技術英検は、4つの級のうち最上位の「プロフェッショナル」だけ合格ラインが別格です。1級・2級・3級は200点満点で120点(60%)以上が合格。プロフェッショナルは150点(75%)以上で、しかも1問でも得点率50%未満の解答があると、合計点にかかわらず不合格になります。実際、2026年7月11日の第141回はプロフェッショナル83名が受検して合格0名でした。
この記事は、技術英検を実施している一般社団法人日本能率協会が公表している試験概要・出題形式・検定料・実施結果を、級ごとに並べ直したものです。数字はすべて2026年9月16日に各公式サイトで確認しました。検定料は公式サイトが「税込」と明記している金額をそのまま写しています。
技術英検とは、英語文書を書く力だけを測る日本能率協会の検定
正式名称は「技術英語能力検定」です。公式サイトは「1981年第1回工業英検以来、40年以上にわたり継続開催し、これまでに290,000名以上の皆さまに受検いただいている」「英語文書作成力を客観的に評価する国内唯一の資格」と説明しています。
| 項目 | 公表されている内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 技術英語能力検定 |
| 英語表記 | English Technical Writing Test |
| 実施団体 | 一般社団法人日本能率協会 |
| 第1回 | 1981年(当時の名称は工業英検) |
| 累計の受検者 | 290,000名以上 |
| 級の数 | 4段階(プロフェッショナル・1級・2級・3級)+準プロフェッショナル |
| 受検形式 | PBT(ペーパー受検)とCBT(コンピュータ受検)の2種類 |
評価の軸として掲げられているのが「技術英語の3C」です。Correct(正確)・Clear(明確)・Concise(簡潔)の3つで英語文書作成力を評価すると明記されています。スピーキングやリスニングの試験はありません。
技術英検の級は4段階。プロフェッショナルだけ合格基準が違う
4つの級について、公式サイトが出している合格基準・検定料・実施時間を1枚にまとめます。
| 級 | 合格基準(200点満点) | 検定料(税込) | 実施時間 | 解答形式 |
|---|---|---|---|---|
| プロフェッショナル | 合計で75%以上(150点以上)。ただし得点が50%未満の解答が1問でもあると合計点にかかわらず不合格 | 17,000円 | 14:00〜16:00(120分) | 記述式 |
| 準プロフェッショナル | プロフェッショナル受検者のうち、合計で60%以上(120点以上) | ―(プロフェッショナルの受検に含まれる) | 同上 | 記述式 |
| 1級 | 合計で60%以上(120点以上) | 9,000円 | 12:20〜13:40(80分) | I〜IVはマークシート方式、V〜VIは記述式 |
| 2級 | 合計で60%以上(120点以上) | 6,900円(団体受検6,400円) | 10:50〜12:00(70分) | 全問マークシート方式 |
| 3級 | 合計で60%以上(120点以上) | 3,600円(団体受検3,500円) | 9:30〜10:30(60分) | 全問マークシート方式 |
準プロフェッショナルは、単独で申し込める級ではありません。プロフェッショナルを受検した人のうち、120点以上150点未満だった人に与えられる判定です。実施時間が同じなのはこのためです。
検定料はPBT試験とCBT試験で共通だと明記されています。ただしCBT試験の対象は2級と3級のみです。
技術英検の各級に求められるスキルは、言葉で定義されている
公式サイトは、級ごとに「求められるスキル」を短い文で示しています。そのまま引き写します。
| 級 | 公表されている「求められるスキル」 |
|---|---|
| プロフェッショナル | ほぼ完璧なテクニカル・ライティングの能力を有する/技術英語の3Cを理解し、実務文書の種類に応じ、正しく使い分け、簡潔に書くことができる |
| 準プロフェッショナル | テクニカル・ライティングを実務レベルで運用できる能力を有する |
| 1級 | テクニカル・ライティングを実践するための英語の知識があり、基礎的な英文作成能力を有する/技術英語の3Cをベースに英語実務文書の要約、議事録、eメール等の短文が書ける |
