中学校で英語の授業は、年に何コマあるのか。答えは第1学年140単位時間、第2学年140単位時間、第3学年140単位時間。3年間の合計は420単位時間で、週に直すと各学年4コマです。1単位時間は50分と定められています。
この記事は、学校教育法施行規則の別表第二と、文部科学省が公表している学習指導要領および解説に載っている数字を、外国語(英語)だけ抜き出して並べ直したものです。数字はすべて2026年9月16日に文部科学省の公式サイトで確認しました。公表されていない数字は書いていません。
中学校の英語の授業時数は、各学年140単位時間=週4コマ
まず結論の数字から書きます。学校教育法施行規則の別表第二に、中学校の各教科の標準授業時数が学年ごとに定められています。外国語の行は3学年とも140です。
| 学年 | 外国語の標準授業時数 | 週当たりのコマ数 | 1単位時間 |
|---|---|---|---|
| 第1学年 | 140単位時間 | 4コマ | 50分 |
| 第2学年 | 140単位時間 | 4コマ | 50分 |
| 第3学年 | 140単位時間 | 4コマ | 50分 |
| 3年間の合計 | 420単位時間 | ― | ― |
週当たりのコマ数の列は、1年をおよそ35週として編集部が140を35で割った値です。文部科学省の資料でも、中学校の標準授業時数の表に週当たりのコマ数が併記されており、外国語は(4)と表示されています。
中学校の英語の時数は、学習指導要領ではなく施行規則の別表に載っている
探す場所を間違えやすい箇所です。授業時数は学習指導要領の本文ではなく、学校教育法施行規則という省令の別表に書かれています。中学校は別表第二(第七十三条関係)です。
学習指導要領の条文の側には「各教科等のそれぞれの授業時数並びに各学年におけるこれらの総授業時数は、別表第二に定める授業時数を標準とする」という参照だけがあります。数字そのものは省令の側にあり、学習指導要領解説には付録として転載されています。
別表第二の備考も短い2行です。一、この表の授業時数の一単位時間は、五十分とする。二、特別活動の授業時数は、中学校学習指導要領で定める学級活動(学校給食に係るものを除く。)に充てるものとする。小学校の別表第一では一単位時間が45分なので、ここが中学校と小学校で違います。
中学校の英語は、9教科の中で3年間の合計がいちばん多い
外国語の420単位時間が、ほかの教科と比べて多いのか少ないのか。別表第二の全体を並べると位置が分かります。
| 区分 | 第1学年 | 第2学年 | 第3学年 | 3年間の合計 |
|---|---|---|---|---|
| 外国語 | 140 | 140 | 140 | 420 |
| 国語 | 140 | 140 | 105 | 385 |
| 数学 | 140 | 105 | 140 | 385 |
| 理科 | 105 | 140 | 140 | 385 |
| 社会 | 105 | 105 | 140 | 350 |
| 保健体育 | 105 | 105 | 105 | 315 |
| 技術・家庭 | 70 | 70 | 35 | 175 |
| 音楽 | 45 | 35 | 35 | 115 |
| 美術 | 45 | 35 | 35 | 115 |
| 特別の教科である道徳 | 35 | 35 | 35 | 105 |
| 総合的な学習の時間 | 50 | 70 | 70 | 190 |
| 特別活動 | 35 | 35 | 35 | 105 |
| 総授業時数 | 1,015 | 1,015 | 1,015 | 3,045 |
3年間の合計の列は、別表第二の学年ごとの数字を編集部が足したものです。外国語の420単位時間は、国語・数学・理科の385単位時間より35単位時間多く、9教科の中で最も多い数字です。総授業時数3,045に占める割合は、編集部の計算で約13.8%になります。
学年ごとに見ると、外国語だけが3年間まったく同じ140で並んでいる点も特徴です。国語は第3学年で105に減り、数学と理科は学年によって105と140を行き来しています。保健体育と外国語だけが、3年間一定です。
中学校の英語の1単位時間は50分。年140コマを時間に直すと
単位時間のままだと実感が出にくいので、備考にある50分を掛けて分と時間に直します。以下はすべて編集部の計算です。
- 1年間=140単位時間 × 50分 = 7,000分 = 約116.7時間
- 3年間=420単位時間 × 50分 = 21,000分 = 350時間
- 週4コマ × 50分 = 週200分
