MENU

日本人の英語力は世界で何位?国際比較データを並べた

「日本人の英語力は世界で何位か」を1つの数字で答えるなら、いちばんよく引かれるのがEF EPI(EF英語能力指数)の順位です。最新の2025年版で、日本は123の国と地域のうち96位。スコアは446で、世界平均488より42ポイント低い位置にあります。

この記事は、EF EPI(Signum International AG発行)の2025年版レポート、ETS(Educational Testing Service)の「TOEFL iBT Test and Score Data Summary 2024」、IELTS公式サイトが配布している「Test taker performance data 2024-2025」、ETSの「2025 Report on test takers worldwide(TOEIC Listening & Reading)」、文部科学省の「令和7年度 英語教育実施状況調査」を並べ直したものです。数字はすべて2026年9月11日に各発行元の公式サイトからファイルを取得して確認しました。原典の表に無い計算(順位づけ・差・合計など)を編集部が行った箇所は、その都度「編集部の計算」と書いています。

目次

日本人の英語力は、EF EPI 2025年版で123か国・地域中96位

EF EPIは、無料のオンラインテスト「EF SET」の結果を国・地域ごとに集計した指数です。2025年版は、2024年にEF SETを受けた220万人超のデータがもとになっています。

項目 2025年版の値
日本の順位 96位(対象123の国と地域)
日本のEF EPIスコア 446
前年版(2024年版)からの変化 −8(2024年版は454)
世界平均 488
日本のバンド Very Low Proficiency(最も低い区分)
同スコアの国 アフガニスタン(446・96位で同順)

EF EPIのバンドは5段階で、スコアの区切りはレポートに明記されています。600以上がVery High、550〜599がHigh、500〜549がModerate、450〜499がLow、449以下がVery Low。日本の446は、Lowの下限450にあと4ポイント届いていません。

スコアは3年分の移動平均

EF EPIの国別スコアは、単年の結果そのままではありません。逐語は「National EF EPI scores are calculated using a three-year rolling average.(国別のEF EPIスコアは3年の移動平均で算出される)」。前年・前々年の公表スコアと平均して、年ごとのブレを抑える設計だとレポートに書かれています。

日本人の英語力をアジア25の国・地域の中で並べると17番目

EF EPIはアジア地域のページで、アジアに区分される国・地域の順位だけを抜き出した表を載せています。そのまま並べます。

世界順位 国・地域 EF EPIスコア
24位 マレーシア 581
28位 フィリピン 569
39位 香港(中国) 538
48位 韓国 522
58位 ネパール 514
62位 バングラデシュ 506
64位 ベトナム 500
67位 パキスタン 493
73位 スリランカ 486
74位 インド 484
79位 ブータン 473
80位 インドネシア 471
86位 中国 464
88位 ラオス 461
91位 トルクメニスタン 456
95位 モンゴル 447
96位 アフガニスタン 446
96位 日本 446
99位 ミャンマー 444
101位 キルギス 443
104位 ウズベキスタン 429
107位 カザフスタン 417
110位 タジキスタン 409
116位 タイ 402
123位 カンボジア 390

この表に載るアジアの国・地域は25。日本はアフガニスタンと同スコアで、上から数えて17番目にあたります(順位づけは編集部の計算)。近隣で見ると、韓国522との差は76ポイント、中国464との差は18ポイントです。

日本人の英語力は、4技能のうち「話す」と「書く」が特に低く出ている

EF EPIは2024年後半からスピーキングとライティングも測定対象に加えました。日本のファクトシートに載っている技能別スコアはこうなっています。

技能 日本のスコア 総合446との差(編集部の計算)
Reading(読む) 454 +8
Listening(聞く) 437 −9
Writing(書く) 394 −52
Speaking(話す) 393 −53

読む454と話す393の差は61ポイント。EF EPIのバンドでいうと、読むはLowの一歩手前、話すはVery Lowのさらに内側です。レポート本文でも、スピーキングは世界的に最も平均が低い技能で、高いバンドに入った国はケニア・南アフリカ・ジンバブエの3か国だけだと書かれています。

日本国内の地域差も、同じファクトシートに出ています。関東478、関西468、北海道456、九州・沖縄448、四国447、東北443、中部442、中国436。いちばん高い関東といちばん低い中国地方の差は42ポイントで、これは日本と世界平均の差とほぼ同じ幅です(編集部の計算)。都市別では川崎489、横浜483、東京480が上位でした。

