
日本語指導が必要な児童生徒の数は、2025年5月1日の在籍者数で、公立学校だけで84,759人と過去最高になった。
この記事は、文部科学省の「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」(2025年度調査)の公表値を並べ直したものである。
外国籍と日本国籍の内訳、学校種別、母語別、都道府県別、指導を受けている割合、進路、推移の順に見ていく。
日本語指導が必要な児童生徒の数は84,759人で過去最高
公立学校の84,759人のうち、外国籍が73,313人、日本国籍が11,446人という内訳だ。
2025年度調査からは国立・私立の学校も新たに調べており、国立62人と私立3,224人を足した全体は88,045人になる。
| 区分 | 公立学校 | 国立・私立を含めた合計 | 前回(2023年度・公立) |
|---|---|---|---|
| 外国籍 | 73,313人 | 76,238人 | 57,718人 |
| 日本国籍 | 11,446人 | 11,807人 | 11,405人 |
| 合計 | 84,759人 | 88,045人 | 69,123人 |
公立学校の合計は前回の2023年度調査から15,636人増(22.6%増)となっている。
増えた分のほとんどは外国籍で、外国籍は27.0%増の15,595人増、日本国籍は0.4%増の41人増にとどまる。
「日本語指導が必要」とは、日本語で日常会話が十分にできない子どもと、日常会話はできても学年相当の学習言語が足りず授業への参加に支障がある子どもの両方を指す。
調査では外国籍と日本国籍の二重国籍の子どもは「日本国籍」として数えられている。
日本語指導が必要な児童生徒数の推移(2008〜2025年度)
調査は1991年度に始まり、いまは2年に1度(隔年度)実施されている。
| 調査年度 | 外国籍 | 日本国籍 | 合計(公立) |
|---|---|---|---|
| 2008年度 | 28,575人 | 4,895人 | 33,470人 |
| 2010年度 | 28,511人 | 5,496人 | 34,007人 |
| 2012年度 | 27,013人 | 6,171人 | 33,184人 |
| 2014年度 | 29,198人 | 7,897人 | 37,095人 |
| 2016年度 | 34,335人 | 9,612人 | 43,947人 |
| 2018年度 | 40,755人 | 10,371人 | 51,126人 |
| 2021年度 | 47,619人 | 10,688人 | 58,307人 |
| 2023年度 | 57,718人 | 11,405人 | 69,123人 |
| 2025年度 | 73,313人 | 11,446人 | 84,759人 |
2016年度の43,947人から2025年度の84,759人まで、9年間で約2倍に増えた計算になる。
2008年度から2012年度までは3万3千人台でほぼ横ばいだったので、増え方が速くなったのは2014年度以降だとわかる。
日本国籍は2018年度に1万人を超えてから、1万1千人前後でほとんど動いていない。
伸びの中身は外国籍で、2023年度から2025年度の2年間だけで1万5千人以上増えている。
日本語指導が必要な児童生徒の数を学校種別にみると
学校種別では小学校が最も多く、公立の合計84,759人のうち54,888人が小学生である。
| 学校種 | 外国籍 | 日本国籍 | 合計(2025年度) | 合計(2023年度) |
|---|---|---|---|---|
| 小学校 | 46,746人 | 8,142人 | 54,888人 | 46,132人 |
| 中学校 | 18,307人 | 2,374人 | 20,681人 | 15,967人 |
| 高等学校 | 6,682人 | 631人 | 7,313人 | 5,573人 |
| 特別支援学校 | 781人 | 186人 | 967人 | 728人 |
| 義務教育学校 | 722人 | 89人 | 811人 | 611人 |
| 中等教育学校 | 75人 | 24人 | 99人 | 112人 |
小学生の割合は約64.8%で、全体の3分の2近くを占める(編集部が計算したもの)。
