世界の英語話者は、いま無料で公表されている中でいちばん新しい集計だと14億9,300万人です。Ethnologue の2026年の一覧で、英語は総話者数14億9,300万人の1位。ところが British Council は同じ「英語を話す人」を23億人と書いており、その差は8億700万人あります。
この記事は、Ethnologue(SIL Global)が公表している言語別話者数、British Council が公表している英語の規模、米国センサス局のアメリカン・コミュニティ調査(ACS)2024年1年推計の表S1601、英国国家統計局(ONS)の2021年国勢調査、カナダ統計局の2021年国勢調査、オーストラリア統計局(ABS)の2021年国勢調査、インド国勢調査2011年の表C-17、欧州委員会の Special Eurobarometer 540、EF EPI 2025年版、国連の世界人口を並べ直したものです。数字は2026年9月17日に各公表元で確認しました。割合・差・引き算は編集部の概算で、そのつど断りを入れています。版年(何年の集計か)は数字ごとに必ず併記しました。
世界の英語話者は14億9,300万人(Ethnologue 2026年の一覧)
Ethnologue は世界の言語を調べている研究機関で、毎年「Ethnologue 200」という上位200言語の一覧を出しています。そのページに載っている2026年の図表では、英語の総話者数は14億9,300万人で1位でした。
| 順位 | 言語 | 総話者数(2026年の一覧) |
|---|---|---|
| 1 | 英語 | 1,493,000,000人 |
| 2 | 官話中国語(Mandarin Chinese) | 1,183,000,000人 |
| 3 | ヒンディー語 | 611,000,000人 |
| 4 | スペイン語 | 561,000,000人 |
| 5 | 標準アラビア語 | 335,000,000人 |
| 6 | フランス語 | 334,000,000人 |
| 7 | ベンガル語 | 274,000,000人 |
| 8 | ポルトガル語 | 269,000,000人 |
| 9 | インドネシア語 | 255,000,000人 |
| 10 | ウルドゥー語 | 246,000,000人 |
この「総話者数」は、母語として使う人と、第二・第三言語として使う人を足した数です。Ethnologue はこの一覧について、個別言語で並べていてマクロ言語(複数の言語をまとめた括り)では並べていない、と注記しています。中国語が「官話中国語」、アラビア語が「標準アラビア語」になっているのはそのためです。
Ethnologue はまた、この上位200言語で世界人口の88%超が母語をカバーされると書いています。英語話者の話をするとき、まずこの14億9,300万人という数字が出発点になります。
英語話者の数は、出典を変えると8億人以上ずれる
ここがこの記事のいちばん大事なところです。英語話者の数は、どこが数えたかで大きく変わります。同じ2026年9月17日に確認した3つの数字を並べます。
| 公表元 | 版年・表示 | 英語話者の数 | 何を数えているか |
|---|---|---|---|
| Ethnologue | 2026年の一覧 | 1,493,000,000人 | 母語話者+第二言語以降の話者の合計 |
| Ethnologue | 2025年の図表 | 1,528,000,000人 | 同上(1年前の推計) |
| British Council | 版年の表示なし(2026年9月17日に確認) | 2,300,000,000人 | 「世界のほぼ3分の1が英語を話す」と記載 |
British Council の23億人と Ethnologue 2026年の14億9,300万人の差は、8億700万人です(編集部の引き算)。これは日本の人口の6倍以上に当たる幅で、「英語話者は何人か」という問いに1つの正解が無いことを示しています。
Ethnologue 自身の数字も、2025年の図表(15億2,800万人)と2026年の一覧(14億9,300万人)で3,500万人減っています(編集部の引き算)。推計の方法や元になる国勢調査が更新されると、この規模で動きます。英語話者の数を引用するときは、必ず「どの年の、どの出典か」まで書くのが安全です。
英語話者の内訳は、母語話者(L1)と第二言語話者(L2)に分けて読む
英語話者は、生まれ育ちで英語を身につけた母語話者(L1)と、あとから学んで使っている第二言語話者(L2)に分かれます。Ethnologue は2025年の図表で、この2つを別々に公表していました。
| 区分 | 人数(Ethnologue 2025年の図表) | 全体に占める割合(編集部の概算) |
|---|---|---|
| 母語話者(L1) | 390,000,000人 | 約25.5% |
| 第二言語以降の話者(L2) | 1,138,000,000人(編集部の引き算) | 約74.5% |
