
TOEIC Speaking & Writing Tests(以下、TOEIC S&W)の受験者数は、2025年度に公開テストとIPテストの合計で約5.1万人だった。国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)の発表によれば前年度比30%増で、2007年のテスト開始以来もっとも多い水準にあたる。
この記事は、IIBCが公表している『TOEIC Program DATA & ANALYSIS』とプレスリリースの数字を並べ直したものである。数字は2026年9月21日にIIBCの公式サイトで確認した。確認が取れなかったものは載せていない。合計や比率など編集部が計算した値には、その旨を明記した。
TOEIC S&Wの受験者数は2025年度で約5.1万人
IIBCがまず出している概数は次のとおり。受験者数と、TOEIC S&Wを採用している団体数が同じ資料に並んでいる。受験者数も採用団体数も、直近3年で連続して増えている。
| 年度 | TOEIC S&W受験者数(公開+IP・概数) | 採用団体数(概数) |
|---|---|---|
| 2023年度 | 約3.7万人 | 約380団体 |
| 2024年度 | 約3.9万人 | 約410団体 |
| 2025年度 | 約5.1万人(前年度比30%増) | 約460団体 |
同じ資料で、TOEIC Program全体(L&R・S&W・Bridge各テストの合計)の2025年度の受験者数は約216万人、採用団体は約3,900団体、1979年の開始からの累計は5,000万人以上と公表されている。
TOEIC S&Wの受験者数の推移は5年で1.5倍
概数ではなく実受験者の集計は『DATA & ANALYSIS』に載っている。TOEIC S&Wはスピーキングとライティングでスコアを別々に出すため、受験者数もスピーキングとライティングで別々に数えられている点に注意したい。
| 年度 | 公開テスト Speaking | 公開テスト Writing | IPテスト Speaking | IPテスト Writing | Speaking合計 (編集部の計算) |
|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度 | 10,741人 | 7,969人 | 22,376人 | 13,664人 | 33,117人 |
| 2022年度 | 10,394人 | 7,798人 | 26,014人 | 17,522人 | 36,408人 |
| 2023年度 | 11,348人 | 8,633人 | 23,350人 | 14,761人 | 34,698人 |
| 2024年度 | 11,595人 | 8,712人 | 25,609人 | 14,158人 | 37,204人 |
| 2025年度 | 12,207人 | 8,770人 | 36,727人 | 15,808人 | 48,934人 |
Speaking合計で見ると、2021年度の33,117人から2025年度の48,934人へ4年で47.8%増(編集部の計算)。ただし一本調子ではなく、2023年度はいったん前年度を下回っている。
IIBCのプレスリリースの「約5.1万人」と、『DATA & ANALYSIS』のSpeaking合計48,934人は一致しない。どちらもIIBCの公表値だが、集計の取り方の違いは資料に明記されていない。この記事では出どころを分けて並べ、混ぜて計算していない。
TOEIC S&Wの受験者数は4分の3がIPテスト
TOEIC S&Wには、IIBCが日時と会場を決める公開テストと、企業・団体・学校が独自に実施するIPテスト(団体特別受験制度)の2つがある。2025年度の内訳は次のとおり。
| 2025年度 | Speaking | Writing | Speaking構成比(編集部の計算) |
|---|---|---|---|
| 公開テスト | 12,207人 | 8,770人 | 24.9% |
| IPテスト | 36,727人 | 15,808人 | 75.1% |
| 合計 | 48,934人 | 24,578人 | 100.0% |
同じ計算を2021年度に当てはめるとIPテストの比率は67.6%だった。4年でIPテストの比率が7.5ポイント上がったことになる(編集部の計算)。TOEIC S&Wは個人が自分で申し込むより、勤務先や学校が実施する形で受けられている割合のほうが大きい。
TOEIC S&WのIPテストを増やしたのは企業・団体
IPテストはさらに「企業・団体」と「学校」に分かれて集計されている。2024年度から2025年度への変化を並べると、増えた場所がはっきりする。
| IPテストの内訳 | 2024年度 | 2025年度 | 増減率(編集部の計算) |
|---|---|---|---|
| 企業・団体 Speaking | 15,126人 | 26,435人 | +74.8% |
| 学校 Speaking | 10,483人 | 10,292人 | −1.8% |
| 企業・団体 Writing | 4,770人 | 6,755人 | +41.6% |
| 学校 Writing | 9,388人 | 9,053人 | −3.6% |
IPテストのSpeakingは1年で11,118人増えたが、企業・団体だけで11,309人増えており、学校は191人減っている(編集部の計算)。伸びの出どころは学校ではなく職場のほうだった、と数字は示している。
TOEIC L&Rの受験者数と比べると約38分の1
TOEIC S&Wの規模感は、同じTOEIC Programの中で比べるとつかみやすい。IIBCが2026年に発表した2025年度の数字を並べる。
| 2025年度 | 受験者数 | 平均スコア |