高等学校は2023年度の5,573人から2025年度の7,313人へ、約1.3倍に増えた(編集部が計算したもの)。
高校は定時制が半数近く
公立高校の7,313人を課程別に分けると、全日制と定時制がほぼ同じくらいの人数になっている。
| 公立高校の課程 | 外国籍 | 日本国籍 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 全日制 | 3,371人 | 369人 | 3,740人 |
| 定時制 | 3,253人 | 251人 | 3,504人 |
| 通信制 | 58人 | 11人 | 69人 |
定時制は公立高校の日本語指導が必要な生徒の約47.9%にあたる(編集部が計算したもの)。
特別支援学級に4,206人
小・中学校などの特別支援学級にも、日本語指導が必要な児童生徒が公立で4,206人在籍している。
内訳は外国籍が3,434人、日本国籍が772人だ。
日本語指導が必要な児童生徒の母語(言語別の数)
調査の「言語別」は、家庭や日常生活で比較的よく使う言語で分けた数字である。
外国籍は中国語が最多
| 言語 | 人数(公立・2025年度) | 構成比 |
|---|---|---|
| 中国語 | 17,821人 | 24.3% |
| ポルトガル語 | 11,933人 | 16.3% |
| フィリピノ語 | 9,709人 | 13.2% |
| ベトナム語 | 6,014人 | 8.2% |
| ネパール語 | 5,100人 | 7.0% |
| 英語 | 4,015人 | 5.5% |
| スペイン語 | 3,442人 | 4.7% |
| 日本語 | 2,526人 | 3.4% |
| 韓国・朝鮮語 | 513人 | 0.7% |
| その他 | 12,240人 | 16.7% |
外国籍では中国語が24.3%で最も多く、ポルトガル語の16.3%が続く。
2023年度調査ではポルトガル語が12,026人、中国語が11,862人で、ポルトガル語のほうがわずかに多かった。
2025年度は中国語が約6千人増えて順位が入れ替わり、ベトナム語も3,756人から6,014人へ増えている。
ポルトガル語は11,933人で、2023年度からほぼ横ばいとなっている。
日本国籍は日本語が最多
| 言語 | 人数(公立・2025年度) | 構成比 |
|---|---|---|
| 日本語 | 3,166人 | 27.7% |
| 英語 | 2,110人 | 18.4% |
| フィリピノ語 | 1,997人 | 17.4% |
| 中国語 | 1,862人 | 16.3% |
| ポルトガル語 | 502人 | 4.4% |
| スペイン語 | 379人 | 3.3% |
| ベトナム語 | 242人 | 2.1% |
| 韓国・朝鮮語 | 193人 | 1.7% |
| ネパール語 | 49人 | 0.4% |
| その他 | 946人 | 8.3% |
日本国籍の子どもでは、日常で使う言語が「日本語」という子が27.7%で最も多い。
この調査の定義では、日常会話ができても学年相当の学習言語が足りない子どもも対象に入る。
日本語指導が必要な児童生徒の数が多い都道府県
都道府県別では愛知県が15,712人で最も多く、2位の神奈川県を5千人以上引き離している。
| 順位 | 都道府県 | 合計(公立) | 外国籍 | 日本国籍 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 愛知県 | 15,712人 | 13,684人 | 2,028人 |
| 2 | 神奈川県 | 10,373人 | 7,869人 | 2,504人 |
| 3 | 東京都 | 8,409人 | 7,504人 | 905人 |
| 4 | 大阪府 | 7,920人 | 6,856人 | 1,064人 |
| 5 | 埼玉県 | 5,924人 | 5,433人 | 491人 |
| 6 | 静岡県 | 5,538人 | 4,966人 | 572人 |
| 7 | 千葉県 | 4,857人 | 4,394人 | 463人 |
| 8 | 三重県 | 3,145人 | 2,850人 | 295人 |
| 9 | 茨城県 | 2,713人 | 2,506人 | 207人 |
| 10 | 兵庫県 | 2,255人 | 1,965人 | 290人 |
