人もいます。文部科学省はこれを4つに分けて公表しています。
| 学校種 | JETプログラム | 直接任用 | 労働者派遣契約 | その他 | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 2,616人(22.1%) | 2,735人(23.1%) | 4,048人(34.2%) | 2,452人(20.7%) | 11,851人 |
| 中学校 | 2,730人(34.0%) | 1,541人(19.2%) | 3,012人(37.5%) | 757人(9.4%) | 8,040人 |
| 高等学校 | 1,795人(63.0%) | 402人(14.1%) | 503人(17.6%) | 151人(5.3%) | 2,851人 |
| 純計 | 5,081人(28.0%) | 3,619人(20.0%) | 6,190人(34.1%) | 3,237人(17.9%) | 18,127人 |
純計でいちばん多いのは労働者派遣契約の6,190人(34.1%)で、JETプログラムの5,081人(28.0%)を1,109人上回っています。ALTといえばJETプログラム、という印象があるかもしれませんが、公表されている数字では最大勢力ではありません。
学校種でかなり形が違います。高等学校はJETが63.0%で圧倒的、派遣は17.6%しかありません。逆に小学校はJETが22.1%まで下がり、派遣が34.2%、「その他」も20.7%あります。小学校では5人に1人が、留学生や英語が堪能な地域の人(日本人を含む)です。
ALTの構成は、1年でJETと派遣が増え「その他」が減った
令和4年度と令和5年度の純計を並べます。文部科学省は「『JETプログラム』『派遣契約』等の割合が増加し、『その他』の割合が減少している。」と書いています。
| 任用形態 | 令和4年度 | 令和5年度 | 人数の増減 | 割合の増減 |
|---|---|---|---|---|
| JETプログラム | 4,913人(25.5%) | 5,081人(28.0%) | +168人 | +2.5ポイント |
| 直接任用 | 3,811人(19.8%) | 3,619人(20.0%) | -192人 | +0.2ポイント |
| 労働者派遣契約 | 5,926人(30.8%) | 6,190人(34.1%) | +264人 | +3.3ポイント |
| その他 | 4,601人(23.9%) | 3,237人(17.9%) | -1,364人 | -6.0ポイント |
| 合計 | 19,251人(100.0%) | 18,127人(100.0%) | -1,124人 | ― |
人数の増減は編集部の計算です。全体が1,124人減ったのに、JETは168人、派遣は264人増えています。減った分はほぼ全部「その他」の1,364人です。
直接任用だけは、割合が0.2ポイント上がっているのに人数は192人減っています。全体の母数が縮んだためです。割合と実数のどちらを見るかで、印象が逆になる典型的な行です。
ALTを学校数で割ると、小学校は1校あたり0.64人
この調査は対象校数も公表しています。人数を校数で割ると、配置の密度が見えます。
| 学校種 | 調査対象の学校数 | ALT参画人数 | 1校あたり(編集部の計算) |
|---|---|---|---|
| 小学校 | 18,560校 | 11,851人 | 0.64人 |
| 中学校 | 9,165校 | 8,040人 | 0.88人 |
| 高等学校 | 3,256校(3,986学科) | 2,851人 | 0.88人 |
どの学校種も1校あたり1人に届きません。小学校は0.64人で、3校に2人の計算です。ただしこれは単純な割り算で、実際のALTは複数校を回っています。1人のALTが週ごとに違う学校へ行く形が普通なので、「1校に0.64人が常駐している」という意味ではありません。
高等学校は学科単位でも集計されていて、3,256校に3,986学科があります。学科で割ると0.72人です。校数で割るか学科数で割るかでも、0.88人と0.72人に分かれます。
ALTのJET比率は、都道府県・市によって0%から98.8%まで開く
同じ調査は、47都道府県と20政令指定都市の計67区分で、ALT参画人数とJET人数を出しています。純計のJET比率が高いほうから並べます。
| 自治体 | ALT参画人数(純計) | うちJET | JETの割合 |
|---|---|---|---|
| 神戸市 | 209人 | 204人 | 97.6% |
| 長崎県 | 214人 | 188人 | 87.9% |
| 熊本市 | 66人 | 56人 | 84.8% |
| 秋田県 | 186人 | 145人 | 78.0% |
| 高知県 | 169人 | 127人 | 75.1% |
| 京都市 | 83人 | 62人 | 74.7% |
| 青森県 | 206人 | 153人 | 74.3% |
| 徳島県 | 138人 | 100人 | 72.5% |
逆側はこうです。JETプログラム経由のALTが1人もいない自治体が、67区分のうち9つあります。
| 自治体 | ALT参画人数(純計) | うちJET |
|---|---|---|
| 横浜市 | 543人 | 0人 |
| 名古屋市 | 338人 | 0人 |
| 福岡市 | 251人 | 0人 |
| 大阪市 | 178人 | 0人 |
| 川崎市 | 172人 | 0人 |
| 千葉市 | 96人 | 0人 |
| 相模原市 | 71人 | 0人 |