|---|---|---|
| TOEIC Program全体 | 約216万人 | — |
| TOEIC L&R(公開+IP) | 196.4万人 | 公開616点/IP492点 |
| TOEIC S&W(公開+IP) | 約5.1万人 | 公開S131.5/W141.0点 |
この2つを割ると、TOEIC S&WはTOEIC L&Rの約38分の1、TOEIC Program全体に占める比率は約2.4%になる(いずれも編集部の計算)。「話す・書く」のテストは、「聞く・読む」のテストに比べればまだかなり小さい。
なお『DATA & ANALYSIS』側のTOEIC L&Rの実受験者数は、公開テスト755,473人・IPテスト1,056,506人の合計1,811,979人(編集部の計算)で、プレスリリースの196.4万人とは一致しない。同資料はIPテストについて「両セクションの受験を完了し、採点対象となった受験者のデータのみ」と注記している。
TOEIC Speaking単独の受験者数は公開テストで3,437人
TOEIC S&Wは2つまとめて受けるのが基本形だが、『DATA & ANALYSIS』の注記には「スピーキングのみ(公開テスト/IPテスト)、ライティングのみ(IPテスト)もご受験いただけます」とある。つまり公開テストにはライティングのみの申込区分が存在しない。
そのため公開テストに限れば、Speakingの受験者数からWritingの受験者数を引いた分が、スピーキング単独で受けた人数にあたる。
| 公開テスト 2025年度 | 人数 |
|---|---|
| Speaking受験者 | 12,207人 |
| Writing受験者 | 8,770人 |
| 差=スピーキング単独(編集部の計算) | 3,437人 |
| Speaking受験者に占める比率(編集部の計算) | 28.2% |
IPテストにはライティングのみの区分もあるため、IPテストのSpeaking(36,727人)からWriting(15,808人)を引いた差は、スピーキング単独の人数とは言えない。IIBCはスピーキング単独・ライティング単独の内訳を公表していないので、この記事では公開テストの分だけを出した。
TOEIC S&Wの平均スコアはSpeakingが上昇しWritingが下降
受験者数と同じ資料に、年度別の平均スコアも載っている。TOEIC S&Wのスコアはスピーキング0〜200点・ライティング0〜200点で、いずれも10点刻みである。
| 年度 | 公開 Speaking | 公開 Writing | IP Speaking | IP Writing |
|---|---|---|---|---|
| 2021年度 | 127.8点 | 144.8点 | 103.0点 | 126.1点 |
| 2022年度 | 130.3点 | 144.4点 | 105.7点 | 124.4点 |
| 2023年度 | 129.6点 | 143.3点 | 109.2点 | 122.7点 |
| 2024年度 | 131.0点 | 142.6点 | 109.8点 | 121.5点 |
| 2025年度 | 131.5点 | 141.0点 | 110.1点 | 119.9点 |
4年間の動きをそのまま読むと、Speakingは公開で3.7点・IPで7.1点上がり、Writingは公開で3.8点・IPで6.2点下がっている(編集部の計算)。IIBCはこの増減の理由を資料の中で説明していないため、原因については何も言えない。
TOEIC S&Wのレベル分布は公開テストとIPテストで大きく違う
TOEIC S&Wの結果は、スコアに加えてスピーキング8段階・ライティング9段階のレベルでも通知される。下の表は、IIBCの「スコアレンジ別評価一覧表」の区切りに、『DATA & ANALYSIS』の2025年度スコア分布を編集部が当てはめて数えたものである。
| Speakingレベル | スコア範囲 | 公開テスト | 公開比率 | IPテスト | IP比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| レベル8 | 190〜200点 | 89人 | 0.7% | 76人 | 0.2% |
| レベル7 | 160〜180点 | 1,877人 | 15.4% | 1,745人 | 4.8% |
| レベル6 | 130〜150点 | 5,751人 | 47.1% | 9,994人 | 27.2% |
| レベル5 | 110〜120点 | 3,041人 | 24.9% | 11,307人 | 30.8% |
| レベル4 | 80〜100点 | 1,130人 | 9.3% | 8,978人 | 24.4% |
| レベル3 | 60〜70点 | 187人 | 1.5% | 2,797人 | 7.6% |
| レベル2 | 40〜50点 | 81人 | 0.7% | 983人 | 2.7% |
| レベル1 | 0〜30点 | 51人 | 0.4% | 847人 | 2.3% |
公開テストはレベル6以上が63.2%を占めるのに対し、IPテストでは32.2%にとどまる(編集部の計算)。自分で申し込んで受ける人と、勤務先や学校でまとめて受ける人とで、分布の重心がはっきり分かれている。
| Writingレベル | スコア範囲 | 公開テスト | 公開比率 | IPテスト | IP比率 |
|---|---|---|---|---|---|
| レベル9 | 200点 | 128人 | 1.5% | 182人 | 1.2% |
| レベル8 | 170〜190点 | 1,436人 | 16.4% | 1,217人 | 7.7% |
| レベル7 | 140〜160点 | 4,208人 | 48.0% | 5,161人 | 32.6% |
