外資系企業に必要な英語力について、公的な統計がはっきり示している数字が1つあります。経済産業省の外資系企業動向調査で、外資系企業が「日本人の人材を確保する上での阻害要因」の1位に挙げたのは「英語でのビジネスコミュニケーションの困難性」で、回答企業の54.1%でした。給与水準や労働規制より上に、英語が来ています。
この記事は、経済産業省・日本貿易振興機構(ジェトロ)・IIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)・文部科学省が公表している数字を並べ直したものです。数字はすべて2026年9月16日に各公式サイトおよび公表PDFで確認しました。求人広告や口コミに出てくる「目安」は使わず、調査名と年を必ず添えています。書いているのは編集部です。
外資系企業で求められる英語力は、公表データでどこまで分かるのか
先に結論を書きます。「外資系企業ならTOEIC◯点」という統一基準は、どの公的機関も公表していません。日本の法令にも、業界団体の申し合わせにも、そうした線引きは存在しません。公表されているのは、次の3種類だけです。
- 外資系企業が「英語が壁になっている」と答えた割合(経済産業省・ジェトロの企業調査)
- 企業・団体が部門ごとに期待しているTOEICスコアの平均(IIBCの調査)
- 個別の会社が自社サイトで公開している社内基準(例=楽天グループ)
この3つを重ねると「外資系で必要な英語力」の輪郭は描けますが、1本の数字にはなりません。逆に言えば、1本の数字を断言している情報源は、どこかで推測を混ぜていることになります。この記事では、出どころのある数字だけを順番に並べます。
①経済産業省「第54回 外資系企業動向調査」(2020年調査/2019年度実績)②ジェトロ「2025年度 外資系企業ビジネス実態調査」③IIBC「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」④IIBC「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026」(2025年度データ)⑤文部科学省「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」(平成30年3月)⑥楽天グループの採用サイト(2024年5月30日付)
外資系企業の採用で「英語」が最大の壁になっている公的データ
経済産業省の「第54回 外資系企業動向調査」は、2020年3月末時点で外国投資家の出資比率が3分の1を超える日本国内の企業を対象にした一般統計です。調査対象5,748社に調査票を配り、2,978社から回収(回収率51.8%)、集計対象となった操業中の企業は2,808社でした。
この調査には「日本人の人材を確保する上での阻害要因」という設問があります。上位3つまでの複数回答で、回答した2,466社の結果が次の表です。
| 日本人の人材確保上の阻害要因 | 2020年調査(n=2,466) | 2019年調査(n=2,551) |
|---|---|---|
| 英語でのビジネスコミュニケーションの困難性 | 54.1% | 55.6% |
| 給与等報酬水準の高さ | 48.6% | 50.9% |
| 労働市場の流動性不足 | 39.0% | 37.5% |
| 募集・採用コスト | 37.6% | 37.8% |
| 厳格な労働規制 | 25.4% | 24.2% |
| 法定外福利費水準の高さ | 20.6% | 18.1% |
| 人材仲介・斡旋サービス市場の未成熟 | 8.2% | 8.1% |
2年続けて1位が英語です。外資系企業の側から見ると「英語が使える人が採れない」が、報酬でも規制でもなく最初に来る困りごとだったということになります。求職者の側から読み替えれば、英語が通じる状態にあること自体が、外資系の採用市場では希少だと企業が認識している、という意味になります。
なお、この外資系企業動向調査は2020年調査をもって終了しています。経済産業省の統計ページでも、以後の動向についてはジェトロのアンケート調査を参照するよう案内されています。そのため、2019年度実績が公的統計としては最後の数字です。
外資系企業が2025年に挙げた課題のなかでの英語の位置
経済産業省の調査が終わったあとを引き継いでいるのが、ジェトロの「外資系企業ビジネス実態調査」です。2025年度調査は、日本国内の外資系企業7,698社を対象に2025年9月25日から10月31日まで実施され、1,520社から回答がありました(回答率19.7%)。ここでの外資系企業の定義は、外国資本比率25%以上の企業と、外国企業の日本法人と判断した企業です。