| 合計 | 1,528,000,000人 | 100% |
L2の1,138,000,000人は、Ethnologue が公表している合計15億2,800万人から母語話者3億9,000万人を引いた編集部の計算です。L1とL2の比はおよそ1対2.9で、英語話者の4人に3人は母語話者ではありません。
なお Ethnologue の2026年の一覧では、無料で見られるのは合計の14億9,300万人だけで、L1とL2の内訳は有料の商品になっています。2026年版でL1・L2の内訳を無料で確認することはできませんでした。そのため、この記事では内訳は2025年の数字で示しています。
英語話者を言語ランキングに置くと、母語話者では3位・総数では1位
母語話者だけで数えると、英語は1位ではありません。Ethnologue の2025年の図表では、母語話者と総話者で順番が入れ替わります。
| 言語 | 母語話者(2025年) | 総話者(2025年) | 差=L2の規模(編集部の引き算) |
|---|---|---|---|
| 官話中国語 | 990,000,000人 | 1,184,000,000人 | 194,000,000人 |
| スペイン語 | 484,000,000人 | 558,000,000人 | 74,000,000人 |
| 英語 | 390,000,000人 | 1,528,000,000人 | 1,138,000,000人 |
| ヒンディー語 | 345,000,000人 | 609,000,000人 | 264,000,000人 |
母語話者では官話中国語・スペイン語に次ぐ3位、総話者では1位。この入れ替わりの正体が、11億人規模のL2です。
Ethnologue は、この広がり方の違いも数で示しています。英語が使われている国は188か国、官話中国語は108か国。官話中国語は人数が特定の国に集中し、英語は国の数で広がっている、という形の違いです。
英語話者の母語(L1)側は、各国の国勢調査で確かめられる
L1に近い数字は、英語圏の国が自分で数えて公表しています。ただし各国が聞いている質問はそろっていません。実際に公表元で確認できたものを並べます。
| 国・地域 | 調査と年 | 質問の中身 | 人数・割合 |
|---|---|---|---|
| 米国 | ACS 2024年1年推計(表S1601) | 家庭で英語だけを話す(5歳以上) | 247,695,110人(77.0%) |
| イングランド・ウェールズ | 2021年国勢調査(ONS) | 主な言語が英語(ウェールズではウェールズ語を含む/3歳以上) | 約52,600,000人(91.1%) |
| カナダ | 2021年国勢調査(カナダ統計局) | 母語が英語 | 人口の54.9% |
| オーストラリア | 2021年国勢調査(ABS) | 家庭で英語だけを使う | 18,303,662人(72.0%) |
| インド | 2011年国勢調査(表C-17) | 英語が母語 | 259,678人 |
米国の247,695,110人は「英語が母語の人数」ではなく「家庭で英語だけを話す人数」です。家庭ではスペイン語を話すが英語も母語同然、という人はここに入りません。
オーストラリアは2016年の17,020,416人(72.7%)から2021年に18,303,662人(72.0%)へ、人数は増えて割合は下がりました。人数と割合が逆方向に動くのは、移民で分母が増えたときに起きる動きです。
英語話者の第二言語(L2)側で最大はインドの1億2,853万人
L2の話者が世界でいちばん多い国はインドです。インド国勢調査2011年の表C-17(Population by bilingualism and trilingualism)の全国集計ファイルを取得して、英語を副言語として申告した人を足し上げました。
| 区分 | 人数(2011年国勢調査) | 中身 |
|---|---|---|
| 英語が母語 | 259,678人 | いちばん最初に覚えた言語が英語 |
| 英語が第1副言語 | 82,717,239人 | 母語のほかに1つ目として話す言語が英語 |
| 英語が第2副言語 | 45,562,173人 | 母語と第1副言語のほかに話す言語が英語 |
| 合計 | 128,539,090人 | 編集部の足し算 |
同じ表に載っている2011年のインドの総人口は1,210,854,977人でした。英語を何らかの形で話すと申告した人は約10.6%(編集部の割り算)で、そのうち99.8%は母語話者ではありません。
この1億2,853万人は2011年の数字で、2026年9月17日の時点で公表されている最新の国勢調査の値です。インドは2021年の国勢調査が実施されていないため、15年前の数字が最新という状態が続いています。
「第二言語として英語を話す人が多い国トップ10」を公的な数字だけで並べることは、2026年9月17日の時点ではできませんでした。英語を第二言語として話せるかを国勢調査で聞いている国が少ないからです。国ごとのL2推計は Ethnologue が持っていますが、有料の商品に入っています。この記事では、公表元で確認できたインド(国勢調査)とEU(Eurobarometer)だけを数字で出しています。
