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パフォーマンステストは英語の授業でどれくらい実施されている?公的調査の数字

パフォーマンステストは英語の授業でどれくらい実施されている?公的調査の数字

英語のパフォーマンステストについて、「話すこと」と「書くこと」の両方を実施している高等学校の学科は全国平均で49.7%だった。

この記事は、文部科学省が公表している「令和6年度 英語教育実施状況調査」の結果概要を並べ直したものである。調査基準日は令和6年12月1日、結果の公表は令和7年9月12日。数字は2026年9月26日に文部科学省の公式サイトで確認した。

目次

パフォーマンステストはどれくらい実施されているか、結論から

この調査でいうパフォーマンステストは、英語の4技能のうち「話すこと」と「書くこと」を実際にやらせて評価する試験を指す。調査では科目ごと・学科ごとに実施状況が集計されている。

全学科を合わせた全国平均で、「話すこと」「書くこと」の両方を実施している割合は49.7%である。おおむね2学科に1学科という水準になる。

実施回数の平均は、「話すこと」が年3.2回、「書くこと」が年2.2回。いずれも令和6年度における実施回数の平均で、年度末までの予定を含む数字である。

指標令和6年度の値集計の単位
「話すこと」「書くこと」の両方を実施49.7%全学科
「話すこと」の実施回数の平均年3.2回全科目合計
「書くこと」の実施回数の平均年2.2回全科目合計
学校数ではなく学科数

高等学校のこの調査は、学科ごとに1つの回答として集計されている。1つの学校に複数の学科があれば複数の回答になる。学校の数とは一致しない点に注意したい。

関連する数字は、英語の授業でICTはどれくらい使われている?公的調査の数字にまとめている。

パフォーマンステストの両方実施の割合は科目で変わるか

高等学校の英語は「英語コミュニケーション」と「論理・表現」に分かれている。両方実施の割合を科目別に見ると次のようになる。

科目両方を実施している割合集計の範囲
全科目合計49.7%全学科
英語コミュニケーション49.6%普通科+その他の専門学科及び総合学科
論理・表現49.6%普通科+その他の専門学科及び総合学科

3つともほぼ同じ水準で、科目による差はほとんど出ていない。文部科学省はこの項目について「科目に関わらず、自治体間の差が見られる」とまとめている。

つまり違いが出ているのは科目ではなく地域のほうである。都道府県・指定都市別のグラフも同じ資料に掲載されている。

なお英語コミュニケーションと論理・表現の数字は、集計の範囲が「普通科+その他の専門学科及び総合学科」に限られている。全科目合計の49.7%とは母集団が違うため、厳密には並べて差を論じられない。

あわせて読むと分かりやすいのは、英語の授業を英語で行っている割合は何%?公的調査の数字を並べたにまとめている。

パフォーマンステストの実施回数は科目でどう違うか

割合ではほとんど差が出なかった一方、回数では科目ごとの性格がはっきり分かれる。

科目スピーキングテストライティングテスト
英語コミュニケーション年3.5回年1.8回
論理・表現年2.6回年2.8回

英語コミュニケーションでは話すことの回数が書くことの約2倍である。これに対し論理・表現では書くことのほうが多い。

文部科学省はこの傾向を「英語コミュニケーションと比べて論理・表現では『話すこと』の実施回数が少ない一方、『書くこと』の実施回数が多い傾向」と説明している。

論理・表現は意見を組み立てて述べる科目であり、書く課題の比重が上がる。パフォーマンステストの回数にもその設計が表れている形になる。

パフォーマンステストの回数は学科でどう違うか

同じ科目でも、学科によって回数は変わる。普通科とそれ以外を並べたのが次の表である。

科目と学科スピーキングテストライティングテスト
英語コミュニケーション/普通科年3.5回年1.8回
英語コミュニケーション/その他の専門学科及び総合学科年3.6回年1.9回
論理・表現/普通科年2.5回年2.8回
論理・表現/その他の専門学科及び総合学科年3.1回年2.7回

