英検の合格率を調べると、級ごとに「1級10%」「2級25%」といった数字がいくつも出てきます。ところが、日本英語検定協会の公式サイトには、級別の合格率を載せたページが1枚もありません。
この記事は、2026年9月7日に日本英語検定協会の公式サイトを1ページずつ確認して、「公表されている数字」と「公表されていない数字」を分けて並べたものです。公表されていないものは、推計で埋めずに空欄のまま残しました。
英検の合格率は、協会が公表していない
2026年9月7日に日本英語検定協会の公式サイトを確認した範囲では、級別の合格率を掲載したページは見つかりませんでした。
確認したのは、英検トップ、受験の状況、試験結果・解答、英検CSEスコアでの合否判定方法について、各級の審査基準、各級の過去問・試験内容、成績優秀者表彰制度の各ページです。
| 数字の種類 | 公式の公表状況(2026年9月7日時点) | どこに載っているか |
|---|---|---|
| 級別の合格率 | 公表されていない | ― |
| 級別の合格者数 | 公表されていない | ― |
| 合格基準スコア(英検CSEスコア) | 1点単位で公表されている | 英検CSEスコアとは |
| 技能ごとの満点スコア | 公表されている | 英検CSEスコアでの合否判定方法について |
| 年度ごとの志願者数(合算) | 1人単位で公表されている | 受験の状況 |
| 級別の志願者数 | 公表されていない | ― |
つまり、合格の「基準」は完全に公開されていて、合格の「割合」だけが公開されていない、という状態です。
英検の合格率が公表されていないと、読者側に何が起きるか
合格率が公表されていないと、その空白を誰かの推計が埋めます。
世の中に出回っている「英検◯級の合格率は◯%」という数字は、出どころをたどると、協会が過去に別の目的で出した資料の一部、あるいは特定の学校・塾が自校の受験者を集計したもの、あるいは根拠が示されていないもののどれかになります。
合格率の数字を見たときは、「何年度の、どの回次の、何人を分母にした数字か」が書いてあるかを先に確かめてください。この3つが書かれていない合格率は、比較にも目標設定にも使えません。
英検の合格率の代わりに使える公式データ①|合格基準スコア
合格率が分からなくても、合格ラインそのものは1点単位で公開されています。
日本英語検定協会は、各級の一次試験・二次試験の合格基準スコア(英検CSEスコア)を固定値として公表しており、回次によって変動しないと明記しています。
| 級 | 一次試験の合格基準スコア | 二次試験の合格基準スコア | 測定技能(一次) |
|---|---|---|---|
| 1級 | 2028 | 602 | Reading・Listening・Writing |
| 準1級 | 1792 | 512 | Reading・Listening・Writing |
| 2級 | 1520 | 460 | Reading・Listening・Writing |
| 準2級プラス | 1402 | 427 | Reading・Listening・Writing |
| 準2級 | 1322 | 406 | Reading・Listening・Writing |
| 3級 | 1103 | 353 | Reading・Listening・Writing |
| 4級 | 622 | ―(スピーキングテストは324) | Reading・Listening |
| 5級 | 419 | ―(スピーキングテストは266) | Reading・Listening |
4級・5級の級認定は、リーディングとリスニングの一次試験の合否だけで決まります。4級・5級のスピーキングテストは、一次試験の合否に関係なく受けられる別建てのテストです。
英検の合格率の代わりに使える公式データ②|正答率の目安
協会は「正答数の目安は提示できない」としたうえで、2016年度第1回一次試験について、合格者の正答率の傾向だけを1行だけ公表しています。
| 級の区分 | 公表されている正答率の傾向 | 対象 |
|---|---|---|
| 1級・準1級 | 各技能での正答率が7割程度の受験者の多くが合格 | 2016年度第1回 一次試験 |
| 2級以下 | 各技能6割程度の正答率の受験者の多くが合格 | 2016年度第1回 一次試験 |