この調査で新しく設けられた「世界のほかの市場と比較した日本のビジネス環境の課題」(複数回答、n=1,423)の結果が次の表です。
| 日本のビジネス環境の課題(2025年度) | 回答割合 |
|---|---|
| 為替レートの変動リスク | 52.1% |
| 言語・コミュニケーション上の障害の多さ | 40.3% |
| 労働力の不足・人材採用難(専門職、経営層、管理職、研究者など) | 38.4% |
| 少子高齢化、人口減少に伴う市場の縮小 | 38.2% |
| 景気後退による購買力の低下 | 33.2% |
| 土地/事務所スペースの不足、地価/賃料の上昇 | 33.2% |
| 文化・商習慣の違い | 29.7% |
| 自然災害 | 28.5% |
| 行政手続きの煩雑さ | 28.1% |
| ビジネス推進にかかるコストの高さ | 25.5% |
為替に次ぐ2位が言語です。為替は日本で事業をする以上どうにもならない外部要因なので、企業が自分で手を打てる課題としては言語が実質1位という読み方ができます。5年前の経済産業省調査で1位だった英語の問題が、2025年時点でも上位に残っていることが確認できます。
同じ調査の人材に関する設問(n=1,512)では、採用活動を実施しているが必要な人材の確保が困難、あるいは困難な見込みと答えた企業が44.5%、確保できている企業が11.6%、採用活動を実施していない企業が43.8%でした。困難と答えた企業に確保が難しい職種を聞くと(n=665)、営業系が60.2%で突出し、非IT技術系28.3%、事務系21.7%、ITデジタル系20.0%と続きます。
外資系企業の人材確保の打ち手に英語研修がどれだけ入っているか
ジェトロの同じ調査には「人材確保のために実施している(予定を含む)取り組み」という設問があります。回答した1,297社の結果を並べると、英語が打ち手として何位に来るかが分かります。
| 人材確保のための取り組み(2025年度・複数回答) | 全体(n=1,297) |
|---|---|
| 賃上げ | 35.9% |
| 自社の知名度向上・広報強化 | 34.4% |
| リモートワークの推進 | 25.5% |
| 社員の英語等外国語能力向上 | 24.6% |
| 女性活躍の推進 | 20.6% |
| 採用活動への予算・資源配分増 | 19.5% |
| 成果重視の評価制度改革 | 18.7% |
| 国外人材の採用・異動(高度人材) | 16.8% |
| リスキリング | 12.6% |
| 留学生の雇用 | 5.4% |
「社員の英語等外国語能力向上」が4位の24.6%です。業種別では卸売業・商社が27.5%で最も高く、製造業25.0%、小売業24.4%、サービス業21.5%と続きます。つまり、外資系企業のおよそ4社に1社が、入社後に社内で語学力を引き上げる前提で動いていることになります。
ここは求職者にとって大事な読み方ができるところです。入口の英語力だけで全部が決まるのではなく、入社後に社内研修で伸ばす仕組みを持っている会社が一定数ある、という事実がデータとして残っています。ただし、その割合は4分の1程度であって、残りの4分の3は語学を打ち手に挙げていません。
外資系企業の目安になるTOEICスコアはIIBCの調査に出ている
外資系に限った公的なスコア基準はありませんが、企業・団体全体が部門別にどのくらいのスコアを期待しているかは、IIBCの「英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022」に出ています。TOEIC Listening & Reading(990点満点)での数字です。
| 企業・団体が期待するTOEIC L&Rスコア(2022年調査) | 平均 |
|---|---|
| 新入社員 | 550点 |
| 中途社員 | 580点 |
| 技術部門 | 560点 |
| 営業部門 | 580点 |
| 海外部門 | 705点 |
同じ調査では、採用時にTOEICスコアを要件としている・参考としている・今後要件や参考とする可能性があると答えた企業の合計が73.6%でした。昇進・昇格でスコアを要件または参考にしている企業はどの役職でも4割前後、海外出張や赴任者の選抜では5〜6割が要件または参考にしています。