5,000人以上の都府県は愛知・神奈川・東京・大阪・埼玉・静岡の6つで、この6都府県だけで全国の約63.6%を占める(編集部が計算したもの)。
少ないほうでは鳥取県が61人、高知県が64人、秋田県が69人となっている。
外国籍だけで前回から大きく増えたのは大阪府で、3,908人から6,856人へ約1.75倍になった。
岐阜県は外国籍が1,877人から1,620人へ減っており、すべての県が増えているわけではない。
日本語指導が必要な児童生徒がいる学校と市区町村の数
日本語指導が必要な児童生徒が1人以上いる公立学校は12,668校で、公立学校の39.4%にあたる。
2023年度は11,123校(34.1%)だったので、2年で1,545校増えたことになる。
| 1校あたりの在籍人数 | 学校数(公立・2025年度) | 構成比 |
|---|---|---|
| 1人 | 3,776校 | 29.8% |
| 2人 | 2,281校 | 18.0% |
| 3人 | 1,373校 | 10.8% |
| 4人 | 909校 | 7.2% |
| 5人以上10人未満 | 2,113校 | 16.7% |
| 10人以上20人未満 | 1,222校 | 9.6% |
| 20人以上30人未満 | 470校 | 3.7% |
| 30人以上50人未満 | 316校 | 2.5% |
| 50人以上100人未満 | 180校 | 1.4% |
| 100人以上 | 28校 | 0.2% |
在籍が10人未満の学校は合わせて10,452校で、在籍校の約82.5%にのぼる(編集部が計算したもの)。
一方で100人以上が在籍する学校は、2023年度の17校から28校に増えた。
市区町村単位でも、1人以上が在籍する自治体は増え続けている。
| 在籍人数 | 2021年度 | 2023年度 | 2025年度 |
|---|---|---|---|
| 100人以上 | 131 | 146 | 175 |
| 50人以上100人未満 | 77 | 87 | 87 |
| 20人以上50人未満 | 120 | 128 | 141 |
| 10人以上20人未満 | 116 | 128 | 159 |
| 10人未満 | 519 | 545 | 555 |
| 0人 | 778 | 707 | 624 |
在籍0人の市区町村は全1,741のうち624まで減り、20人以上の自治体も2023年度の361から2025年度の403へ増えた。
文部科学省は、子どもが多く集まる「集住」と少人数が各地に広がる「散在」が同時に進んでいるとまとめている。
日本語指導が必要な児童生徒のうち指導を受けている数と割合
学校で何らかの日本語指導(特別な配慮に基づく指導)を受けている児童生徒は75,060人で、割合は88.6%だった。
| 区分 | 2025年度 | 2023年度 |
|---|---|---|
| 特別な配慮に基づく指導を受けている | 75,060人(88.6%) | 62,054人(89.8%) |
| 特別な配慮に基づく指導を受けていない | 9,699人(11.4%) | 7,069人(10.2%) |
| 「特別の教育課程」で指導を受けている(義務教育段階) | 52,725人(76.4%) | 44,309人(76.9%) |
| 「特別の教育課程」で指導を受けている(高等学校段階) | 947人(15.6%) | 245人(5.6%) |
人数は増えたものの割合は1.2ポイント下がり、指導を受けていない9,699人は前回より2,630人多い。
「特別の教育課程」による日本語指導は、義務教育段階で2014年度、高等学校段階で2023年度に制度が導入された。
国籍別の受けている割合は、外国籍が88.9%、日本国籍が86.4%となっている。
学校で支える人の数
学校で日本語指導を手伝う外部人材「日本語指導補助者」は8,706人で、前回の7,837人から869人増えた。
子どもの母語で学習や保護者とのやり取りを支える「母語支援員」は7,301人で、前回の6,266人より1,035人多い。
学校に配置される外国語の人材という点では、英語の授業を支えるALTの人数をALT(外国語指導助手)は何人いる?公的調査で公表されている配置数にまとめている。↓

ICT端末を使う自治体