日本人のTOEFL iBT平均点は72点。アジアの31か国・地域の中で29番目

ETSは毎年、TOEFL iBTの国別・母語別の平均点を公表しています。最新版は2024年1〜12月の受験データをまとめた「Test and Score Data Summary 2024」です。

区分 Reading Listening Speaking Writing Total
母国=日本 19 18 17 18 72
母語=日本語 19 19 17 18 73
母国=韓国 22 22 20 21 86
母国=中国 23 21 20 21 85
母国=台湾 22 23 20 21 86
母国=シンガポール 24 25 24 24 97
母国=ドイツ 24 26 26 24 100

ETSの表でアジアに区分され、かつ平均点が公表されている国・地域は31あります。日本の72点より低いのはラオス58点と東ティモール60点の2つだけで、日本は下から3番目(31のうち29番目)でした(並べ直しは編集部の計算)。すぐ上はカザフスタン73点・トルクメニスタン73点、その上がベトナム74点です。

なお、TOEFL iBTの各セクションは0〜30点、合計は0〜120点です。日本の4技能はすべて17〜19点の範囲に収まっていて、TOEFLではEF EPIほど技能ごとの落差がはっきり出ていません。ただしEF SETとTOEFLでは受験者層も測り方も違うため、そのまま重ねて読むことはできません。

日本人のIELTSスピーキング平均5.47は、公表40か国・地域の中で最も低い

IELTSは公式サイトで、国籍別の平均バンドスコアをExcelファイルで配布しています。最新は2024-2025のデータで、アカデミック・モジュールは40の国籍が載っています。

国籍(IELTS Academic) Listening Reading Writing Speaking Overall
ドイツ(最高) 7.80 8.10 6.63 7.51 7.57
スペイン 7.39 7.49 6.33 6.89 7.09
マレーシア 7.22 7.57 6.46 6.73 7.06
韓国 6.51 6.53 5.95 5.87 6.28
台湾 6.51 6.58 5.89 6.00 6.31
中国 6.21 5.90 5.76 5.50 5.91
日本 5.99 5.93 5.65 5.47 5.82
クウェート 5.27 5.72 5.28 5.92 5.61
アラブ首長国連邦 5.14 5.61 5.11 5.90 5.50
オマーン(最低) 5.01 5.20 5.36 5.81 5.41

数値は公式ファイルに小数第9位まで入っているものを、編集部が小数第2位に丸めています。日本のOverall 5.82は40のうち下から4番目。そしてSpeakingの5.47は、40の国籍の中でいちばん低い値でした(並べ直しは編集部の計算)。

ジェネラル・トレーニング側でも日本の数字は出ています。Listening 5.64、Reading 5.91、Writing 5.70、Speaking 5.65、Overall 5.79。アカデミックとジェネラルで、日本のSpeakingは5.47と5.65。同じ試験の中でも母集団が変わると数字が動きます。母語別の表では「Japanese」がOverall 5.82で、国籍別とほぼ同じ値になっています。

日本人のTOEIC L&R平均点は564点(ETSの母国別集計)

ETSはTOEIC Listening & Readingについても、母国別の平均点を毎年出しています。2025年版の日本の行はこうです。

区分 Listening(SD) Reading(SD) Total(SD)
母国=日本 313(90) 251(100) 564(181)

この564点は、TOEIC L&Rのスコアレンジ10〜990点の中での位置です。リスニング313点に対してリーディングは251点で、62点の開きがあります。カッコ内はETSが併記している標準偏差です。

日本人の英語力を測った4つの数字は、母集団がそれぞれ違う

ここまでの数字を1枚に並べます。同じ「日本人の英語力」でも、誰を数えたのかが全部違います。ここを混ぜると議論が噛み合わなくなります。

指標 日本の値 版年 誰を数えたか
EF EPI 446(96位/123) 2025年版 2024年に無料オンラインテストEF SETを自分の意思で受けた人(3年移動平均)
TOEFL iBT 72点(0〜120点) 2024年データ 2024年にTOEFL iBTを受験し、母国を日本と申告した人
IELTS Academic Overall 5.82 2024-2025 アカデミック・モジュールを受験し、国籍を日本と申告した人
TOEIC L&R 564点(10〜990点) 2025年版 2025年に受験し、背景アンケートに回答して母国を日本と答えた人