| 2級 | 将来的にテクニカル・ライティングを実践するための英語の知識を有する |
| 3級 | 将来的にテクニカル・ライティングを実践するための英語の知識を有する |
2級と3級の「求められるスキル」は、公式サイト上でまったく同じ文です。両者の違いは出題の構成と問題数にあり、スキルの定義では分かれていません。
技術英検プロフェッショナルの出題範囲は、記述式5問だけ
最上位級の出題は5つのパートに分かれています。すべて記述式です。
| No. | 出題形式 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| I | 英語長文(800words前後)の英文要約 | 2 | 50点 |
| II | 和文(200〜300文字)英訳 | 1 | 30点 |
| III | 冗長和文(500文字)の英文要約 | 1 | 40点 |
| IV | テクニカルライティングの考え方 | 2〜3 | 40点 |
| V | 冗長英文のリライト | 2〜4 | 40点 |
配点を足すと200点になります。「得点が50%未満の解答が1問でもあると不合格」という条件は、この5つのパートすべてで半分以上を取り続ける必要があることを意味します。合計で150点を超えていても、どれか1つが落ち込めば通りません。
技術英検1級の出題範囲は、マークシートと記述の混在
1級はI〜IVがマークシート、V〜VIが記述式です。
| No. | 出題形式 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|---|
| I | 文脈に合う適切な語句の補充 | 10 | 30点 |
| II | 適切にリライトされた短文の選択 | 4 | 16点 |
| III | リライトされた短文の空所補充 | 6 | 24点 |
| IV | パラグラフ問題 | 5 | 30点 |
| V | 複数の文章から1文へのリライト(記述式) | 3 | 30点 |
| VI | 和文英訳(記述式) | 2 | 70点 |
記述式のV・VIだけで100点。200点満点の半分が記述に振られています。合格ラインが120点なので、マークシート部分で満点を取っても、記述を20点以上積まなければ届きません。なお公式サイトには「旧工業英検準2級と一部出題形式が変わります」という注意書きが付いています。
技術英検2級と3級の出題範囲は、全問マークシート
2級と3級はいずれも全問マークシート方式で、パートの数だけが違います。
| No. | 2級の出題形式 | 問題数 | 配点 | 3級の出題形式 | 問題数 | 配点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| I | 語彙日英 | 10 | 30点 | 語彙日英 | 10 | 20点 |
| II | 語彙解釈 | 5 | 20点 | 語彙解釈 | 5 | 20点 |
| III | 文脈に合う適切な語の選択 | 10 | 40点 | 文脈に合う適切な語の選択 | 10 | 40点 |
| IV | リライトされた短文の空所補充 | 4 | 20点 | 2分割されたフレーズの組合せ | 6 | 30点 |
| V | 和文英訳の空所補充 | 6 | 30点 | 文脈に合う適切な語の補充 | 6 | 36点 |
| VI | パラグラフ問題 | 4 | 24点 | 和文英訳の空所補充 | 6 | 30点 |
| VII | 和文英訳の語句並べ替え | 6 | 36点 | パラグラフ問題 | 4 | 24点 |
2級は7パート45問、3級は7パート47問です。3級には「2分割されたフレーズの組合せ」という基礎的な設問があり、2級にはその代わりに「リライトされた短文の空所補充」が入ります。3級と2級の差は、リライトを自分で評価できるかどうかに置かれています。
技術英検の合格率は、回ごとに公式サイトが公表している
日本能率協会は、回ごとの受検者数・合格者数・合格率をPBT試験について公開しています。直近7回を並べます。
| 回(実施日) | プロフェッショナル | 準プロフェッショナル | 1級 | 2級 | 3級 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第141回(2026年7月11日) | 83名中0名・0% | 7名・8% | 91名中64名・70% | 29名中13名・45% | 149名中60名・40% |