学校での日本語指導にICT端末などを「活用している」自治体は758で、在籍がある自治体の66.0%を占める。
日本語指導が必要な児童生徒の進路(進学率・中退率の数字)
進路の数字は、2024年度中に卒業・修了した生徒を対象にしている。
| 指標(公立) | 日本語指導が必要な生徒 | 全体 | 前回(日本語指導が必要な生徒) |
|---|---|---|---|
| 中学生等の高校等進学率 | 91.5% | 98.9% | 90.3% |
| 高校生等の大学等進学率 | 41.2% | 75.0% | 46.6% |
| 高校生等の中途退学率 | 6.4% | - | 7.7% |
| 就職者のうち非正規就職の割合 | 49.6% | 6.5% | 40.3% |
| 高校卒業後に進学も就職もしていない割合 | 13.0% | 6.8% | 11.8% |
高校等への進学率は91.5%と前回から1.2ポイント上がり、中退率も6.4%へ下がった。
高校卒業後の大学等進学率は41.2%で、全高校生等の75.0%とは大きな差がある。
就職した生徒のうち非正規や一時的な仕事に就いた割合は49.6%で、前回の40.3%から上がった。
全高校生等の6.5%と比べると、日本語指導が必要な生徒の就職のかたちに偏りがあることがわかる。
日本語指導が必要な児童生徒の数を読むときの注意点
84,759人という数字は、外国籍の子ども全員の数ではない点に気をつけたい。
| 公立学校の数字(2025年度) | 人数 |
|---|---|
| 公立学校に在籍する外国籍の児童生徒(学校基本調査) | 151,118人 |
| そのうち日本語指導が必要な外国籍の児童生徒 | 73,313人 |
外国籍の児童生徒のうち日本語指導が必要とされたのは、約48.5%という計算になる(編集部が計算したもの)。
- 見出しの84,759人は公立学校だけの数で、国立・私立を足すと88,045人になる
- 「外国籍の子どもの数」ではなく、日本語指導が必要と判断された子どもの数である
- 日本国籍の子ども(11,446人)も含まれている
- 調査は隔年度なので、2024年度の数字は無い
- 進路の数字だけは2024年度中の卒業・修了者が対象
どの子を「日本語指導が必要」とするかについて、文部科学省は判断基準別の学校数も別に集計している。
国内の学校ではなく海外で日本語を学ぶ人の数は、日本語学習者は海外に何人いる?国際交流基金の調査データにまとめている。↓

日本語指導が必要な児童生徒の数で最後に確認しておくこと
- 日本語指導が必要な児童生徒は公立学校で84,759人(2025年度)、国立・私立を含めると88,045人
- 外国籍73,313人、日本国籍11,446人で、増加はほぼ外国籍
- 2016年度の43,947人から9年間で約2倍
- 小学生が54,888人で約3分の2、高校は定時制が半数近く
- 母語は中国語が最多(外国籍の24.3%)で、ポルトガル語を抜いた
- 都道府県では愛知県が15,712人で最多
- 在籍校は12,668校(公立学校の39.4%)、その約8割は在籍10人未満
次回の調査結果が出たら、外国籍の伸びと「指導を受けていない」人数がどう動いたかを見比べるのがよい。
あわせて読みたい:日本語学校など、日本語を教える機関の数は日本語教育機関は何校ある?文部科学省の公表データを並べたにまとめている。↓

参考文献
- 令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査の結果を公表します(報道発表資料)(文部科学省公式サイト)
- 令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果(概要)(文部科学省公式サイト)
- 令和7年度 日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について(報告書)(文部科学省公式サイト)
- 「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査」令和7年度調査結果(資料)(文部科学省公式サイト)
- 外国人児童生徒等教育の現状(文部科学省公式サイト)
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