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英語圏の学生ビザの申請料と資金証明を国別に並べた

英語圏の学生ビザは、同じ「留学する」でも、政府に払う金額が国によって10倍以上ひらきます。今回7か国の政府サイトを当たったところ、いちばん安いのはマルタの居住許可50ユーロ(約8,944円)、いちばん高いのはオーストラリアの学生ビザ2,500豪ドル(約276,459円)で、その差は約31倍でした。

この記事は、アメリカ国務省・米国土安全保障省(ICE/SEVP)、カナダ移民・難民・市民権省(IRCC)、英国政府(GOV.UK)、オーストラリア内務省(Department of Home Affairs)、ニュージーランド移民局(Immigration New Zealand)、アイルランド入国管理局(Immigration Service Delivery)、マルタのIdentitàが公表している学生ビザの申請料・資金要件・英語要件・就労条件・審査期間を、国別に並べ直したものです。数字はすべて2026年9月17日に各政府の公式ページで確認しました。円換算は、欧州中央銀行(ECB)が2026年9月16日に公表したユーロ参照為替レート(1ユーロ=178.88円/1.1537米ドル/0.8574英ポンド/1.6082カナダドル/1.6176豪ドル/2.0021NZドル)から編集部が計算した概算です。金額は各国政府の公式ページの表示額をそのまま写しており、現地の税の扱いは公式表示に従うため、税込・税抜の区別は付けていません(政府手数料は各国の公式表示が最終の金額です)。生活費や学費の相場はこの記事では扱いません。ここで並べるのは「ビザの手続きそのものにかかるお金と条件」だけです。

目次

英語圏の学生ビザは7か国中6か国で申請料が数字で公表されている

最初に、7か国の入口をひとつの表にまとめます。「ビザ」と一口に言っても、国によって名前も、払う先も、払う回数も違います。

国 制度の名前 政府に払うもの(本人1人ぶん) 公表元
アメリカ F-1(学生)/M-1(職業)/J-1(交流訪問者) ビザ申請料185米ドル+SEVIS I-901手数料350米ドル(F・M) 米国務省・ICE
カナダ Study permit(就学許可) 申請料150カナダドル+生体認証85カナダドル IRCC
イギリス Student visa 申請料558ポンド+医療付加金(IHS)年776ポンド GOV.UK
オーストラリア Student visa(subclass 500) 申請料2,500豪ドル 内務省
ニュージーランド Fee Paying Student Visa 申請料850NZドルから NZ移民局
アイルランド 長期就学ビザ(Dビザ) 入国ビザ60ユーロ(1回入国)/100ユーロ(数次) Immigration Service Delivery
マルタ 就学目的の居住許可 居住許可50ユーロ Identità

7か国のうち、マルタだけは長期滞在ビザ(Dビザ)そのものの金額が公式ページに書かれていませんでした。IdentitàのCentral Visa Unitの料金ページは「2020年法定告示第287号(L.N.287 of 2020)の料金規則にしたがう」と書くだけで、金額の一覧は載っていません。この記事で拾えたマルタの数字は、居住許可の50ユーロだけです。

英語圏の学生ビザの申請料を、現地通貨と円の両方で並べる

次に、政府へ「必ず出ていくお金」だけを抜き出します。学費・生活費・航空券・保険は含みません。

国 内訳 現地通貨 円換算(概算・編集部の計算)
アメリカ 非移民ビザ申請料(MRV) 185米ドル 約28,684円
アメリカ SEVIS I-901手数料(F・M) 350米ドル 約54,267円
アメリカ SEVIS I-901手数料(J) 220米ドル 約34,111円
カナダ 就学許可の申請料 150カナダドル 約16,684円
カナダ 生体認証(1人) 85カナダドル 約9,455円
イギリス 学生ビザ申請料(英国外から) 558ポンド 約116,416円
イギリス 医療付加金(IHS・年額) 776ポンド 約161,897円
オーストラリア subclass 500 本人 2,500豪ドル 約276,459円
ニュージーランド Fee Paying Student Visa 850NZドル 約75,944円
アイルランド 入国ビザ(1回入国) 60ユーロ 約10,733円
アイルランド 入国ビザ(数次) 100ユーロ 約17,888円
マルタ 就学目的の居住許可 50ユーロ 約8,944円