4つとも「日本にいる人全員」からの無作為抽出ではありません。有料試験は留学・就職・昇進などの目的がある人が受け、無料テストは英語に関心がある人が受けます。どれも、日本の人口を代表する調査として設計されたものではない、という前提が必要です。

日本人の英語力をEF EPIで見るとき、職種と年代で差が出ている

EF EPIの日本ファクトシートには、職種別のスコアも載っています。同じ国の中でも幅があることが分かります。

職種(EFの区分) スコア
Strategy & Project Management(戦略・プロジェクト管理) 578
Teacher(教師) 561
Marketing(マーケティング) 551
Accounting & Finance(経理・財務) 538
Admin & Clerical(管理・事務) 530
R&D(研究開発) 519
Sales(営業) 516
Human Resources(人事) 510
Customer Service(顧客対応) 505
IT 502
Technicians & Maintenance(技術・保守) 493
Student(学生) 477
Unspecified / unemployed(未記入・無職) 399

最高の578と最低の399の差は179ポイントで、日本の総合446を大きくまたいでいます(編集部の計算)。ただしこれは職業別の代表サンプルではなく、EF SETを受けた人が自己申告した職種の集計です。回答者数は職種ごとに公表されていません。

日本人の中高生の英語力は、文部科学省の調査でどこまで来ているか

国際比較とは別に、国内には公的な悉皆に近い調査があります。文部科学省の「英語教育実施状況調査」です。最新は令和7年度版(調査基準日=令和8年2月1日、公表=2026年6月18日)です。

区分 対象生徒数 外部試験でCEFR相当を取得 「有すると思われる」を含む合計
中学3年(A1相当以上) 965,300人 314,861人(32.6%) 526,915人(54.6%)
高校3年(A2相当以上) 591,802人 192,661人(32.6%) 310,388人(52.4%)
高校3年(B1相当以上) 591,802人 102,017人(17.2%) 141,519人(23.9%)

A1は英検3級相当、A2は英検準2級相当、B1は英検2級相当として集計されています。高校3年でB1相当以上に達しているのは4人に1人以下です。

この調査には注意点が明記されています。「有すると思われる生徒」とは、実際に級やスコアを取得していないが、2技能・3技能の試験のスコア、CAN-DOリストに基づく校内のパフォーマンステスト、MEXCBTの解答状況、AIツールによる判定などから、英語担当教師が相当の英語力があると判断した生徒を指します。つまり合計の54.6%・52.4%には、外部試験で実際に測られていない分が含まれています。

日本人の英語力の順位を読むとき、発行元自身が置いている但し書き

4つの指標はどれも、発行元が「順位づけには使うな」「代表性はない」と書いています。引用する前にここを押さえておくと、誤読が減ります。

発行元 逐語 意味するところ
ETS(TOEFL) ETS, creator of the TOEFL iBT test, does not endorse the practice of ranking countries on the basis of TOEFL scores, as this is a misuse of data. TOEFLスコアで国を順位づけることを、ETSはデータの誤用だとして支持していない
ETS(TOEFL) those taking the test are not representative of all English speakers in each country or any defined population 受験者は、その国の英語話者や特定の母集団を代表していない
EF The test-taking population represented in this Index is self-selected and not guaranteed to be representative. この指数の受験者は自ら選んで受けた人で、代表性は保証されない
EF This sampling bias would tend to skew scores lower or higher than those of the general population. インターネット環境が必要なことなどで、一般人口より高くも低くも出うる
IELTS the tables show the top nationalities and languages listed alphabetically, not in order of the size of the candidature 国籍の表はアルファベット順で、受験者数の多い順でも成績順でもない
ETS(TOEIC) The vast majority of test takers included in this report are from Asia, so the results may not be representative of other regions. 受験者の大多数はアジア出身で、他地域を代表していない可能性がある

EF EPIは、自分のスコアが他の試験とどれくらい連動しているかも公表しています。逐語は「EF EPI 2025 scores have been found to correlate strongly with TOEFL iBT 2023 scores (r=0.74) and IELTS Academic Test 2024 scores (r=0.61).」。相関はあるが一致ではない、という位置づけです。

EF SETの回答者の内訳

2025年版レポートによると、回答者の女性46%・男性40%・性別未記入14%。年齢を答えた人の平均は26歳で、85%が35歳未満、99.5%が60歳未満。2024年の受験者の46%はモバイル端末から受けています。日本の数字も、この層の集まりから出ています。