中学校3年間の英語の授業は、時間に直すと350時間です。この数字は標準授業時数をそのまま時間換算したものであり、実際に各学校が配当している時数とは一致しません。実際の配当は学校ごとに定めるものだからです。
中学校の英語は、平成24年度に週3コマから週4コマへ増えた
この140という数字は、昔からのものではありません。平成24年度に中学校で全面実施された平成20年改訂の学習指導要領で、105から140へ増えました。文部科学省が公表している新旧対照表の数字です。
| 教科 | 平成10年改訂(3年間合計) | 平成20年改訂(3年間合計) | 差 |
|---|---|---|---|
| 外国語 | 315(各学年105・週3コマ) | 420(各学年140・週4コマ) | +105 |
| 理科 | 290 | 385 | +95 |
| 数学 | 315 | 385 | +70 |
| 社会 | 295 | 350 | +55 |
| 保健体育 | 270 | 315 | +45 |
| 国語 | 350 | 385 | +35 |
| 技術・家庭 | 175 | 175 | 0 |
| 音楽 | 115 | 115 | 0 |
| 美術 | 115 | 115 | 0 |
| 総授業時数 | 2,940(各学年980) | 3,045(各学年1,015) | +105 |
差の列は公表されている2つの表を編集部が引き算したものです。増加幅が最も大きかったのは外国語の+105単位時間で、増えた総授業時数+105とちょうど同じ大きさです。文部科学省の改訂のポイントには、中学校について「国語・社会・数学・理科・外国語・保健体育の授業時数を実質10%程度増加」「週当たりのコマ数を各学年で週1コマ増加」と書かれています。
その後、平成29年改訂でも外国語は各学年140のまま据え置かれました。総授業時数も各学年1,015のまま変わっていません。
中学校の英語が増えた一方で、選択教科の枠は表から消えた
週1コマぶんしか総授業時数が増えていないのに、6教科の時数が増えた理由は、別の区分が減ったからです。平成10年改訂の表にあって平成20年改訂の表にない行があります。
| 区分 | 平成10年改訂 | 平成20年改訂 |
|---|---|---|
| 選択教科等の授業時数 | 第1学年0〜30/第2学年50〜85/第3学年105〜165(合計155〜280) | 表に行がない |
| 総合的な学習の時間 | 第1学年70〜100/第2学年70〜105/第3学年70〜130(合計210〜335) | 第1学年50/第2学年70/第3学年70(合計190) |
選択教科等は最大で3年間280単位時間ありましたが、平成20年改訂の標準授業時数の表からは行そのものが消えました。総合的な学習の時間も、幅を持った表記から固定の数字になり、上限で比べると145単位時間ぶん縮んでいます。
移行措置の資料にも同じ趣旨が書かれています。小学校では総授業時数を各学年で週1コマ増加させたのに対し、中学校は選択教科等の授業時数を削減するため総授業時数は変更なし、という説明でした。
中学校の英語は、小学校の210単位時間を受けて始まる
令和2年度以降、中学校に入る生徒はすでに小学校で英語を4年間学んでいます。学校教育法施行規則 別表第一の数字と合わせると、全体像はこうなります。
| 学校段階 | 区分 | 学年ごとの単位時間 | 段階の合計 | 1単位時間 |
|---|---|---|---|---|
| 小学校3・4年 | 外国語活動(教科ではない) | 各35 | 70単位時間 | 45分 |
| 小学校5・6年 | 外国語(教科) | 各70 | 140単位時間 | 45分 |
| 中学校1〜3年 | 外国語(教科) | 各140 | 420単位時間 | 50分 |
| 小・中の合計 | ― | ― | 630単位時間 | ― |
段階の合計と小・中の合計は、別表第一と別表第二の数字を編集部が足したものです。小学校で210単位時間、中学校で420単位時間。義務教育の9年間で合計630単位時間になります。平成23年度から平成31年度までは、小学校側が70単位時間しかなかったので、9年間の合計は490単位時間でした。
小学校の3・4年と5・6年は、表の上でも区分が分かれています。3・4年は「外国語活動」で教科の欄の外にあり、5・6年は「外国語」として各教科の授業時数の中に入っています。同じ英語でも、教科かどうかという扱いが学年で切り替わります。
中学校の英語で扱う語数は、1,600〜1,800語程度の新語
時数と並んで、学習指導要領が数字で示しているのが語数です。現行の中学校学習指導要領は、扱う語を次のように定めています。