合計で見ると、1年間の学生ビザにかかる政府への支払いは、アメリカが535米ドル(約82,951円)、カナダが235カナダドル(約26,139円)、イギリスが1,334ポンド(約278,313円)になります。イギリスは申請料そのものより、医療付加金のほうが高いという逆転が起きています。

アメリカだけ、払う先が2つある

アメリカのSEVIS I-901手数料は、ビザ申請料とは別枠です。ICEは公式ページで「この手数料はビザ料金や学校のSEVIS事務手数料とは別のものである」と明記しています。F・Mが350米ドル、Jが220米ドル、一部の政府交流事業のJは35米ドル、政府招へい者は0米ドルという4段階です。ビザ面接の前に払い終えていないと、面接そのものが進みません。

英語圏の学生ビザの資金証明は、国によって3倍以上の差がある

資金証明は「払うお金」ではなく「持っていることを見せるお金」です。この金額は各国政府が数字で公表していて、学校ではなく政府が決めています。

国 見せる金額(本人1人・1年ぶん) 円換算(概算・編集部の計算) 但し書き
カナダ 23,448カナダドル 約2,608,119円 ケベック州以外。2026年9月1日以降の申請に適用
イギリス(ロンドン) 13,761ポンド(月1,529ポンド×9か月) 約2,870,967円 最大9か月ぶん
イギリス(ロンドン以外) 10,539ポンド(月1,171ポンド×9か月) 約2,198,759円 最大9か月ぶん
オーストラリア 29,710豪ドル 約3,285,439円 12か月ぶんの生活費。日数按分あり
ニュージーランド 20,000NZドル 約1,786,924円 1年以上の課程。1年未満は月1,667NZドル
アイルランド 10,000ユーロ 約1,788,800円 1年の課程。6〜8か月の滞在は月833ユーロ

いちばん高いオーストラリアの29,710豪ドル(約3,285,439円)と、いちばん安いアイルランドの10,000ユーロ(約1,788,800円)では、見せる額に約150万円の差があります。同じ1年の留学でも、口座に用意しておく金額がこれだけ変わるということです。

イギリスには金額以外の条件もあります。GOV.UKは「この金額を28日間連続して保有していなければならない。28日間の最終日は、ビザ申請日から31日以内でなければならない」と書いています。金額を用意するだけでなく、いつからいつまで口座に置いておくかまで決められています。

アイルランドは滞在の長さで計算式が変わります。入国管理局は「6〜8か月の滞在となる課程は月833ユーロ」と定めており、6か月なら4,998ユーロ(約894,042円)、8か月なら6,665ユーロ(約1,192,235円)になります。アイルランドはこの金額を「ビザが要る国の人にも、要らない国の人にも同じように適用する」と明記しています。

英語圏の学生ビザで必要な英語スコアは、国が決める国と学校が決める国に割れる

「学生ビザには英語のスコアが要る」とひとくくりにされがちですが、政府が数字で決めている国は7か国中2か国だけでした。

国 政府が決めているか 公表されている水準
イギリス 決めている 学位課程以上はCEFR B2相当、学位未満はCEFR B1。読む・書く・話す・聞くの4技能
オーストラリア 決めている IELTS 6.0。ELICOSを10週以上組む場合は5.5、20週以上なら5.0
ニュージーランド 決めていない 移民局は「英語力試験の結果の提出は必須ではない」と明記。課程の要件は学校が定める
アイルランド 部分的に決めている 入国管理局が「学生ビザ向けの英語要件」文書で最低水準を定める。ILEP掲載の英語課程は入学時B1・修了時B2の設定が多い
カナダ 公表ページに記載なし IRCCの就学許可の必要書類ページに語学試験の記載はない
アメリカ 公表ページに記載なし 全員共通の最低スコアは数字で示されていない
マルタ 公表ページに記載なし Identitàの就学関連ページに語学要件の数字はない

ニュージーランド移民局の逐語は「Evidence of English language test results are not mandatory but can help us assess your genuine intention to study(英語力試験の結果は必須ではないが、本当に勉強する意思があるかを判断する助けになる)」です。スコアが無いと申請できないのではなく、あると審査の材料が増える、という位置づけです。