| 広島市 | 58人 | 0人 |
| 堺市 | 30人 | 0人 |
9つとも政令指定都市です。横浜市は543人のALTを配置しながら、JET経由は1人もいません。都道府県で最も低いのは神奈川県の0.6%(352人中2人)、次いで愛知県1.6%(617人中10人)、埼玉県6.5%(755人中49人)でした。
人数そのものが多いのは東京都1,831人、埼玉県755人、千葉県738人、大阪府732人、愛知県617人の順です。東京都は1,831人のうちJETが279人で15.2%。人数は全国最多でも、JETの比率は低いほうに入ります。
ALTが授業に入っている時数の割合(高等学校)
人数の次は、実際に授業へ入っている量です。令和6年度調査は高等学校について、英語の総授業時数のうちALT等が参画した時数の割合を、令和5年度と並べて公表しています。
| ALT等が参画する時数割合 | 令和5年度 | 令和6年度 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 75〜100% | 2.9% | 4.3% | +1.4ポイント |
| 50〜74% | 7.9% | 9.2% | +1.3ポイント |
| 25〜49% | 29.0% | 31.8% | +2.8ポイント |
| 1〜24% | 58.5% | 52.9% | -5.6ポイント |
| 0% | 1.8% | 1.8% | 0ポイント |
増減は編集部の計算です。文部科学省は「ALT等が授業の半分以上参画している学校の割合は増加している」と書いています。半分以上(50%〜100%)は令和5年度の10.8%から令和6年度の13.5%へ、2.7ポイント増えました。
ただし最も多い層は変わりません。令和6年度でも52.9%の学科が「1〜24%」で、英語の授業の4分の3以上はALTなしで進んでいます。0%、つまりALTが一度も入らない学科も1.8%あり、前年度から動いていません。
ALTが授業の中でやっている仕事の内訳
ALTが何をしているかも、項目別に公表されています。令和6年度調査の高等学校(全学科に占める割合)です。
| 具体的な参画の内容 | ALT等が参画した学科の割合 |
|---|---|
| 教師とのやり取りを生徒に示すやり取り・発表のモデル提示 | 96.1% |
| 生徒のやり取りの相手 | 96.0% |
| 発音のモデル・発音指導 | 94.6% |
| 生徒の発言や作文等に対するコメント・フィードバック | 94.1% |
| パフォーマンステスト等の補助 | 85.7% |
| 英語の授業以外の授業や学校行事での生徒との交流 | 74.8% |
| 授業外での教育活動のうち、定期的に実施する活動 | 70.3% |
| 授業外での教育活動のうち、不定期に実施する活動 | 54.1% |
上位4項目はどれも94%を超えていて、ほぼ全部の学科でやっています。文部科学省は定期的な活動の例として「部活動、個別の英会話練習、異文化理解のための学習」、不定期の例として「ディベート大会、スピーチ大会等に向けた指導」を挙げています。
令和5年度調査では、同じ質問を小学校・中学校・高等学校の3つで出しています。「一定の目的を持った授業外での教育活動」は小学校33.3%・中学校67.1%・高等学校76.0%で、学校種が上がるほど授業外の仕事が増えます。「パフォーマンステスト等の補助」も小学校75.1%・中学校96.5%・高等学校86.5%と、小学校だけ20ポイント以上低くなっています。
ALTを送り出すJETプログラムは、令和7年度で5,418人
ここからはJETプログラム側の数字です。総務省が令和7年7月31日に公表した概要には、職種別の人数が載っています。
| 職種 | 令和7年度の参加人数 | うち新規参加者 |
|---|---|---|
| ALT(外国語指導助手) | 5,418人 | 1,321人 |
| CIR(国際交流員) | 503人 | 177人 |
| SEA(スポーツ国際交流員) | 12人 | 3人 |
| 合計 | 5,933人 | 1,501人 |
JETプログラムの参加者5,933人のうち、ALTが5,418人で91.3%を占めます(編集部の計算)。総務省のALTの説明は「小学校・中学校や高等学校等で外国語活動や外国語の授業等の補助・協力に従事」です。
この5,418人と、文部科学省の5,081人は一致しません。年度が違う(令和7年度と令和5年度)ことに加えて、JET側は公立学校以外に配置された人も含むためです。同じ「JETのALT」でも、数える主体が違えば数字はずれます。
ALTを受け入れている団体と、出身国の数
JETプログラムは、受入団体の内訳も公表しています。
| 項目 | 令和7年度の公表値 |
|---|---|
| 受入団体数(合計) | 984団体 |
| うち都道府県 | 46 |
| うち市町村等 | 781 |
| うち学校法人(私学)等 | 157 |
| 参加者の出身国 | 54か国 |
| これまでの累計の出身国 | 82か国 |
| 令和7年度までの参加者累計 | 80,679人 |
総務省の注記は「市町村等には特別区及び一部事務組合が、学校法人(私学)等には公益財団法人が含まれています。」です。都道府県は46で、47ではありません。
54か国の地域別内訳は、北米2か国、欧州21か国、大洋州3か国、アジア13か国、中南米11か国、アフリカ4か国です。欧州が21か国で最多で、アジアの13か国、中南米の11か国が続きます。JETプログラムは昭和62年度(1987年度)に始まり、総務省はこれを「世界最大規模の人的交流事業」と書いています。