ヨーロッパの英語話者はEU域内で47%(Special Eurobarometer 540)
EUは加盟27か国で言語の調査をしています。2024年5月に公表された Special Eurobarometer 540「Europeans and their languages」は、外国語として何を話せるかを面接で聞いたものです。
| 項目 | 2024年の結果 | 2012年からの変化 |
|---|---|---|
| 外国語として英語で会話できる | 47% | +5ポイント |
| 同・15〜24歳 | 10人に7人 | +9ポイント |
| 外国語としてフランス語で会話できる | 11% | ― |
| 外国語としてドイツ語で会話できる | 10% | ― |
| 外国語としてスペイン語で会話できる | 7% | ― |
| 母語以外で1つでも会話できる | 59% | +3ポイント |
2位のフランス語が11%、英語は47%。EU域内では、外国語=英語がほぼ独走という形になっています。
同じ発表の中で欧州委員会は、Eurydice の2023年報告を引いて、前期中等教育に通う生徒の98.3%が英語を学んでいると書いています。いまEUで学校に通っている世代は、ほぼ全員が英語話者の候補になります。
英語話者の数え方は、国ごとに質問文が違う
同じ「英語を話せる人」を数えているようで、各国が用紙に印刷している質問はばらばらです。数字を比べる前に、何を聞かれたのかを見ておく必要があります。
| 調査 | 聞いていること | 数字に入らない人 |
|---|---|---|
| 米国ACS | 家庭で何語を話すか/英語をどのくらい上手に話すか | 家庭では別の言語だが職場では英語という人は「英語だけ」に入らない |
| 英国ONS | 主な言語は何か/英語をどのくらい話せるか | 主言語が別の言語の人は、英語が流暢でも「主言語が英語」に入らない |
| カナダ統計局 | 母語/家庭で使う言語/会話できる公用語 | 3種類の数え方があり、数字も別々に出る |
| オーストラリアABS | 家庭で英語以外を使うか | 家庭で2言語を使う人の扱いが「英語だけ」から外れる |
| インド国勢調査 | 母語/副言語を2つまで | 3つ目より後の言語は記録されない |
| Eurobarometer 540 | その言語で会話ができるか(自己申告) | 試験ではなく本人の申告なので、基準は人によって違う |
「家庭で英語だけ」「主な言語が英語」「会話ができる」は、まったく別の数字です。英語話者の総数がばらつく原因の大半はここにあります。
米国ACS 2024年の数字で見ると、この差の大きさが分かります。家庭で英語以外を話す74,050,833人のうち、英語を「very well」話すと答えた人が45,132,085人(60.9%)いました。この45,132,085人を足すと、英語だけ+very well は292,827,195人(5歳以上の91.0%)になります。「英語だけの247,695,110人」と「英語が通じる292,827,195人」では、4,500万人以上ちがいます。
イングランドとウェールズの英語話者は、話せる度合いまで公表されている
ONSの2021年国勢調査は、主な言語が英語以外だった人に、英語をどのくらい話せるかを4段階で聞いています。英語話者の「周辺部分」がどう分布しているかが分かる、めずらしいデータです。
| 区分 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 主な言語が英語(ウェールズではウェールズ語を含む) | 約52,600,000人 | 91.1%(3歳以上) |
| 主な言語が英語以外 | 約5,100,000人 | 8.9%(3歳以上) |
| うち英語をvery wellに話せる | 約2,300,000人 | 43.9%(英語以外が主言語の人の中で) |
| うち英語をwellに話せる | 約1,800,000人 | 35.8%(同上) |
| うち英語をあまり話せない | 約880,000人 | 17.1%(同上) |
| うち英語を話せない | 約161,000人 | 3.1%(同上) |
主言語が英語以外の510万人のうち、79.7%はvery wellかwellで話せています(編集部の足し算)。この人たちは「母語話者」には入りませんが、実生活では英語話者です。
カナダも似た形で、2021年国勢調査では英語か仏語で会話できる人が98.1%、英語が第一公用語の人が2,760万人(75.5%)でした。2016年の2,600万人(74.8%)から160万人増えています。
英語話者の「数」と英語力の「順位」はまったく別の指標
英語の話になると EF EPI がよく引き合いに出されますが、これは話者の人数を数えたものではありません。EF EPIの2025年版は、無料のオンライン英語テストを受けた成人の成績を国・地域別に平均して並べた指標です。