オーストラリアの場合、IELTS 6.0が基準ですが、本科の前にELICOS(語学課程)を組み合わせると必要スコアが下がります。内務省は「10週以上のELICOSを本科と組み合わせた人はIELTS 5.5、20週以上なら5.0」と説明しています。語学学校の期間そのものが、ビザの英語要件を下げる材料になっています。

英語圏の学生ビザで働ける時間は、週10時間から週25時間まで幅がある

就労の可否は、留学中の家計を左右します。同じ「学生ビザで働ける」でも、上限時間も、数え方も、国ごとにバラバラでした。

国 授業期間中の上限 休暇中 但し書き
アメリカ(F-1) 学内就労は週20時間まで 公表ページに時間の記載あり(学期中の制限) 学外就労はCPT・OPTなどの許可が別に要る
カナダ 学外就労は週24時間まで 予定された休暇中はフルタイム可 6か月以上の学位・資格につながる課程が条件。学内就労に時間制限なし
イギリス(学位以上) 週20時間まで フルタイム可 適合履歴のある高等教育機関の在籍が条件
イギリス(学位未満) 週10時間まで フルタイム可 適合履歴のある高等教育機関の在籍が条件
イギリス(その他・全パートタイム) 就労不可 不可 移民規則Appendix Student ST26.1
オーストラリア 2週間で48時間まで 課程が開講していない期間は制限なし 研究による修士・博士は上限なし
ニュージーランド 週25時間まで 予定された休暇はフルタイム可 ビザの条件欄に記載された場合のみ
マルタ 週20時間まで 公表ページに記載なし 就学開始から3か月経過後。高等教育課程は1年目から可・労働許可が別に要る

いちばん注意が要るのはイギリスです。移民規則のAppendix Studentは、就労条件を3段階に分けており、いちばん下の「その他すべての就学、およびすべてのパートタイム就学」は就労不可と書かれています。高等教育機関に在籍しない語学学校だけの留学は、イギリスでは働けない側に入ります。

オーストラリアの「2週間で48時間」は、週に直すと平均24時間です。ニュージーランドの週25時間とほぼ同じ水準ですが、オーストラリアは2週間単位なので、1週目に30時間働いたら2週目は18時間までという運用になります。週で数える国と、2週間で数える国がある、というのがここでの分かれ目です。

英語圏の学生ビザの審査日数は、公表の仕方がそろっていない

「何日で出るか」は、各国とも公表していますが、数え方が統一されていません。パーセンタイルで出す国と、目安week数で出す国に分かれます。

国 公表されている審査期間 数え方 更新日
イギリス 英国外からは通常3週間/英国内からは8週間 「usually」の目安 GOV.UK掲載時点
ニュージーランド 8週間 80パーセンタイル 公式ページ掲載時点
アイルランド およそ8週間 ビザ office受理日からの目安 2024年9月23日更新
オーストラリア(高等教育) 50%が19日/75%が40日/90%が71日 直近の決定済み案件の実績 2026年9月4日更新
オーストラリア(独立系ELICOS) 50%が18日/75%が28日/90%が52日 同上 2026年9月4日更新
オーストラリア(職業教育VET) 50%が3か月/75%が7か月/90%が7か月 同上 2026年9月4日更新
オーストラリア(学校) 50%が26日/75%が50日/90%が7か月 同上 2026年9月4日更新

オーストラリアの数字は、同じ学生ビザでも分野によって10倍以上ひらいています。語学学校(独立系ELICOS)なら半数が18日で出るのに対し、職業教育(VET)は半数が3か月、4分の3が7か月です。同じsubclass 500という1つのビザでも、どの分野の学校に行くかで待ち時間がまるごと入れ替わります。

アイルランド入国管理局は「申請はビザ office、大使館、領事館が受理した日からおよそ8週間で決定が出ると考えてよい」と書いたうえで、「書類が足りない場合、確認が必要な場合、個別事情がある場合は、より長くかかることがある」と添えています。また「結果が出る前に航空券を買わないように」とも明記しています。

英語圏の学生ビザ|アメリカは2026年9月15日に「期限のない滞在」が終わった

今回の取材でいちばん新しい変更はアメリカでした。国土安全保障省(DHS)の最終規則が2026年9月15日に施行され、F・J・Iの在留資格が「duration of status(期限を切らない滞在)」から「期限を区切った滞在」に変わりました。