ALTの人数で、公表されていない数字
よく探されるのに、公式に数字が出ていないものを、公表されている範囲と合わせて並べます。
| 数字 | 公表の状況 |
|---|---|
| 令和6年度のALT参画人数(小学校・中学校) | 令和6年度調査は高等学校しか更新されていない。文部科学省の資料にも「小学校及び中学校は、令和5年度」と注記がある |
| 私立学校・国立学校のALT人数 | 英語教育実施状況調査の対象は公立の小・中・高等学校のみ |
| ALTの国籍別の人数 | 文部科学省の調査は任用形態別までで、国籍を集計していない。JET側は出身国の「数」は公表しているが、人数の国別内訳は今回の概要資料に載っていない |
| ALTの給与・報酬 | 今回確認した2つの公表資料のどちらにも金額の記載がない |
| ALT1人あたりの担当校数 | 兼務があることは注記されているが、平均何校を回っているかは公表されていない |
| 小学校・中学校のALT参画時数割合の令和6年度値 | 同上。高等学校のみ令和6年度の値が公表されている |
| ALTのうち「その他」の内訳 | 「留学生や英語が堪能な地域人材(日本人を含む。)等」とだけ書かれ、日本人が何人かは公表されていない |
| 特別支援学校・幼稚園のALT配置数 | 調査対象に含まれていない |
「日本のALTは外国人が◯人」という数え方は、今回確認した公表資料ではできませんでした。公表されているのは任用形態別の人数までで、国籍別ではないからです。
ALTの配置数を調べるとき、最後に確認しておくこと
この記事で並べた数字を、確認の順番に並べ直します。
- 公立小中高のALTは純計18,127人(令和5年12月1日現在)。学校種を足した22,742人とは別物
- 内訳は小学校11,851人・中学校8,040人・高等学校2,851人(兼務を含む)
- 任用形態は労働者派遣契約6,190人(34.1%)が最多、JETプログラム5,081人(28.0%)が2番目
- 高等学校だけはJETが63.0%で突出している
- 1年で全体は1,124人減ったが、JETは168人・派遣は264人増えた
- 1校あたりは小学校0.64人・中学校0.88人・高等学校0.88人(編集部の計算)
- JET比率は神戸市97.6%から、JET経由0人の政令市9つまで開く
- 高等学校でALTが授業の半分以上に入っている学科は13.5%(令和6年度)
- JETプログラムのALTは令和7年度で5,418人、参加者全体は5,933人・54か国
- 受入団体は984団体(46都道府県・781市町村等・157学校法人等)
ALTの人数を引用するときは、「純計か学校種別の合計か」「令和5年度か令和6年度か」「文部科学省の集計かJETプログラムの集計か」の3点をそろえてから比べてください。この3つのうち1つでもずれると、18,127人・22,742人・5,418人のように、まったく違う数字が並びます。
18,127人・任用形態別の人数・都道府県別のJET比率・調査学校数は文部科学省「令和5年度 英語教育実施状況調査」の概要とALT参画人数の資料から、高等学校の参画時数割合と参画内容の8項目は「令和6年度 英語教育実施状況調査」概要から、5,418人・984団体・54か国・80,679人は総務省「令和7年度 語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)の概要」別紙1から採りました。いずれも2026年9月11日に各公式サイトで開いて確認しています。
この記事で使ったALTの一次ソース
すべて2026年9月11日に開いて確認しました。リンクは張っていないため、アドレスをコピーして開いてください。
文部科学省|令和5年度「英語教育実施状況調査」の結果について:https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_00005.htm
文部科学省|令和5年度「英語教育実施状況調査」概要(PDF):https://www.mext.go.jp/content/20240527-mxt_kyoiku01-000035833_1.pdf
文部科学省|令和5年度 ALT参画人数(小中高)及び小学校の集計結果(PDF):https://www.mext.go.jp/content/20240509-mxt_kyoiku01-000035833_5.pdf
文部科学省|令和6年度「英語教育実施状況調査」の結果について:https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_00013.htm
文部科学省|令和6年度「英語教育実施状況調査」概要(PDF):https://www.mext.go.jp/content/20250623-mxt-kyouiku01-000042425_1.pdf
総務省|令和7年度 語学指導等を行う外国青年招致事業(JETプログラム)の概要:https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01gyosei05_02000239.html
総務省|令和7年度 JETプログラムの概要 別紙1(PDF):https://www.soumu.go.jp/main_content/001022868.pdf

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