| 第140回(2026年1月10日) | 102名中0名・0% | 8名・8% | 96名中48名・50% | 59名中36名・61% | 96名中40名・42% |
| 第139回(2025年10月18日) | 実施なし | 実施なし | 90名中67名・74% | 50名中19名・38% | 279名中238名・85% |
| 第138回(2025年7月12日) | 85名中3名・4% | 22名・26% | 83名中46名・55% | 42名中30名・71% | 215名中161名・75% |
| 第137回(2025年1月11日) | 115名中4名・3% | 29名・25% | 106名中67名・63% | 38名中20名・53% | 154名中106名・69% |
| 第136回(2024年10月20日) | 実施なし | 実施なし | 101名中85名・84% | 62名中39名・63% | 507名中419名・83% |
| 第135回(2024年7月20日) | 87名中0名・0% | 28名・32% | 106名中69名・65% | 48名中34名・71% | 129名中81名・63% |
直近5回のプロフェッショナルの合格者は、0名・0名・3名・4名・0名。5回のうち3回が合格者ゼロです。一方で「準プロフェッショナル」の認定は毎回7〜29名出ており、プロフェッショナル受検者の8〜32%がここに入っています。2級と3級の合格率は回によって38%から85%まで振れており、回を特定せずに「技術英検2級の合格率は◎%」と1つの数字で言うことはできません。
技術英検の受検形式は、PBTとCBTで受けられる級が違う
受検の方法は2つあり、選べる級と日程が分かれています。
| 項目 | PBT試験(ペーパー受検) | CBT試験(コンピュータ受検) |
|---|---|---|
| 実施級 | 回によって異なる(プロフェッショナル・1級・2級・3級) | 2級・3級のみ |
| 受検日 | 事務局が指定した日程 | 受検者が任意の日を選ぶ(年末年始やシステムメンテナンス時を除く) |
| 申し込み受付 | 回ごとの受付期間内 | 随時受付 |
| 会場 | 事務局が指定した会場 | 主催者が設定した全国の会場から任意に選ぶ |
| 検定料 | PBTとCBTで共通 | |
| 模範解答の公開 | 第133回まで受検後およそ1か月後を目途に公開。以降は別途案内 | 通年受検のため公開しない |
プロフェッショナルと1級はCBTでは受けられません。記述式の比重が大きい級はPBTだけで実施されています。
技術英検の直近の試験日程は、公式サイトに回ごとに出ている
2026年9月16日の時点で公表されていた日程です。
| 回 | 試験日 | 実施級 | 申し込み受付期間 | 個人受検の会場(予定) | 合否結果の発表日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 第142回 | 2026年10月17日(土) | 1級・2級・3級 | 8月14日(金)〜9月18日(金) | さいたま市、秋葉原、立川、横浜市、名古屋市、大阪市 | 11月20日(金)12:00〜 |
| 第143回 | 2027年1月30日(土) | プロフェッショナル・1級・2級・3級 | 11月13日(金)〜12月25日(金) | さいたま市、秋葉原、立川、横浜市、名古屋市、大阪市、福岡市 | 2027年3月5日(金)12:00〜 |
プロフェッショナルは毎回実施されるわけではありません。第139回と第136回では実施されておらず、第142回でも対象外です。最上位級を狙うなら、実施級の欄を先に見る必要があります。団体受検は10名以上から受け付けると書かれています。
技術英検の級の名前は、旧・工業英検から付け替わっている
2020年に「工業英検(工業英語能力検定)」から「技術英検(技術英語能力検定)」へ名称が変わり、級の呼び名も入れ替わりました。第122回までが工業英語能力検定、第123回からが技術英語能力検定です。
| 旧・工業英検 | 現在の技術英検 | 英語表記 |
|---|---|---|
| 工業英検1級相当 | 技術英検プロフェッショナル | Professional Level A |
| 工業英検2級相当 | 技術英検準プロフェッショナル | ― |
| 工業英検準2級相当 | 技術英検1級 | Advanced Level |
