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英会話教室は全国に何教室ある?公表されている数字

英会話教室が全国にいくつあるのかを国の統計で調べると、令和3年経済センサス‐活動調査では「外国語会話教授業」の事業所数は4,424事業所とされている(必要な事項の数値が得られた事業所を対象とした集計)。受講生数は893,914人、売上高は1,685億円(168,500百万円)である。

この記事は、総務省・経済産業省が公表している令和3年経済センサス‐活動調査の結果の概要と、矢野経済研究所のプレスリリース、そして大手各社が自社サイトに書いている校数を並べ直したものである。数字は2026年9月16日に各公表資料と各社サイトで確認した。どこがよいという評価はせず、公表されている数字だけを置く。

目次

英会話教室は全国に何教室あるのかを国の統計で見る

国の統計で英会話教室にあたる産業分類は「82K 外国語会話教授業」である。令和3年経済センサス‐活動調査の結果の概要にある表では、この分類の数字が次のように整理されている。

項目 数字 時点
事業所数 4,424事業所 2021年(令和3年)
売上高 168,500百万円 2020年
1事業所当たり売上高 3,809万円 2020年
受講生1人当たり売上高 188,497円 2020年
受講生数(会員数) 893,914人 2020年12月31日現在
1事業所当たり受講生数 202人 2020年12月31日現在

この4,424という数字には注記が付いている。公表資料には「事業所数、売上高、1事業所当たり売上高、受講生1人当たり売上高、受講生数(会員数)及び1事業所当たり受講生数は必要な事項の数値が得られた事業所を対象として集計した」と書かれている。つまり回答が揃った事業所に限った集計であり、日本に存在する英会話教室の全数そのものではない。

英会話教室が属する「教養・技能教授業」全体の事業所数

親分類のほうも見ておくと、規模感がつかみやすい。同じ公表資料の付表では、産業小分類別の事業所数・従業者数・売上高が並んでいる。

産業小分類 事業所数 従業者数 売上高
823 学習塾 45,546 314,634人 1,032,906百万円
824 教養・技能教授業 64,518 211,203人 1,128,729百万円

教養・技能教授業の全体は64,518事業所で、英会話教室はこの中の1つの細分類にあたる。ピアノ教室も書道教室もスポーツ教室も同じ親分類に入っているため、64,518をそのまま英会話教室の数と読むことはできない。

英会話教室と他の習い事を事業所数で並べる

同じ表に並んでいる他の分類と比べると、英会話教室の位置が見えてくる。事業所数で見ると、英会話教室はスポーツ・健康教授業やその他の教養・技能教授業より少ない。

産業小分類 事業所数 受講生数(会員数) 1事業所当たり受講生数
823 学習塾 18,850 1,778,072人 94人
82F 音楽教授業 2,186 622,394人 285人
82G 書道教授業 181 84,703人 468人
82H 生花・茶道教授業 69 37,458人 543人
82J そろばん教授業 605 42,565人 70人
82K 外国語会話教授業 4,424 893,914人 202人
82L スポーツ・健康教授業 5,043 2,594,993人 515人
82M その他の教養・技能教授業 5,794 3,120,952人 539人

この表の事業所数は、先ほどと同じく「必要な事項の数値が得られた事業所」に限った集計である。付表の学習塾45,546事業所と、この表の学習塾18,850事業所が食い違うのはそのためだ。同じ調査の同じ資料の中でも、集計対象の取り方で数字が変わる点は押さえておきたい。

英会話教室の受講生数として公表されている数字

受講生数(会員数)は893,914人で、2020年12月31日現在の数字とされている。1事業所当たりに直すと202人である。学習塾の94人、そろばん教授業の70人より多く、生花・茶道教授業の543人よりは少ない。

ここでの「受講生数」は在籍している会員の人数であり、その年に何人がレッスンを受けたかという延べ人数ではない。1つの教室に平均200人前後が在籍しているという読み方になる。

時点が2つあることに注意

事業所数は2021年(令和3年)、売上高と受講生数は2020年の数字である。1事業所当たりの値は、この2つの時点の数字を組み合わせて算出されている。

英会話教室1教室あたりの売上高はいくらか

売上高は168,500百万円、つまり約1,685億円である。1事業所当たりに直すと3,809万円になる。受講生1人当たりでは188,497円で、これは学習塾の475,024円の半分以下にあたる。

公表資料の本文では「受講生1人当たり売上高をみると、学習塾が47万5千円と最も多く、次いで外国語会話教授業が18万8千円、その他の教養・技能教授業が14万8千円などとなっている」と整理されている。英会話教室は、習い事の中では1人当たりの単価が2番目に高い分類である。

産業小分類 受講生1人当たり売上高 1事業所当たり売上高
823 学習塾 475,024円 4,481万円
82K 外国語会話教授業 188,497円 3,809万円
82M その他の教養・技能教授業 147,667円 7,954万円
82F 音楽教授業 102,459円 2,917万円
82L スポーツ・健康教授業 100,608円 5,177万円
82J そろばん教授業 80,277円 565万円

英会話教室の大手が公表している校数

統計の分類とは別に、各社が自社サイトで書いている校数も並べておく。2026年9月16日に確認した範囲では、NOVAが全国296校、シェーン英会話が全国167校、ECCが国内140校以上と書いていた。

スクール サイトに書かれていた校数 確認日
NOVA 北海道から沖縄まで全国296校 2026年9月16日
シェーン英会話 全国167校(うち首都圏151校) 2026年9月16日
ECC 国内140校以上(1962年創業) 2026年9月16日
ワンコイングリッシュ 東京都内9校・横浜1校・大宮1校・オンライン1校の計13校 2026年9月16日
イーオン 校数の記載なし(創立1973年5月・従業員約2,000名/2024年7月現在) 2026年9月16日
Gaba 校数の記載なし(教室一覧の掲載のみ) 2026年9月16日