| レベル6 | 110〜130点 | 1,908人 | 21.8% | 4,388人 | 27.8% |
| レベル5 | 90〜100点 | 602人 | 6.9% | 1,887人 | 11.9% |
| レベル4 | 70〜80点 | 271人 | 3.1% | 1,252人 | 7.9% |
| レベル3 | 50〜60点 | 121人 | 1.4% | 745人 | 4.7% |
| レベル2 | 40点 | 40人 | 0.5% | 308人 | 1.9% |
| レベル1 | 0〜30点 | 56人 | 0.6% | 668人 | 4.2% |
Writingも同じ傾向で、公開テストはレベル7に48.0%が集中する山型になっている。なお比率は四捨五入のため、合計が100.0%にならない列がある。
TOEIC S&Wの受験者はTOEIC L&Rで700点以上が半数超
『DATA & ANALYSIS』には、TOEIC S&W受験者が申告したTOEIC L&Rスコアの構成比も載っている。
| TOEIC L&Rのスコア帯 | TOEIC S&W受験者に占める比率 |
|---|---|
| 900点〜 | 12.1% |
| 800〜895点 | 21.7% |
| 700〜795点 | 20.0% |
| 600〜695点 | 17.6% |
| 500〜595点 | 12.7% |
| 400〜495点 | 9.0% |
| 〜395点 | 6.9% |
700点以上を足すと53.8%(編集部の計算)。TOEIC S&Wは、TOEIC L&Rである程度のスコアを取った層が次に受けるテストとして使われている構図が読み取れる。ただしこの図の母数は349,926人と記載されており、2025年度のTOEIC S&W受験者数とは一致しない。母数の定義は資料に書かれていないため、ここでは構成比だけを載せた。
TOEIC S&Wの受験者数データで読み違えやすい3点
同じ「受験者数」という言葉でも、資料によって中身が違う。数字を引用するときに間違えやすいところを3つ挙げる。
概数と実受験者数はズレる
プレスリリースの「約5.1万人」と『DATA & ANALYSIS』のSpeaking合計48,934人は別の数字である。どちらを使うかを決めて、最後まで同じ系統で通したほうが混乱しない。
スピーキングとライティングは別
2025年度はSpeaking48,934人・Writing24,578人で、同じ年度なのに2倍近い差がある。スピーキング単独・ライティング単独の区分があるためで、「TOEIC S&Wの受験者数」と書くときはどちらのセクションの数かを添える必要がある。
公開テストとIPテストを分ける
平均スコアは公開テストとIPテストで20点以上違い、レベル分布の形も違う。合算した数字だけを見ると、どちらの実態とも合わない平均になってしまう。
TOEIC S&Wの受験者数で最後に確認しておくこと
- 2025年度のTOEIC S&W受験者数は公開テストとIPテストの合計で約5.1万人。前年度比30%増で開始以来最多
- 実受験者データではSpeaking48,934人・Writing24,578人。Speakingは4年で47.8%増(編集部の計算)
- 内訳はIPテストが75.1%。2025年度の増加分はほぼ企業・団体のIPテストによる(編集部の計算)
- TOEIC L&Rの196.4万人に対して約38分の1、TOEIC Program全体の約2.4%(編集部の計算)
- 公開テストのスピーキング単独受験は3,437人。IPテストは内訳が公表されていないため算出できない
- 平均スコアは2025年度で公開テストがSpeaking131.5点・Writing141.0点、IPテストが110.1点・119.9点
- 一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)『TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026 2025年度 受験者数と平均スコア』/2025年度データ/2026年9月21日確認
- IIBC『TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2025 2024年度 受験者数と平均スコア』/2022〜2024年度データ/2026年9月21日確認
- IIBC『TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2024 2023年度 受験者数と平均スコア』/2021〜2023年度データ/2026年9月21日確認
- IIBC プレスリリース「TOEIC Speaking & Writing Tests、2025年度の受験者数・採用団体数がともに過去最多に」/2026年発表/2026年9月21日確認
- IIBC「TOEIC Speaking & Writing Tests スコアレンジ別評価一覧表」/レベルとスコア範囲の対応/2026年9月21日確認
- IIBC「TOEIC Speaking & Writing Tests」テスト紹介ページ/テスト時間・問題数・申込区分/2026年9月21日確認
TOEIC S&Wの受験者数は増えてはいるが、TOEIC L&Rと比べれば規模はまだ40分の1に満たない。一方で採用団体は3年で約380から約460へ増え、2025年度の伸びは企業・団体のIPテストに集中していた。次の年度の数字は、例年どおりならIIBCが翌年の夏に『TOEIC Program DATA & ANALYSIS』として公表する。最新の値は必ずIIBCの公式サイトで確認してほしい。
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