項目 規則に書かれている内容
施行日 2026年9月15日(連邦議会の審査次第で変更の可能性あり、と規則本文に記載)
入国時に与えられる期間 課程の終了日まで。ただし4年を超えない
終了後の猶予 出国準備のため30日を追加
早めの入国 課程開始日の30日前から入国できる。この30日は滞在可能期間の計算に入れない
英語課程(ELT)の上限 生涯で通算24か月まで
延長したいとき 滞在延長(EOS)の申請が要る

英語学習という文脈でいちばん大きいのは、英語課程の24か月という上限です。DHSは規則の中で「ELTの生涯24か月の上限は将来に向けて適用する」「施行日より前に修了した課程は上限の計算に入れない」と説明しています。2026年9月15日より前にアメリカの語学学校に通った期間は、この24か月に数えられません。

規則は上限の根拠として、ケンブリッジ英語検定機構が示す学習時間(guided learning hours)を挙げ、「1学年を9か月とすると、平均的なF-1学生が指導つきで上級レベルの英語力に達するには18か月未満、夏休みや年次休暇を含めても24か月未満で足りる」という計算を示しています。上限の数字が、語学習得にかかる時間の推計から引かれているという構造です。

なお、DHSの「Study in the States」は、学内就労について「学校が開講している期間は週20時間を超えて働くことはできない」と書いています。あわせて「在籍が有意なF-1学生は、授業開始の30日前から学内就労を申請できる」とも書かれています。

英語圏の学生ビザ|カナダは2026年9月1日から資金証明が上がった

カナダは、資金証明の金額が2026年9月1日に切り替わったばかりです。IRCCのページは2026年8月28日に更新されています。

同行する家族を含めた人数 2025年1月1日〜2026年8月31日 2026年9月1日以降 差額
1人 22,895カナダドル 23,448カナダドル +553カナダドル
2人 28,502カナダドル 29,192カナダドル +690カナダドル
3人 35,040カナダドル 35,888カナダドル +848カナダドル
4人 42,543カナダドル 43,572カナダドル +1,029カナダドル
1人増えるごと +6,170カナダドル +6,318カナダドル +148カナダドル

1人ぶんで553カナダドル(約61,510円)の上乗せです。IRCCはこの表について「この金額には学費と交通費は含まれない」と明記しています。つまり、23,448カナダドルは生活費だけの数字で、学費はこれとは別に用意していることを示す必要があります。

カナダにはもう1つ、金額ではない関門があります。州・準州が発行する証明書(PAL/TAL)です。IRCCの必要書類ページは「多くの場合に必要」と書き、「多くの場合、入学許可を受諾し、学費の一部または全部を払わないとPAL/TALは受け取れない」と説明しています。申請料150カナダドルを払う前に、学費の支払いが先に発生する構造です。ケベック州の場合はPAL/TALではなくCAQ(ケベック受入証明書)が要ります。

英語圏の学生ビザ|イギリスは申請料のほかに医療費の前払いが要る

イギリスは、7か国の中で唯一「医療の前払い」を制度として組み込んでいます。医療付加金(Immigration Health Surcharge)です。

項目 金額 円換算(概算・編集部の計算) 公表内容
学生ビザ申請料(英国外から) 558ポンド 約116,416円 1回払い
学生ビザ申請料(英国内で延長・変更) 558ポンド 約116,416円 英国外からと同額
医療付加金(年額) 776ポンド 約161,897円 学生・その扶養家族・ユースモビリティ・18歳未満が対象
1年間の合計 1,334ポンド 約278,313円 申請料+医療付加金1年ぶん

医療付加金は滞在年数ぶんをまとめて前払いします。3年の学位課程なら776ポンド×3年=2,328ポンド(約485,692円)を、ビザ申請のときに一括で払う計算になります。イギリスは「入国してから毎年払う」のではなく「入国する前に全部払う」制度です。

申請時期も決められています。GOV.UKは「英国外からの申請は、課程開始の最も早くて6か月前から」「英国内での申請は課程開始の3か月前から」と書いています。決定は英国外からが通常3週間、英国内からが8週間です。

