
公立中学校の英語担当教師のうち、CEFR B2レベル相当以上の英語力を持つ人の割合は令和6年度で46.2%である。高等学校では82.2%で、中学校とは36ポイントの開きがある。
この記事は、文部科学省が公表した「令和6年度 英語教育実施状況調査 結果概要」の数字だけを並べたものである。編集部が2026年9月26日に原本を確認した。
英語担当教師の英語力は学校種でどれくらい違うか
文部科学省は、英語担当教師の英語力を「CEFRのどのレベルに相当する資格を持っているか」で測っている。令和6年度の全国値は次のとおり。
| 区分 | 令和6年度の割合 |
|---|---|
| 中学校(CEFR B2以上) | 46.2% |
| 高等学校(CEFR B2以上) | 82.2% |
| 高等学校(CEFR C1以上) | 23.5% |
CEFR B2は英検準1級、C1は英検1級に相当するレベルとして扱われている。中学校と高等学校の差は36.0ポイントで、この計算は編集部が行った。
なお中学校のC1以上の割合は、この調査の結果概要には載っていない。公表されているのは高等学校の分だけである。
関連する数字は、英語教員の英語力はどれくらい?公的調査で公表されている数字にまとめている。
英語担当教師のB2以上の割合は中学校でどう動いてきたか
中学校の数字は平成25年度から続けて公表されている。11回分を並べると次のようになる。
| 年度 | CEFR B2以上の割合 |
|---|---|
| 平成25年度 | 27.9% |
| 平成26年度 | 28.8% |
| 平成27年度 | 30.2% |
| 平成28年度 | 32.0% |
| 平成29年度 | 33.6% |
| 平成30年度 | 36.2% |
| 令和元年度 | 38.1% |
| 令和3年度 | 40.8% |
| 令和4年度 | 41.6% |
| 令和5年度 | 44.8% |
| 令和6年度 | 46.2% |
11年で18.3ポイント増えている。1年あたりにならすと約1.8ポイントで、下がった年は1度もない。いずれも編集部の計算による。
令和2年度の数字が無いのは、この年度の調査が実施されなかったためである。表でも令和元年度の次が令和3年度になっている。
区切りのよい平成30年度と比べると、6年で10.0ポイント増えている。結果概要には「第3期教育振興基本計画の始期がH30であることを踏まえ、H30からの経年変化を示している」という注記があり、文部科学省もこの年度を基準に置いている。
直近の動きに絞ると、令和5年度の44.8%から令和6年度の46.2%で1.4ポイントの増加だった。11年平均の約1.8ポイントを下回る伸びである。この2つの計算は編集部が行った。
あわせて読むと分かりやすいのは、英検準1級はどれくらいのレベル?CEFR・大学入試での扱いをデータで見るにまとめている。
高等学校の英語担当教師はこの11年でどこまで伸びたか
高等学校は平成25年度の時点ですでに52.7%だった。その後の動きは次のとおり。
| 年度 | CEFR B2以上の割合 |
|---|---|
| 平成25年度 | 52.7% |
| 平成26年度 | 55.4% |
| 平成27年度 | 57.3% |
| 平成28年度 | 62.2% |
| 平成29年度 | 65.4% |
| 平成30年度 | 68.2% |
| 令和元年度 | 72.0% |
| 令和3年度 | 74.9% |
| 令和4年度 | 72.3% |
| 令和5年度 | 80.7% |
| 令和6年度 | 82.2% |
11年で29.5ポイントの増加である。ただし令和4年度だけは前回より2.6ポイント下がっている点は見落としやすい。中学校が一度も下がっていないのとは対照的である。
その翌年度の令和5年度には80.7%まで戻り、令和6年度に82.2%となった。いずれも編集部の計算による。
英語担当教師の英語力には目標値が置かれていた
この割合には、かつて国の計画で数値目標が置かれていた。結果概要の注記に次のように書かれている。
英検準1級程度以上(CEFR B2レベル以上)を取得した英語担当教師の割合について、中学校は50%以上、高等学校は75%以上を目標としていた。
令和6年度の実績と突き合わせると、高等学校の82.2%は75%を超えている。一方の中学校は46.2%で、50%にあと3.8ポイント届いていない。この差の計算は編集部が行った。