これは合格率ではなく、合格した人の正答率の傾向です。
英検のスコアはIRTで出る|合格率を正答数から逆算できない理由
協会は、スコアの算出方法についてこう書いています。
スコアは各回の全答案を採点したあとに、Item Response Theory(項目応答理論)という統計的手法を使って算出されるため、受験者が自分の正答数からスコアを計算することはできない、というものです。
| 公式が明記していること | そこから言えること |
|---|---|
| 技能ごとに問題数は異なるが、問題数に関係なく各技能へスコアを均等配分している | 「何問正解で何点」という換算表は作れない |
| 同じ正答数でも回次によりスコアは異なる | 過去問の点数を今回の合否にそのまま当てはめられない |
| 同じ技能内であれば、どの問題で正解してもスコアへの影響は同じ | 配点の高い問題・低い問題という考え方は成り立たない |
つまり、正答数から合格ラインを逆算して合格率を推定する、という手順そのものが公式の設計と噛み合いません。
英検の志願者数は公表されている|過去5年分
合格率は非公表ですが、志願者数は1人単位で公表されています。
ただし、この数字は実用英語技能検定・英検IBA・英検Jr.の3つを合算したものだと協会が注記しています。
| 年度 | 志願者数(3試験の合算) | 前年度からの増減 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 4,543,122人 | +53,123人 |
| 2024年度 | 4,489,999人 | −13,699人 |
| 2023年度 | 4,503,698人 | +297,778人 |
| 2022年度 | 4,205,920人 | +103,252人 |
| 2021年度 | 4,102,668人 | ― |
増減の列は、公表されている志願者数から編集部が引き算した値です。
英検の志願者は、どの層が受けているか
2025年度実施分(2025年4月1日〜2026年3月31日)の内訳も、区分ごとに公表されています。
| 区分 | 志願者数 | 全体に占める割合(編集部の計算) |
|---|---|---|
| 小学校以下 | 516,844人 | 11.4% |
| 中学・高等学校(高専含む) | 3,144,528人 | 69.2% |
| 大学(短大・専修学校含む) | 41,963人 | 0.9% |
| その他 | 839,787人 | 18.5% |
| 合計 | 4,543,122人 | 100% |
志願者の約7割が中学生・高校生です。割合の列は、公表された人数を合計で割った編集部の計算で、小数第2位を四捨五入しています。
英検の合格率を自分で計算できるか
合格率を出すには、分母と分子の両方が要ります。
| 計算に必要なもの | 公式の公表状況 | 代わりになるものはあるか |
|---|---|---|
| 分母=級別・回次別の受験者数 | 公表されていない | 年度合計の志願者数のみ。しかも3試験の合算で級別ではない |
| 分子=級別・回次別の合格者数 | 公表されていない | 無い |
| 棄権者・欠席者の扱い | 公表されていない | 無い。志願者数と受験者数は同じではない |
3つとも埋まらないため、公表データだけでは級別の合格率は計算できません。
級別の合格率・合格者数・級別受験者数は、公式に数字が存在しないため、この記事では推計値を置いていません。他サイトの数値を引き写して埋めることもしていません。空欄のままにしてあります。
英検の合格率より先に見る数字|英検バンド
合格までの距離を測る指標は、協会が別に用意しています。
英検バンドは、各級の一次試験・二次試験の合格基準スコアを起点として、スコアを25点刻みに区切ったものです。
| 表示 | 意味 | 合格基準スコアとの関係 |
|---|---|---|
| +1 | 合格基準スコアを上回る1つ目のバンド | 基準点〜基準点+24点 |
| +2 | その上のバンド | 基準点+25点〜+49点 |
| −1 | 基準点を下回る1つ目のバンド | 基準点−1点〜−25点 |
協会は例として、英検2級の一次試験で合計スコア1575の場合、合格から+3のバンドに位置すると示しています(2級の一次合格基準スコアは1520)。