資金証明の「28日ルール」

イギリスの資金証明は、金額だけでなく保有期間まで決められています。GOV.UKの逐語は「You must have this money for at least 28 days in a row. The end date of the 28-day period must be within 31 days of the date you apply for your visa(この金額を28日間連続で保有していなければならない。その28日間の最終日は、ビザ申請日から31日以内でなければならない)」。申請直前に入金しても条件を満たしません。

英語圏の学生ビザ|オーストラリアとニュージーランドは数え方の単位が違う

南半球の2か国は、制度の作りがよく似ているように見えて、細部の単位がそろっていません。ここを取り違えると、条件違反になります。

項目 オーストラリア(subclass 500) ニュージーランド(Fee Paying Student Visa)
申請料 2,500豪ドル(約276,459円) 850NZドルから(約75,944円)
同行家族(18歳以上) 1,530豪ドル(約169,193円) 本人の申請に含められない・別途申請
同行家族(18歳未満) 500豪ドル(約55,292円) 同上
滞在できる長さ 最長6年・在籍に合わせる 最長4年
資金証明 12か月で29,710豪ドル(約3,285,439円) 1年で20,000NZドル(約1,786,924円)/1年未満は月1,667NZドル
就労の数え方 2週間で48時間 1週間で25時間
英語要件 IELTS 6.0(ELICOS併用で5.5または5.0) 移民局は試験結果を必須としていない
保険 ― 学校が認める保険に入ると申告する

申請料だけを見ると、オーストラリアはニュージーランドの約3.6倍です。2,500豪ドルと850NZドルの差は、円に直すと約20万円になります。一方で資金証明はオーストラリアのほうが約150万円多く、入口のハードルは全体としてオーストラリアのほうが高く設定されています。

オーストラリアの家族連れの計算も公表されています。パートナーの12か月ぶん生活費は10,394豪ドル(約1,149,406円)、子ども1人は4,449豪ドル(約491,986円)です。本人と配偶者と子ども1人の3人なら、見せる生活費は44,553豪ドル(約4,926,831円)になります。

ニュージーランドは学齢期の子どもに別の基準があります。小学校から高校(Year 1〜13)に通う場合は、1年で17,000NZドル(約1,518,885円)、1年未満なら月1,417NZドル(約126,604円)です。大人の20,000NZドルより3,000NZドル低く設定されています。

英語圏の学生ビザ|アイルランドとマルタは入口の作りがほかの5か国と違う

アイルランドとマルタは、ほかの5か国と違って「入国ビザ」と「滞在許可」が分かれています。払う場所も、払うタイミングも2回に分かれます。

項目 アイルランド マルタ
入国ビザ 1回入国60ユーロ/数次100ユーロ/通過25ユーロ 90日以内の課程はシェンゲン短期ビザ(Cビザ)。金額は公式ページに記載なし
滞在許可 到着後に登録(金額は今回確認できず) 就学・研究・研修の居住許可50ユーロ。ボランティアは無料
対象になる課程 ILEPまたはTrustEd Irelandの掲載課程。英語課程は25週以上 MQF水準5以上の高等教育課程(MQRIC認定)ほか
申請できる時期 渡航の3か月前から ビザ免除国の人は、EU域内入国から3か月以内に居住許可を申請
就労 今回の取材では公式ページから時間数を確認できず 就学開始から3か月後に週20時間まで。高等教育課程は1年目から週20時間
保険 民間医療保険が必須 ―
審査期間 およそ8週間 公式ページに記載なし

アイルランドには、学費の前払いについて数字の決まりがあります。入国管理局は「課程の学費が6,000ユーロ未満の場合は、ビザ申請前に全額を学校へ支払わなければならない。6,000ユーロ以上の場合は、最低でもこの金額を申請前に支払わなければならない」と書いています。6,000ユーロ(約1,073,280円)は入国管理上の要件であって、学校の都合ではない、とも明記されています。

マルタの就労規定は段階が分かれています。Identitàは「学生は、マルタでの就学開始から最初の3か月を過ぎた後、週20時間まで働くことが認められる」と書き、そのうえで「MQRICが認定する高等教育資格につながるフルタイム課程を受講する第三国国民は、1年目から週20時間まで就労できる」と補足しています。後者は居住許可の発行後に労働許可を別途申請する形です。