日本人の英語力で、公表されていない数字

よく探されるのに、公式に数字が出ていないものを、公表されている範囲と合わせて並べます。

数字 公表の状況
日本人全体の平均的な英語力を表す単一の公的な数字 試験データはいずれも受験者のみの集計
EF EPIの国別・年別の受験者数 レポートは世界全体の220万人超という総数のみを出しており、国ごとの人数は載っていない
IELTS・TOEFLの国籍別受験者数 公開ファイルには平均バンド・平均点のみで、人数の列が無い
「日本は◯年連続で順位を下げた」という連続年数 スコアの前年差(−8)のみ採用した
EF EPIの日本の年代別スコアの内訳 ファクトシートではグラフのみで、年代ごとの数値が読み取れなかった
日本の英語力と経済指標の因果関係 EF EPIは各種指標との相関係数を出しているが、因果については何も述べていない

特に「日本人の英語力は世界で◯位」という言い方は、EF EPIの順位を指しているのか、他の試験の並べ直しを指しているのかで、答えが変わります。見かけたときは、どの指標の何年版かを先に確かめるのが確実です。

日本人の英語力の世界順位を調べるとき、最後に確認しておくこと

この記事で並べた数字を、確認の順番にまとめ直します。

  • EF EPI 2025年版で日本は96位(123の国と地域中)、スコア446、バンドはVery Low
  • 世界平均488との差は42ポイント。前年版454からは8ポイント下がった
  • アジア25の国・地域の中では17番目。韓国522・中国464との差は76・18ポイント
  • 技能別は読む454・聞く437・書く394・話す393で、話すと書くが50ポイント以上低い
  • TOEFL iBT 2024年データで日本の平均は72点。アジア31の国・地域中29番目
  • IELTS Academic 2024-2025で日本のOverallは5.82、Speaking 5.47は公表40か国籍中いちばん低い
  • TOEIC L&Rの2025年版で母国=日本は564点(リスニング313・リーディング251)
  • 文部科学省の令和7年度調査で、高3のB1相当以上は23.9%(うち外部試験で取得は17.2%)
  • ETSは「TOEFLスコアで国を順位づけるのはデータの誤用」と明記している

順位は、指標が変われば変わります。版年と指標名を書かずに「世界◯位」だけを引用すると、古い値や別指標の値が独り歩きします。引用するときは「EF EPI 2025年版で」のように、指標と版を添えるのが安全です。

この記事の数字の出どころ

順位・スコア・バンド・技能別・地域別・職種別はEF EPI 2025年版レポートと日本ファクトシート、TOEFLの国別平均点はETS「TOEFL iBT Test and Score Data Summary 2024」、IELTSの国籍別平均バンドはIELTS公式の「Test taker performance data 2024-2025」、TOEICの母国別平均点はETS「2025 Report on test takers worldwide」、中高生の英語力は文部科学省「令和7年度 英語教育実施状況調査」から採りました。いずれも2026年9月11日に各公式サイトからファイルを取得して確認しています。

この記事で使った、日本人の英語力に関する一次ソース

すべて2026年9月11日に取得して確認しました。リンクは張っていないため、アドレスをコピーして開いてください。

EF|EF EPI 2025 Edition レポート(PDF):https://www.ef.com/assetscdn/WIBIwq6RdJvcD9bc8RMd/cefcom-epi-site/reports/2025/ef-epi-2025-english.pdf

EF|EF EPI 2025 日本ファクトシート(PDF):https://www.ef.com/assetscdn/WIBIwq6RdJvcD9bc8RMd/cefcom-epi-site/fact-sheets/2025/ef-epi-fact-sheet-japan-english.pdf

ETS|TOEFL iBT Test and Score Data Summary 2024(PDF):https://www.ets.org/pdfs/toefl/toefl-ibt-test-score-data-summary-2024.pdf

IELTS|Test statistics(Test taker performance data 2024-2025のXLSXはこのページから):https://ielts.org/researchers/our-research/test-statistics

ETS|2025 Report on test takers worldwide — Listening & Reading tests(PDF):https://www.jp.ets.org/pdfs/toeic/toeic-listening-reading-report-test-takers-worldwide.pdf

文部科学省|令和7年度「英語教育実施状況調査」の結果について:https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_0007.htm

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次