合格率が分からなくても、自分の位置は25点刻みで分かるということです。
英検は級の目安が公表されている|受ける級を決める材料
合格率で受験級を決めようとすると、非公表の数字に頼ることになります。
協会は、級ごとの推奨目安と習得目標を公表しているので、受験級はこちらで決められます。
| 級 | 推奨目安 | 習得目標 |
|---|---|---|
| 1級 | 大学上級程度 | リーダー(品格)の英語 |
| 準1級 | 大学中級程度 | 使える英語で世界へ |
| 2級 | 高校卒業程度 | 大学入試レベル/2級から海外留学/履歴書で評価される |
| 準2級プラス | 高校上級程度 | ― |
| 準2級 | 高校中級程度 | 使える英語の登竜門 |
| 3級 | 中学卒業程度 | 基礎力定着/高校入試レベル |
| 4級 | 中学中級程度 | ― |
| 5級 | 中学初級程度 | ― |
準2級プラスは2025年度から加わった級で、高校入試や大学入試での活用など、活用の範囲が一段と広がる級だと協会は説明しています。
英検の受験料は2026年度から全級100円下がった
受験の判断材料としてもうひとつ確定しているのが検定料です。
協会は2025年11月10日、2026年度第1回検定から全級一律で100円引き下げると発表しました。対象は英検(従来型)・英検S-CBT・英検S-Interviewの全方式です。
| 級 | 本会場(改定前・税込) | 本会場(2026年度・税込) |
|---|---|---|
| 1級 | 12,500円 | 12,400円 |
| 準1級 | 10,500円 | 10,400円 |
| 2級 | 9,100円 | 9,000円 |
| 準2級プラス | 8,700円 | 8,600円 |
| 準2級 | 8,500円 | 8,400円 |
| 3級 | 6,900円 | 6,800円 |
| 4級 | 4,700円 | 4,600円 |
| 5級 | 4,100円 | 4,000円 |
協会は引き下げの背景として、AIを活用した問題作成・採点業務の改革などICT導入による効率化と、物価上昇による家計の教育費負担への配慮を挙げています。
英検の合格率まとめ|公表値と非公表値の切り分け
この記事で確認できたことを1枚にまとめます。
| 知りたいこと | 公式で分かるか | 代わりに使える数字 |
|---|---|---|
| ◯級の合格率は何%か | 分からない | 合格基準スコア(1点単位で公表) |
| 合格ラインは何点か | 分かる | 一次2028〜419、二次602〜353 |
| あと何点で受かるか | 分かる | 英検バンド(25点刻み) |
| 何割正解すれば受かるか | 断定できない | 2016年度第1回の正答率の傾向のみ |
| どれくらいの人が受けているか | 分かる | 2025年度 4,543,122人(3試験合算) |
| 自分は何級を受けるべきか | 分かる | 各級の推奨目安(大学上級〜中学初級) |
合格率という1つの数字が無いだけで、判断に使える公式データはこれだけ揃っています。
数字は2026年9月7日に日本英語検定協会の公式サイトで取得したものです。検定料や制度は変更されることがあるため、申し込む前に必ず公式サイトで最新の内容を確認してください。
この記事で使った英検の一次ソース
- 公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアとは」(2026年9月7日取得)
- 公益財団法人 日本英語検定協会「英検CSEスコアでの合否判定方法について」(2026年9月7日取得)
- 公益財団法人 日本英語検定協会「受験の状況」(2026年9月7日取得)
- 公益財団法人 日本英語検定協会「過去問・試験内容/各級の目安」(2026年9月7日取得)
- 公益財団法人 日本英語検定協会「各級の審査基準」(2026年9月7日取得)
- 公益財団法人 日本英語検定協会「2026年度 実用英語技能検定(英検)検定料を一律100円引き下げ」(2025年11月10日)(2026年9月7日取得)
- 公益財団法人 日本英語検定協会「準2級プラスの過去問・試験内容」(2026年9月7日取得)

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