| 項目 | EF EPI 2025年版の内容 |
|---|---|
| 対象 | 成人220万人(2.2m adults) |
| 範囲 | 123の国と地域 |
| 1位 | オランダ(スコア624) |
| フィリピン | 28位(569) |
| ナイジェリア | 29位(568) |
| インド | 74位(484) |
| 中国 | 86位(464) |
| 日本 | 96位(446) |
EF EPIは「その国に英語話者が何人いるか」ではなく「受けた人の平均点が何点か」を出しています。インドは英語話者が1億2,853万人(2011年国勢調査)いながら74位、オランダは人口が2,000万人に届きませんが1位です。人数と平均点は別々に動きます。
受験者はEFのテストを自分から受けた人に限られるので、その国の人口を代表しているわけでもありません。EF EPIを引くときは、版年(ここでは2025年版)と「受験者の平均点である」という但し書きを必ず付ける必要があります。
英語話者が世界人口に占める割合を計算してみる
国連は、世界人口が80億人に達したのは2022年11月15日だったと公表しています。この80億人を分母に置いて、出典ごとの英語話者数を割ってみます。
| 出典・版年 | 英語話者数 | 80億人に対する割合(編集部の概算) |
|---|---|---|
| Ethnologue 2026年の一覧 | 1,493,000,000人 | 約18.7% |
| Ethnologue 2025年の図表 | 1,528,000,000人 | 約19.1% |
| British Council(版年表示なし) | 2,300,000,000人 | 約28.8% |
| うち母語話者(Ethnologue 2025年) | 390,000,000人 | 約4.9% |
「世界の5人に1人」と言うか「3人に1人」と言うかは、どの出典を採るかだけで決まります。British Council 自身も「世界のほぼ3分の1」と書いており、この記事の計算(約28.8%)とおおむね合います。
分母についても注意が必要です。80億人は2022年11月15日の到達点で、2026年の世界人口はこれより増えています。分子が2026年の推計、分母が2022年の実績という組み合わせなので、この割合はやや高めに出ます。厳密に言えば、年をそろえた分母で計算し直す必要があります。
British Council は同じページで、英語を公用語にしている国は67か国、インターネット上の内容の60%が英語だとも書いています。ただしこのページには版年の表示がありませんでした。
世界の英語話者の数字を使うときに最後に確認しておくこと
ここまでの数字を、そのまま引用できる形でまとめます。どれを使うにしても、出典名・版年・数えている中身の3つをセットで書くのが最低条件です。
| 知りたいこと | 使う数字 | 出典と版年 |
|---|---|---|
| 英語話者の総数 | 1,493,000,000人 | Ethnologue 2026年の一覧 |
| 母語話者(L1)の数 | 390,000,000人 | Ethnologue 2025年の図表 |
| 第二言語話者(L2)の数 | 1,138,000,000人(編集部の引き算) | Ethnologue 2025年の図表から算出 |
| いちばん大きい見積もり | 2,300,000,000人 | British Council(版年表示なし・2026年9月17日確認) |
| L2が世界最大の国 | インド128,539,090人 | インド国勢調査2011年・表C-17 |
| EU域内で英語を話せる割合 | 47% | Special Eurobarometer 540(2024年5月公表) |
| 英語が使われている国の数 | 188か国 | Ethnologue |
| 英語が公用語の国の数 | 67か国 | British Council(版年表示なし) |
1つの数字に丸めないことが、この話題でいちばん大事な作法です。「世界の英語話者は◯億人」と一言で書いた瞬間に、8億人の幅が消えてしまいます。
2026年9月17日の時点で、次の3つは公表元が数字を出していません。①Ethnologue 2026年の一覧のL1・L2内訳(有料の商品に入っている)②第二言語として英語を話す人が多い国のトップ10(各国の国勢調査でほとんど聞かれていない)③ナイジェリア・パキスタン・フィリピンなど大きなL2人口を持つ国の公的な英語話者数。
最後にもう一度、この記事の数字の取得日を書いておきます。Ethnologue・British Council・米国センサス局・英国ONS・カナダ統計局・オーストラリア統計局・インド国勢調査・欧州委員会・EF・国連の各公表元で、2026年9月17日に確認しました。公表元は随時更新されるため、引用する前にその時点の値を見直してください。

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