この表で外資系の実務に最も近いのは「海外部門」の705点です。日常業務の相手が海外拠点や本社になる働き方という点で、条件が重なります。ただしこれは企業・団体全体の平均であって、外資系企業だけを抜き出した数字ではありません。705点という数値を「外資系の基準」と言い換えるのは、調査が言っていないことを足すことになります。
外資系企業の英語力をCEFRに置き換えると何段階目か
スコアだけでは「どのくらい話せるのか」が分かりません。そこで使えるのが、文部科学省が平成30年3月に公表した「各資格・検定試験とCEFRとの対照表」です。CEFRはヨーロッパ評議会が2001年に発表した6段階の共通参照枠で、A1からC2まであります。
この対照表でTOEICを扱うときの注意点が1つあります。表の欄はTOEIC L&RとTOEIC Speaking & Writingの合算で、S&Wのスコアを2.5倍にして足した合計(満点1990点)で判定すると明記されています。L&Rだけの点数をそのまま当てはめる使い方は、この表の想定ではありません。
| CEFR | TOEIC L&R+S&W×2.5の合計スコア | CEFRの説明(要約されていない公表定義の主旨) |
|---|---|---|
| C1 | 1845〜1990 | 熟練した言語使用者。高度な内容の長い文章を理解し、言葉を探す印象を与えずに流暢に自己表現できる |
| B2 | 1560〜1840 | 自立した言語使用者。専門分野の技術的な議論も含め、複雑な文章の主要な内容を理解できる |
| B1 | 1150〜1555 | 自立した言語使用者。仕事や学校で普段出会う身近な話題について主要な点を理解できる |
| A2 | 625〜1145 | 基礎段階の言語使用者。身近で日常の事柄について単純で直接的な情報交換ができる |
| A1 | 320〜620 | 基礎段階の言語使用者。よく使われる日常的表現と基本的な言い回しを理解し用いることができる |
外資系の業務で語られることが多い「会議で議論に入れる」「専門分野のやり取りができる」という状態は、この定義ではB2の説明文と重なります。C1は「言葉を探している印象を与えずに」と書かれている段階です。求人票の「ビジネスレベル」という言葉には公的な定義がないので、CEFRのどの段階かに置き換えたほうが、話が噛み合いやすくなります。
外資系企業に近い職種のTOEIC平均スコアは実測で出ている
期待値ではなく、実際に受験した人が何点取っているかも公表されています。IIBCの「TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026」は2025年度のデータをまとめたもので、TOEIC L&R公開テストの受験者数は755,473人、平均は616点(Listening 337点、Reading 279点)でした。社会人308,493人の平均は649点、学生434,399人の平均は592点です。
職種別の平均スコアを見ると、外資系で想定される仕事との距離が見えます。
| 職種(公開テスト・2025年度) | 受験者数 | Totalの平均スコア |
|---|---|---|
| 海外 | 7,820人 | 717点 |
| 教育 | 18,323人 | 711点 |
| 法務 | 5,627人 | 698点 |
| 財務 | 2,984人 | 694点 |
| 経営 | 9,715人 | 670点 |
| 企画 | 17,245人 | 669点 |
| マーケティング | 8,753人 | 662点 |
| 営業 | 45,007人 | 627点 |
| 技術 | 46,755人 | 599点 |
| 製造 | 8,866人 | 561点 |
最も高いのが「海外」の717点で、IIBCの2022年調査で企業が海外部門に期待していた705点とほぼ重なります。期待値と実測値が10点ほどの差に収まっている点は、700点前後という水準が現場の感覚と離れていないことを示しています。役職別では役員679点、部長670点、課長655点、係長633点、一般社員634点でした。
外資系企業で社内基準を自社サイトに公開している会社の例
個別企業の社内基準は、公開している会社がごく限られます。日本語で自社サイトに明記している代表例が楽天グループです。同社の採用サイトには2024年5月30日付の記事があり、「楽天グループは社内公用語が英語であり、TOEIC800点が入社条件の一つとなっています」と書かれています。