差が大きいのは論理・表現のスピーキングテストで、普通科の2.5回に対してその他の専門学科及び総合学科は3.1回。0.6回の開きがある。

この差は編集部が上の表から計算したものである。英語コミュニケーションのほうは、学科による差が0.1回にとどまる。

なお複数の学科が設置されている学校では、「普通科」「英語教育を主とする学科及び国際関係に関する学科」「その他の専門学科及び総合学科」ごとに1つずつの回答として集計されている。

パフォーマンステストの結果は何に使われているか

この調査で公表されている生徒の英語力の数字は、実はパフォーマンステストと結びついている。

調査の注記には、CEFRのレベル相当以上とされる生徒について、次のように定義が書かれている。

  • CAN-DOリストに基づく自校でのパフォーマンステストの結果
  • 各教育委員会がモデル校での検証に基づいて定めた目安等
  • これらにより、それに相当する英語力を有していると英語担当教師が判断する生徒

つまり外部試験のスコアを持っていない生徒については、校内の評価が判断の根拠になっている。パフォーマンステストは、その評価を支える材料として位置づけられている。

生徒の英語力の割合を読むときに、この定義を知っているかどうかで受け取り方は変わる。外部試験の取得者だけを数えた数字ではないからである。

パフォーマンステストの調査はどう設計されているか

数字を引用する前に、調査そのものの条件を押さえておきたい。

項目内容
調査名令和6年度 英語教育実施状況調査
調査基準日令和6年12月1日
結果の公表令和7年9月12日(概要は差替版)
実施回数の数え方令和6年度における実施回数の平均。年度末までの予定を含む
科目の合算英語コミュニケーションI〜III、論理・表現I〜IIIをそれぞれ合算
学科の数え方同じ区分の学科が複数あっても1つの回答として集計

とくに押さえておきたいのが、実施回数に予定が含まれている点である。調査基準日は12月1日で、年度はまだ終わっていない。

そのため3.2回や2.2回という数字は、実績と見込みが混ざった値になる。確定した実績値ではないという前提で読みたい。

パフォーマンステストの自治体間の差はどう公表されているか

この調査の資料には、都道府県・指定都市別のページが用意されている。パフォーマンステストの実施状況についても2ページが割かれている。

掲載されているのは次の2種類である。

資料のページ載っている指標
実施状況(高等学校①)「話すこと」「書くこと」の両方を実施している割合。全科目合計・英語コミュニケーション・論理・表現の3種類
実施状況(高等学校②)スピーキングテストとライティングテストの実施回数の平均

ただし、これらは棒グラフの形で公表されており、自治体ごとの数値が一覧表として整理されているわけではない。本記事で個別の自治体名と数値を挙げないのはこのためである。

資料に明記されているのは、全国平均が49.7%であることと、自治体間に差が見られるという説明である。特定の自治体の値を引くときは、グラフの原本にあたる必要がある。

パフォーマンステストの数字を読むときに確認すること

ここまでに並べた数字は、すべて文部科学省の令和6年度英語教育実施状況調査によるものである。最後に取り違えやすい点をまとめておく。

確認すること実際のところ
49.7%の分母学校ではなく学科。全学科が対象
科目別の49.6%の分母普通科+その他の専門学科及び総合学科に限られる
実施回数の性質令和6年度の平均で、予定を含む
調査の対象公立の高等学校等。私立は含まない
中学校のデータ同じ形のパフォーマンステスト集計は概要資料に含まれていない

とくに間違えやすいのが、49.7%と49.6%を並べて「科目で差がある」と述べてしまうことである。母集団が違うため、この2つは差として読めない。

引用するときは、数値の横に分母と年度を書き添えておきたい。そこまで書いておけば、後から別の年度の数字と取り違える心配もなくなる。

この記事の参考文献

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