大手3社の校数を足しても600校前後にしかならない。経済センサスの4,424事業所の大半は、チェーンではない個人経営や小規模の教室ということになる。「英会話教室=大手チェーン」というイメージと、統計上の実態はかなり違う。

英会話教室の分布は地域にどれくらい偏っているか

全国の分布を自社サイトで細かく出していたのはシェーン英会話だった。全国167校のうち151校が首都圏に集中している。

地域 校数
東京都23区 58校
東京都23区外 17校
神奈川県 31校
埼玉県 24校
千葉県 19校
茨城県 2校
愛知県・静岡県 5校
大阪府・京都府・兵庫県 6校
福岡県 5校

東京都だけで75校、全体の約45%を占める。一方で関西3府県は合わせて6校で、東京23区の1割程度にとどまる。これは1社の分布であって業界全体の分布ではないが、通学型の教室が人口密集地に寄る構造は読み取れる。

英会話教室の月謝として公表されている数字

通学型の月謝も各社サイトの表記をそのまま並べる。税込か税別かの表記は会社によって異なるので、原文どおりに写した。

スクール サイトに書かれていた料金
NOVA グループレッスン 月額10,000円〜(税込11,000円〜)/マンツーマン 月額22,000円〜(税込24,200円〜)/LIVE STATION 月額12,000円〜(税込13,200円〜)
イーオン Acquisitionレッスン 1ヶ月23,925円/Lightレッスン 1ヶ月13,200円/プライベートレッスン 1回あたり12,100円
Gaba 月謝プラン 月額(税別)27,200円〜(月4回・学生割20%適用時)/一括プラン 203,280円〜(30回コース・学生割20%適用時)/お試しコース 20,000円(税込22,000円)
ワンコイングリッシュ 月会費3,300円/月+グループレッスン1回550円/プライベートレッスン1回3,960円〜

同じ「英会話教室」でも、グループ中心か、マンツーマン中心か、回数制かで価格帯がまったく違う。月額1万円台と月額2万円台後半が同じ表に並ぶのは、提供している形が別物だからである。

イーオンは試験対策のコース料金も公表しており、TOEIC L&Rテスト対策コースが3カ月コース47,190円・6カ月コース87,120円、英検対策コースが準2級・2級で月謝13,200円、準1級で月謝16,500円と書かれていた。目的別コースは通常の会話コースと料金体系が分かれている場合がある。

英会話教室を含む語学ビジネス市場の規模

教室の数だけでなく、市場全体の金額も置いておく。矢野経済研究所が2025年9月30日に発表した調査では、2024年度の語学ビジネス市場(主要13分野合計)は前年度比0.2%増の7,906億円と推計されている。2025年度は7,901億円(前年度比99.9%)とほぼ横ばいの予測である。調査期間は2025年4月〜7月とされている。

この13分野は、語学スクール/オンラインの4分野(成人向け外国語教室・幼児・子供英会話教室・プリスクール・オンライン語学学習)、学習教材の5分野(書籍教材・独習用教材・電子辞書・幼児向け教材・通信教育)、関連ビジネスの4分野(語学試験・留学斡旋・講師派遣・通訳/翻訳)で構成される。

同リリースでは、2024年度に成人向け外国語教室市場とプリスクール市場がプラス成長を達成した一方、幼児・子供英会話教室はマイナスだったと整理されている。大人向けと子ども向けで方向が逆に出ているのがこの年度の特徴である。

英会話教室の数字を読むときに混同しやすい3点

ここまでの数字には、読み違えやすい箇所が3つある。第一に、統計の「事業所」と各社が言う「校」は同じ単位ではない。本部機能だけの事業所も統計には含まれうる一方、企業内研修のみを行う拠点は校数に数えられないことがある。

第二に、統計の分類は「外国語会話」であって「英会話」ではない。中国語教室も韓国語教室も同じ82Kに入る。4,424事業所のすべてが英語の教室というわけではない。

第三に、経済センサスは5年ごとの調査である。ここで使った令和3年調査の次は令和8年経済センサス‐活動調査にあたる。つまり4,424という数字は2021年時点のもので、現在の数ではない。

混同しやすい点 正しい読み方
事業所数=教室数 統計の事業所は企業の拠点単位。校数とは一致しない
外国語会話=英会話 英語以外の語学教室も同じ分類に入る
最新の数字 経済センサスは5年ごと。令和3年調査が直近の該当データ
付表と本表の事業所数 集計対象の取り方が違うため一致しない

英会話教室が全国に何教室あるかで最後に確認しておくこと

結論として、公表されている数字で答えるなら「令和3年経済センサス‐活動調査で外国語会話教授業は4,424事業所」となる。受講生数は893,914人、売上高は約1,685億円である。ただしこれは回答が揃った事業所に限った集計で、英語以外の語学教室も含む。

各社が自社で公表している校数を足しても、NOVA 296校・シェーン英会話 167校・ECC 140校以上で600校前後にしかならない。統計上の事業所数との差は、チェーンに属さない教室の存在を示している。

教室を探すときに実際に意味を持つのは全国の総数ではなく、自分の通える範囲に何校あるかである。シェーン英会話の内訳が示すように、分布は地域でかなり偏っている。全国◯校という数字と、自宅や職場から通える校数は別の話として扱ったほうがよい。

この記事の数字は、経済センサスの分は公表資料の表記どおり、各社の分は2026年9月16日時点で各社サイトに表示されていたものである。校数も料金も更新されるため、通う前には各社の最新の表示を自分で確認するのが確実だ。

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