マルタの90日以内の課程についても書き方が具体的です。Identitàは「90日を超えない課程に通う第三国国民にはシェンゲン短期ビザ(Cビザ)が発給される」「承認された場合、課程の全期間に7日間の猶予を加えた期間の数次ビザとして発給される。ただし合計90日を超えないこと」と説明しています。短期の語学留学は、学生ビザではなく短期ビザの枠で処理されるということです。

英語圏の学生ビザで、公表されていない数字と確かめ先

次の数字は政府の公式ページに一覧で出ていないため、手続きの中で確かめます。

数字 公表の状況・確かめ先
マルタの長期滞在ビザ(Dビザ)の金額 Identitàの料金ページは「L.N.287 of 2020にしたがう」と書くだけで、金額の一覧を掲載していない
アメリカの面接予約の待ち日数 米国務省travel.state.govで、申請する大使館・領事館の待ち日数を確かめる
アメリカの資金証明の金額 学校が発行するI-20に記載される
アメリカ・カナダ・マルタの英語スコア要件 各政府の就学ビザのページに、数字としての最低スコアの記載はない
アイルランドの滞在許可(IRP)の登録料 アイルランド入国管理局の登録ページで最新額を確かめる
日本国籍がどの国でビザ免除になるか アイルランドの対象国一覧表(入国管理局の公式ページ)で確かめる

とくに最後の1行は、金額そのものより手続きの形を変えます。アイルランドもマルタも、ビザが要る国の人と要らない国の人で入口が分かれる制度だからです。自分の国籍がどちらに入るかは、各国政府の一覧表で直接確認してください。アイルランド入国管理局は資金要件について「ビザが要る国の人にも要らない国の人にも同じように適用される」と明記しているので、少なくとも見せるお金の金額は、国籍によって変わらないことが分かっています。

英語圏の学生ビザで最後に確認しておくこと

ここまでの数字を、判断に使える形で並べ直します。1年間の留学で「政府に払うお金」と「口座に見せるお金」を合計すると、次のようになります。

国 政府に払う(1年ぶん・本人のみ) 見せる(1年ぶん・本人のみ) 働ける時間
アメリカ(F-1) 535米ドル/約82,951円 公表額なし(I-20に記載) 学内は週20時間
カナダ 235カナダドル/約26,139円 23,448カナダドル/約2,608,119円 学外は週24時間
イギリス(ロンドン以外) 1,334ポンド/約278,313円 10,539ポンド/約2,198,759円 学位は週20時間・学位未満は週10時間
オーストラリア 2,500豪ドル/約276,459円 29,710豪ドル/約3,285,439円 2週で48時間
ニュージーランド 850NZドル/約75,944円 20,000NZドル/約1,786,924円 週25時間
アイルランド 60〜100ユーロ/約10,733〜17,888円 10,000ユーロ/約1,788,800円 公式ページで時間数を確認できず
マルタ 50ユーロ/約8,944円(居住許可のみ) 公表額なし 3か月後から週20時間
  • 払うお金だけを見るとマルタ・カナダ・ニュージーランドが低く、オーストラリア・イギリスが高い
  • 見せるお金はオーストラリアが最も高く、アイルランドが最も低い。差は約150万円
  • 働ける時間はニュージーランドの週25時間が最長。イギリスの語学学校のみの留学は就労不可
  • アメリカは2026年9月15日から滞在期間に上限がつき、英語課程は生涯24か月まで
  • カナダは2026年9月1日から資金証明が553カナダドル上がった

この記事の数字はすべて2026年9月17日に各国政府の公式サイトで確認したものです。ビザ制度は年に何度も変わります。実際にこの2026年の取材の中でも、アメリカは9月15日に、カナダは9月1日に、それぞれ制度が切り替わっていました。オーストラリアの審査期間の表は9月4日に更新されています。

円換算の金額は、2026年9月16日のECBユーロ参照為替レートから編集部が計算した概算です。為替が動けば円の金額は変わります。現地通貨の金額のほうが制度上の正しい数字なので、予算を組むときは現地通貨の額を基準にし、円は目安として扱ってください。そして申請の直前には、この記事ではなく、各国政府の公式ページで当日の金額を必ず確認してください。

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