同じ記事には、内定時点で800点に届いていない学生向けにエンジニア新卒採用部門がTOEIC研修を提供していること、2024年新卒向けの研修では24人が800点を取得し、参加者は平均で約180点のスコアアップだったことも記載されています。社内基準を数字で公開し、達成できていない人向けの研修まで公開している会社は珍しいので、比較の物差しとして使えます。
楽天グループは外資系企業ではなく、日本に本社を置く会社です。外資系企業のうち何社がTOEICスコアを社内基準として公開しているかを集計した統計は、確認した範囲では見つかりませんでした。転職サイトや語学スクールが挙げている「外資系は700点」「金融は850点」といった数字は、出典となる調査名が示されていないものが大半なので、この記事では採用していません。
外資系企業の母国籍と業種から見た「どの英語が要るか」
「外資系」とひとまとめにされますが、中身は国籍も業種もばらけています。経済産業省の第54回調査で集計された2,808社の内訳が次の表です。
| 母国籍 | 企業数 | 構成比 |
|---|---|---|
| ヨーロッパ系企業 | 1,197社 | 42.6% |
| アジア系企業 | 822社 | 29.3% |
| (うち中国) | 317社 | 11.3% |
| アメリカ系企業 | 607社 | 21.6% |
| その他 | 182社 | 6.5% |
最も多いのはヨーロッパ系で、アメリカ系は21.6%にとどまります。外資系=アメリカ企業というイメージとは、実際の分布がずれているということです。本社側の相手が英語を母語としない人である場面が、確率としてはかなり多くなります。
業種別では、製造業が489社(17.4%)、非製造業が2,319社(82.6%)で、非製造業が8割を超えます。単独の業種では卸売業が1,096社で全体の39.0%を占めて最多、次いでサービス業441社、情報通信業287社、小売業139社、金融・保険業130社、運輸業87社、不動産業36社の順でした。卸売業が4割近いという分布は、取引先や本社とのやり取りが日常的に発生する仕事が中心だということを示しています。
外資系企業の6割超が東京にあるという分布の数字
働く場所も偏っています。第54回調査の集計企業2,808社を本社所在地でみると、関東圏に2,270社が集中していました。都道府県別の上位は次のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | 企業数 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 1,829社 | 65.1% |
| 2 | 神奈川県 | 297社 | 10.6% |
| 3 | 大阪府 | 143社 | 5.1% |
| 4 | 愛知県 | 82社 | 2.9% |
| 5 | 兵庫県 | 80社 | 2.8% |
| 6 | 埼玉県 | 59社 | 2.1% |
東京都だけで65.1%、神奈川県と合わせると4分の3を超えます。常時従業者数は回答総数で51.0万人(前年度比7.7%減)、内訳は製造業18.5万人、非製造業32.5万人でした。事業所ベースの常時従業者数402,932人のうち、東京都が125,325人で31.1%を占めています。ジェトロの2025年度調査でも、回答企業の本社所在地は関東が1,231社と大半でした。
ジェトロ調査の自由回答には「地方において英語力と技能の両方を持った人材の確保が難しい」という声も記録されています。地方拠点では、英語力と専門技能を両方持つ人の希少性がさらに上がるということです。
外資系企業が外国人を雇うときの壁は英語ではなく日本語だった
見落とされやすい数字を1つ置いておきます。同じ経済産業省の調査で、外資系企業に「外国人を雇用する上での阻害要因」を聞いた結果です。
| 外国人を雇用する上での阻害要因 | 2020年調査 | 2019年調査 |
|---|---|---|
| 日本語でのビジネスコミュニケーションの困難性 | 64.9% | 65.5% |
| 給与等報酬水準の高さ | 32.2% | 30.9% |
| 駐在ビザ取得の困難性 | 27.4% | 29.5% |
| 住居等確保の困難性 | 19.6% | 20.9% |
| 英語の通じる病院・医師不足 | 18.8% | 19.5% |
| 永住権取得の困難性 | 16.2% | 16.0% |