| 改訂 | 中学校3学年間に指導する語 |
|---|---|
| 平成10年改訂 | 900語程度まで |
| 平成20年改訂 | 1,200語程度 |
| 平成29年改訂 | 小学校で学習した語に1,600〜1,800語程度の新語を加えた語 |
解説には「1200語程度」から改訂した理由も書かれています。五つの領域別の目標を達成するための言語活動に必要な語数であること、現行の教科書6社で3学年間に扱われている語数の合計がいずれも1,200語程度をかなり上回っていることが挙げられています。教科書の実態が先に1,200語を超えていて、基準のほうが後から追いついた形です。
中学校学習指導要領解説 外国語編には、次の3点が明記されています。①この語数は指導で取り扱う一定の目安であり、1,800語程度を上回ってはならないという趣旨ではない。②聞いたり読んだりして意味が分かるように指導すべき語彙(受容語彙)と、話したり書いたりして表現できるように指導すべき語彙(発信語彙)の両方が含まれる。③受容語彙と発信語彙は一律に区別できるものではない。「中学生が1,800語を暗記する」という読み方は、解説の書き方とは違います。
中学校の英語には「授業は英語で行うことを基本とする」という規定がある
平成29年改訂で新しく入った規定です。中学校学習指導要領解説 外国語編の改訂の要点に、「授業は英語で行うことを基本とすることを新たに規定した」と1行で書かれています。
この規定は高等学校のほうが先で、平成21年改訂の高等学校学習指導要領で導入されました。中学校に入ったのは、その8年後の告示です。解説は「『授業は英語で行う』とは、指導言語を単に日本語から英語に変えることで済むものと誤解してはならない」と釘を刺しています。
条文の側には「その際、生徒の理解の程度に応じた英語を用いるようにすること」という但し書きが付いています。中学校でこの規定が全面実施されたのは、令和3年度からです。
中学校の英語の時数は「標準」で、1割まで下回れる制度がある
別表第二の数字は「標準授業時数」と呼ばれます。文部科学省の説明では、学習指導要領で示している各教科等の内容を指導するのに要する時数を基礎として、学校運営の実態などの条件を考慮して国が定めたもの、とされています。
令和4年度からは、この標準を一定の範囲で動かせる制度も始まりました。授業時数特例校制度です。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 特例の内容 | 学年ごとに定められた各教科等の授業時数について、1割を上限として標準授業時数を下回って教育課程を編成することを特例的に認める |
| 下回った分の扱い | 生じた授業時数を別の教科等の授業時数に上乗せする |
| 守る条件 | 各学年の年間の標準授業時数の総授業時数が確保されていること |
| 中学校の対象教科 | 国語、社会、数学、理科、音楽(第1学年)、美術(第1学年)、保健体育、外国語 |
| 中学校の対象外 | 音楽・美術(第2・3学年)、技術・家庭、特別の教科 道徳、特別活動、総合的な学習の時間 |
| 公表の義務 | 特別の教育課程の内容を事前に保護者・地域に説明し、学校ホームページで公表する |
| 実施 | 令和3年8月から募集、令和4年度から実施 |
外国語は対象教科に入っているので、指定を受けた学校では140単位時間の1割にあたる14単位時間まで下回せる計算になります。14という数字は、公表されている「1割を上限」を編集部が140に当てはめたものです。一方で、標準授業時数に上乗せして授業時数を配当することは、すべての教科等において可能とされています。
対象外になっている教科の理由も書かれています。年間標準授業時数が35単位時間以下の教科等は、各教科等の目標を実現するには少なくとも年間を通して35単位時間の確保が必要であるため対象外。技術・家庭は第1・2学年が70単位時間ですが、「技術」と「家庭」で担当教員が分かれていることから対象外、とされています。
中学校の英語で、公表されていない数字
よく探されるのに、公式に数字が出ていないものを、公表されている範囲と合わせて並べます。
| 数字 | 公表の状況 |
|---|---|
| 全国の中学校が実際に配当している英語の平均時数 | 今回確認した文部科学省の公表資料の中に、実配当時数の全国平均を示した数字が見つからなかった |
| 授業時数特例校の指定校数 | 制度の概要資料には数は載っておらず、指定実績を示す数字も公表されていない |
| 中学校の英語教員1人あたりの授業持ちコマ数 | 標準授業時数の資料は生徒側の時数で、教員の持ち時間は書かれていない |