なお、この目標は第2期計画のものであり、現行の計画の目標値ではない。数字を引くときは、どの計画の目標と比べているのかを書き添える必要がある。
英語担当教師の英語力は自治体でどれだけ開いているか
結果概要には、都道府県・指定都市別のグラフも載っている。全国平均と、グラフ上の最も高い値・最も低い値をまとめると次のようになる。
| 区分 | 全国平均 | 最も高い自治体 | 最も低い自治体 |
|---|---|---|---|
| 中学校(B2以上) | 46.2% | 69.5% | 23.3% |
| 高等学校(B2以上) | 82.2% | 100.0% | 59.2% |
| 高等学校(C1以上) | 23.5% | 36.0% | 12.0% |
中学校では最も高い自治体と最も低い自治体で46.2ポイント開いている。高等学校のB2以上では、全員がB2以上という自治体が1つある一方で、59.2%の自治体もある。
文部科学省もこの点を「中学校・高等学校ともに、自治体間の差が見られる」とまとめている。全国平均だけを見ると、この開きは見えない。
開き幅を計算すると、中学校が46.2ポイント、高等学校のB2以上が40.8ポイント、高等学校のC1以上が24.0ポイントになる。母数の小さい自治体ほど、1人の増減で割合が大きく動く。いずれも編集部の計算による。
結果概要のグラフには、平成30年度と令和5年度の値も自治体ごとに重ねて示されている。同じ自治体が過去2時点でどこにいたかまで追えるつくりになっている。
調査でいう英語担当教師とは誰を指すか
この調査の「教師」には定義がある。結果概要の注記では次の3つの条件が示されている。
- 調査基準日時点において中学校・高等学校に所属している
- 外国語(英語)の免許状を所有している(免許状の種類は問わない)
- 英語の授業を担当している
そのうえで、臨時的任用の者と非常勤講師は除かれている。つまり教壇に立っている英語担当教師の全員を数えた割合ではない。
小学校の教師はこの集計の対象外である。
英語担当教師の数字を読むときに確認すること
ここまでに並べた数字を引用するときに、取り違えやすい点をまとめておく。
| 確認すること | 実際のところ |
|---|---|
| 46.2%の対象 | 中学校。高等学校は82.2% |
| C1以上の数字 | 高等学校のみ。中学校は結果概要に無い |
| 令和2年度 | 調査が無く、データも無い |
| 非常勤講師 | 集計から除かれている |
| 50%・75%の目標 | 第2期教育振興基本計画のもの |
とくに注意したいのが、中学校と高等学校の数字が入れ替わって引用されやすい点である。46.2%と82.2%では受ける印象がまるで違う。
この調査は年度ごとに更新される。引用するときは必ず年度を添えておきたい。
英語担当教師についてよくある質問
結果概要に書かれている範囲で、よく聞かれる点をまとめておく。
英語担当教師のCEFR B2は英検で何級か
結果概要の注記では「CEFR B2:英検準1級、C1:英検1級相当」と示されている。つまり中学校の46.2%は、英検準1級相当以上を取得している英語担当教師の割合という意味になる。
英語担当教師の英語力はいつ調べているのか
調査基準日時点の所属で集計されている。今回の数字は令和6年度の調査によるもので、文部科学省は2025年6月に結果を公表した。
英語担当教師の資格を持たない人は数に入るのか
入らない。外国語(英語)の免許状を所有し、かつ英語の授業を担当している人だけが母数になっている。ただし免許状の種類は問わないと明記されている。
小学校の英語担当教師の数字はあるか
この集計には無い。結果概要で英語力の割合が示されているのは中学校と高等学校だけで、小学校は対象外になっている。小学校について公表されているのは、指導体制や授業の内容に関する項目である。
英語担当教師の割合はどこで確認できるか
文部科学省のサイトに置かれている「令和6年度 英語教育実施状況調査 結果概要」のPDFに、学校種別のグラフと都道府県・指定都市別のグラフが載っている。記事末の参考文献からたどれる。
この記事の参考文献
- 令和6年度「英語教育実施状況調査」の結果について(文部科学省 公式サイト)
- 令和6年度 英語教育実施状況調査 結果概要(文部科学省 公式サイト)
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