日本人を採るときは英語が1位(54.1%)、外国人を採るときは日本語が1位(64.9%)です。外資系企業の日本法人は、英語と日本語の両方が要る場所であり、片方だけでは回らないことをデータが示していることになります。日本語が通じるうえに英語も使える人は、外資系の日本法人にとって両方の困りごとを同時に埋める存在にあたります。
この調査では、外資系企業が日本で事業展開する上での阻害要因として、ビジネスコストの高さ75.1%、人材確保の難しさ53.6%、日本市場の閉鎖性・特殊性45.2%も挙がっています。今後1年間の雇用見通しは、現状を維持する69.9%、増員する24.7%で、合計94.6%が増員か現状維持を予定していました。
外資系企業の英語力について、公表されていないこと
ここまで並べてきた数字で答えられないことも、はっきり書いておきます。確認した範囲で、次の点についての公的な数字は見つかりませんでした。
- 外資系企業だけを抽出した「採用時に要求するTOEICスコア」の平均値
- 外資系企業の業界別(コンサルティング・投資銀行・製薬など)のスコア基準の集計
- 外資系企業に在籍している人のTOEIC平均スコア
- 外資系企業の求人のうち、英語要件を明記している求人の割合
IIBCの調査は企業・団体全体を対象にしており、外資系かどうかで分けた集計は公開されていません。経済産業省とジェトロの調査は外資系企業を対象にしていますが、聞いているのは「英語が壁かどうか」であって、点数ではありません。この2つの調査が交わる場所に、外資系だけのスコア統計は存在していないというのが現状です。
もう1つ注意点があります。経済産業省の外資系企業動向調査は2020年調査で終了しており、最新の実績は2019年度です。英語に関する54.1%という数字は、公的統計としては最後の記録であって、今の値ではありません。2025年時点で言語が課題だと確認できるのは、ジェトロ調査の40.3%のほうです。
外資系企業で求められる英語力で最後に確認しておくこと
この記事で並べた数字を、確認した順に整理します。
| 確認したこと | 数字 | 出典(調査名と年) |
|---|---|---|
| 日本人の人材確保上の阻害要因1位 | 英語でのコミュニケーションの困難性 54.1% | 経済産業省 第54回 外資系企業動向調査(2020年調査/2019年度実績) |
| 日本のビジネス環境の課題2位 | 言語・コミュニケーション上の障害の多さ 40.3% | ジェトロ 2025年度 外資系企業ビジネス実態調査 |
| 人材確保の打ち手4位 | 社員の英語等外国語能力向上 24.6% | ジェトロ 2025年度 外資系企業ビジネス実態調査 |
| 企業が海外部門に期待するスコア | TOEIC L&R 705点 | IIBC 英語活用実態調査【企業・団体/ビジネスパーソン】2022 |
| 職種「海外」の実測平均スコア | TOEIC L&R 717点 | IIBC TOEIC Program DATA & ANALYSIS 2026(2025年度) |
| CEFR B2に相当する合計スコア | 1560〜1840点(L&R+S&W×2.5) | 文部科学省 各資格・検定試験とCEFRとの対照表(平成30年3月) |
| 社内基準を公開している例 | TOEIC 800点が入社条件の一つ | 楽天グループ 採用サイト(2024年5月30日付) |
最後に3つだけ。1つ目は、「外資系だからTOEIC◯点」という公的基準は存在しないということです。目安として使える最も近い公表値は、企業が海外部門に期待する705点と、実際の職種「海外」の平均717点の2つです。
2つ目は、点数と実務能力は別の物差しだという点です。文部科学省の対照表はTOEIC L&RとS&Wの合算で判定する設計になっており、読む・聞くだけの点数ではCEFRの段階を確定できません。話す・書くのスコアを持っていない場合、自分がB1なのかB2なのかは、この表からは判定できないことになります。
3つ目は、外資系企業の側が抱えている困りごとが、日本人に対しては英語(54.1%)、外国人に対しては日本語(64.9%)だったという非対称です。日本語で仕事が回り、そのうえで英語のやり取りができる人は、外資系の日本法人が公表データ上いちばん足りないと言っている条件を満たしていることになります。数字はいずれも2026年9月16日に各公表資料で確認したものです。最新の値は、各調査の公式サイトで確認してください。

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