| 昭和の各改訂における中学校外国語の時数 | 文部科学省の変遷資料に教科別の時数表が載っているのは平成10年改訂と平成20年改訂の新旧対照だけだった |
| 英語が中学校で必修になった年 | 今回確認した公表資料の中に、必修化の年を明記した記述が見つからなかった |
| 私立中学校の英語の時数 | 標準授業時数は学校教育法施行規則の別表で全中学校に共通の基準として示されており、設置者別の数字は公表されていない |
| 高等学校の英語を単位時間に直した数 | 高等学校は単位制で、小中のような年間標準授業時数の表そのものが存在しない |
「実際の中学校では英語が週◯コマ」と書いている記事は、標準授業時数ではない数字を使っています。公表されているのは国が定めた標準であって、各学校が実際に配当した時数の集計ではありません。
中学校の英語で最後に確認しておくこと
中学校の英語の分量を数字で確かめるときに、押さえておく点を並べます。
- 時数は学習指導要領ではなく学校教育法施行規則 別表第二にある
- 外国語は第1〜3学年とも140単位時間、3年間で420単位時間
- 1単位時間は50分(小学校の別表第一は45分)。年35単位時間=週1コマ
- 420単位時間は9教科の中で最多。国語・数学・理科の385より35単位時間多い
- 105から140になったのは平成20年改訂で、中学校の全面実施は平成24年度
- 平成29年改訂では140のまま据え置き。増えたのは小学校の側だけ
- 小学校4年間の210単位時間を足すと、義務教育9年間で630単位時間
- 語数の1,600〜1,800語は「新語」の数で、上限でも暗記目標でもない
- 「標準」なので、授業時数特例校では1割を上限に下回せる
数字を比べるときは、どの改訂のどの年度の話かを必ずそろえます。平成24年度より前に中学校に通った人と、令和3年度以降に通う人とでは、英語の標準授業時数が3年間で105単位時間、小学校を含めると245単位時間ぶん違います。世代によって前提が違うので、数字は年度とセットで扱う必要があります。
この記事に出てくる授業時数、単位時間、語数、改訂年と実施年度、授業時数特例校制度の条件は、すべて文部科学省が公表している資料に載っている数字です。2026年9月16日に文部科学省の公式サイトで確認しました。3年間の合計、差の列、分・時間への換算、割合、14単位時間という値は、公表されている数字を編集部が計算したものです。公表されていない数字は、この記事には書いていません。
この記事で使った中学校の英語の一次ソース
すべて2026年9月16日に開いて確認しました。リンクは張らず、URLをそのまま記載します。
文部科学省|中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編(付録の学校教育法施行規則 別表第二、語数、授業は英語で行うことを基本とする規定)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387018_010.pdf
文部科学省|小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編(付録の学校教育法施行規則 別表第一、600〜700語程度)
https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2019/03/18/1387017_011.pdf
文部科学省|標準授業時数について(令和3年6月28日 第124回教育課程部会 資料4。標準授業時数の位置付け、授業時数特例校制度、参考として掲載された別表の数字)
https://www.mext.go.jp/content/20210629-mxt_kyoiku01-000016453_4.pdf
文部科学省|学習指導要領の変遷(中学校の標準授業時数の新旧対照表、平成20・21年改訂のポイント、移行措置の概要)
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/__icsFiles/afieldfile/2011/04/14/1303377_1_1.pdf
文部科学省|高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 外国語編 英語編(高等学校の科目構成と標準単位数)
https://www.mext.go.jp/content/1407073_09_1_2.pdf

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