| 工業英検3級相当 | 技術英検2級 | Intermediate Level |
| 工業英検4級相当 | 技術英検3級 | Preliminary Level |
公式サイトは「旧『工業英検』合格者が保有する資格は『工業英検○級』となり、『技術英検○級』と表記することはできない」と注意しています。履歴書やエントリーシートに書くときに読み替えてはいけない、という趣旨です。級の位置が2段ずれているため、旧3級と新3級は別物になります。
技術英検で、公表されていない数字
よく探されるのに、公式に数字が出ていないものを、公表されている範囲と合わせて並べます。
| 数字 | 公表の状況 |
|---|---|
| CBT試験の合格率 | 公式サイトにCBT試験結果のタブはあるが、掲載されている実施結果は「すべてPBT試験の結果」と明記されている |
| 準プロフェッショナルの合格者の実数 | 公表されているのは認定された人数と、プロフェッショナル受検者に対する割合だけ |
| CEFR・TOEIC・英検との対応 | 公式サイトに他試験との換算表が1つもない |
| 各級の平均点・得点分布 | 公表されていない |
| 年度ごとの受検者総数 | 累計290,000名以上という数字はあるが、年ごとの内訳は出ていない |
| 団体受検の申込人数の上限 | 「10名様以上」という下限だけが書かれている |
| CBT試験の会場の一覧と数 | 会場は申し込みシステム側で選ぶ形になっており、公式サイトの案内ページに数が出ていない |
「技術英検2級はTOEIC◎点相当」という言い方は、公式のどこにも根拠がありません。日本能率協会は他試験との対応を公表していないため、換算した数字を出している記事は独自の推定です。
技術英検で最後に確認しておくこと
申し込む前に、公式サイトで確かめておきたい項目を並べます。
- 受けたい級がその回で実施されるか(プロフェッショナルは毎回ではない)
- PBTとCBTのどちらで受けるか。CBTは2級・3級のみ
- 合格ラインは200点満点で120点(1級・2級・3級)。プロフェッショナルは150点かつ全問50%以上
- 検定料は税込の表示。2級・3級は団体受検だと500円・100円安い
- 1級は記述式が100点ぶんある。マークシートだけでは合格ラインに届かない
- 合格率は回ごとに大きく振れる。1つの数字で判断しない
- 旧・工業英検の級名は、そのまま技術英検の級名に読み替えられない
- 試験日と申し込み締切の間隔(第142回は約1か月)
最初に見るべきは「その回に受けたい級があるか」です。プロフェッショナルは直近7回のうち2回が実施なし。級の一覧より先に、回ごとの実施級の欄を確認するほうが早く済みます。
この記事に出てくる級の構成、合格基準、検定料、実施時間、出題パートの問題数と配点、回ごとの受検者数・合格者数・合格率、試験日程は、すべて一般社団法人日本能率協会が運営する技術英検のサイトに掲載されている数字です。2026年9月16日に各公式サイトで確認しました。「直近5回のうち3回が合格者ゼロ」など回をまたいで数えた部分は、公式が回ごとに出している数字を編集部が並べて数えたものです。公表されていない数字は、この記事には書いていません。
この記事で使った技術英検の一次ソース
すべて2026年9月16日に開いて確認しました。リンクは張らず、URLをそのまま記載します。
一般社団法人日本能率協会|技術英検とは(級の概要・合格基準・検定料・実施時間・旧工業英検からの変更点)
https://jstc.jma.or.jp/exam/about.html
一般社団法人日本能率協会|検定を受ける(試験日程・会場・検定料・受検形式)
https://jstc.jma.or.jp/exam/index.html
一般社団法人日本能率協会|出題形式・レベル・内容・サンプル試験問題(級ごとの問題数と配点)
https://jstc.jma.or.jp/know/level.html
一般社団法人日本能率協会|実施結果・受検者と合格推移(回ごとの受検者数・合格者数・合格率)
https://jstc.jma.or.jp/know/index.html
一般社団法人日本能率協会|技術英検 トップページ
https://jstc.jma.or.jp/

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